受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
女の子ものがたり
この世にある、どうしようもないもの
6才のなつみは、父方の祖父のもとに一家で身を寄せることになり、海沿いの村から山と田んぼと工場のある街へ引っ越した。そこで知り合ったのはみさちゃんときいちゃんという友達。経済的には恵まれない、勉強もできるとはいえない、3人の女の子はいわゆる不良仲間とつき合いながら、倦怠感と閉塞感を抱えて成長します。幼い日々は痛ましく切ないエピソードであふれていて、やりきれない思いばかりがわいてくるのですが、それでも悲しいだけではない不思議な魅力がある本です。地域の誰もが貧しく、周囲の大人達は苦しい生活に常にいらだっているか諦めている。ここから抜け出したいのだけれどその方法もわからない。貧困が全てで、貧困さえなければ3人がどんなに幸せだったであろうかと思います。
人生は決して公平ではなく努力では変えられないものもあるけれども、それぞれの環境のなかで必死に生きている、そんな人間の姿が伝わってきます。
(NAOさん 公立保育所)