受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
暗いところで待ち合わせ
おすすめの理由
全盲の女性(ミチル)の家に、警察に追われる男が逃げ込んでくる。そんなシチュエーション、自分がその女性だったら絶対に怖いと思います。しかし、この本に出てくる男性(アキヒロ)は、困っているミチルを見ていられず、ついつい手を差し伸べてしまう、そんな男性です。表紙だけ見ると、きっと怖い話だろう、と思ってしまうのですが、読み終わった後は、切ないけども何か心が温かくなる、そんな話でした。
駅やデパートなど、ちょっと外に出れば、視覚障害者の方を見かけることはありますが、その方が困っているとき、果たして自分は手を差し伸べていただろうか。この本を読んで、そのことが頭をよぎりました。この本のように、一対一の状況であれば、きっと何かできるとは思うのですが、駅などの公の場だと、誰かが手伝ってあげるだろうと勝手に思い、見て見ぬ振りをしていたこともありました。そんな自分を反省するとともに、他の人に対する自分の態度についても、考えさせられました。
相手の反応は、自分自身がとった反応の裏返し。多くの方と接する仕事をしているので、自分の振る舞いについて見直すきっかけになった一冊です。
(チッチさん 相談員)