受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
ひらけ! 勝鬨橋 新装版
おすすめの理由
普段からミステリー小説を読むことが多い私ですが、高齢者を主人公にしたものは始めてでした。特に、この本のカーチェイスのシーンはスピード感にあふれ、読んでいて本当に興奮しました。高齢者は余生を静かに送るもの、と勝手に思い込んでいた私には衝撃的な一冊です。仕事上、毎日のように高齢者と接していますが、この本を読んでから、「いま自分の目の前にいる方は、若かりし日はどんな仕事をしていたのか。どういう趣味があったのか」ということをしっかり聞くようになったと思います。教科書で「傾聴」「受容」という言葉はよく見ますし、それを心がけていたつもりではありましたが、それを現場でちゃんと意識できていたのだろうかと、これまでの自分自身を振り返るきっかけにもなりました。
この本に出てくる「青い稲妻チーム」の面々は、老人ホームで起こった殺人事件をきっかけに、能天気な自分から脱却し、「昔取った杵柄」で車やバイクを操り、ヤクザとの攻防戦を繰り広げます。さすがにここまで体を動かせる人は稀だとは思いますが、年をとっても活発に活動している方もいらっしゃいますし、私もそういう風に年齢を重ねたいなと思いました。
直接、社会福祉士の国家試験に結びつくような本ではないですが、ちょっとした息抜きにはもってこいの本だと思います。ぜひ読んでみてください。
(N.Oさん・社会福祉士)
内容紹介
老人ホームを舞台に繰り広げられる、ミステリー小説。「青い稲妻チーム」というチーム名でゲートボールに興じている高齢者たち。実はルールを理解していないため、大会に出ても一勝もしたことがない。当然、同じホームの高齢者からはバカにされていたが、本人たちは能天気に生活していた。
しかし、ある日、老人ホームの館長が詐欺にあい、老人ホームからの立ち退きをヤクザから要求されることに。ヤクザと対立するなか、老人ホームで殺人事件が発生。ヤクザから自分たちの住み家であるホームを守るべく、いま「青い稲妻チーム」が立ち上がる!