受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
性に関する新たな“真実”を知る
セックスボランティア
おすすめの理由
初めてタイトルを目にしたときは、びっくりして興味をひかれましたが、手に取ることなく、いつのまにか仕事やら日常の忙しさの中で存在を忘れていた本でした。文庫が発売されたことで、また書店で見かけるようになったので、読んでみました。本の中には、介助者が、教育者が、一人の人が、病気や障害を抱える人の性に真剣に向き合う姿が書かれていました。当然、障害者本人が持つ性欲もはっきり書かれていて、そりゃ、人間みんな性欲あるよなぁと、目からウロコというか、新たな真実を知ったような気がしました。
たとえば、知的障害を持つ人に、どのように性教育をするのか? 普段はほとんど考えないけど、いったん考え出すと、難しくて難しくて…。世間の常識とは違う判断基準があるのだろうし、必要なのだろうなと。
知的障害を持つ人の性という一点だけをとっても、すごく深い問題というか題材というか…。つい最近、都立七生養護学校(現・七生特別支援学校)の性教育について批判した教育委員会が訴えられて敗訴するということもありました。知的障害者の性犯罪が、偏見たっぷりで報道されていたりもします。
性ということについて考えるきっかけを与えてくれたと同時に、自分が接する人に対して、なるべく偏見を持たずにいたいなと思い直させてくれた一冊です。
(SHINさん・社会福祉士)