受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
新版 It's now or never−薬害C型肝炎と向き合って(『It's now or never−私は早く、C型肝炎とさよならしたい!』)
おすすめの理由
受験勉強は孤独との戦いだと思います。また、常に順調にいくものではなく、挫折したり、壁にぶつかったりするものだと思います。私は、そういった受験勉強の中で、この本と出会いました。
それまで普通の生活を送っていた女子大生が、成人式の4ヵ月後に自分がC型肝炎だと知り、次第にその病気の深刻さに気付きながら、懸命に生きていく姿が描かれていました。
私が社会福祉士の受験勉強をしていた時、父親が倒れました。三度目の受験であったことや、フロアー主任であることの重み等が重なり、泣きながら勉強したこともありましたが、この本にとても励まされました。
壁にぶつかったとき、共感できた本書をおすすめします。
(岡田啓吾さん・社会福祉法人くわの実福祉会 障害福祉サービス事業所 介護支援員)
内容紹介
C型肝炎薬害訴訟の原告として、実名を公表して活動してきた福田衣里子さんの手記。楽しい大学生活を送るはずだった時期にC型肝炎だと知った葛藤や治療に臨むまで、訴訟を起こし闘う様子などが記されている。さらに、薬害肝炎九州弁護団事務局長の古賀克重氏がC型肝炎訴訟と治療について、福田さんの主治医である有冨朋礼氏がC型肝炎の知識について、筆を執っている。
2006年に『It's now or never−私は早く、C型肝炎とさよならしたい!』が出版され、2008年には、福岡訴訟結審から国との和解に至るまでの経緯が追加された『新版 It's now or never−薬害C型肝炎と向き合って』が出版されている。
福田さん本人は、2009年に長崎県第2区から出馬し、衆議院議員として初当選を果たしている。