受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
援助者としての感受性の豊かさが試される一冊
おとなのひとにいってほしかった24のこと
おすすめの理由
ソーシャルワーカーは、相談援助業務のプロとして、あらゆる人々との出逢いがあり、時に悩み、時に励まされ、ケースを通じて自分自身も日々成長させられる職業であると認識しています。そのため、私自身も日頃から広い視野を持ち、物事一つひとつを濃く感じ、あらゆるケースに柔軟に対応できることを目標としています。しかし、ソーシャルワーカーも一人の人間です。万能ではありません。私もソーシャルワーカーとしての価値に悩んでいたことがあり、そんな時に出逢ったのがこの本でした。この本は福祉の専門書でも技術向上の参考書でもありませんが、この本の内容をどのように捉えるかで、ソーシャルワーカーとしての感受性の豊かさを試されているのではないかと思いました。
社会人としての振る舞いやソーシャルワーカーとしての専門的技術等に悩み、立ち止まった時、私たちは必ずと言っていいほどバイスティックの7原則に立ち戻ります。私にとっては、この本を読むことが、原則に立ち戻るのと同じくらい、基本に戻って素直に自分を見つめ直すことです。一介のソーシャルワーカーとしてできることは何かを改めて考えます。
そして、自身のソーシャルワークに悩み、苦しんでいる時こそ、この本にあるような哲学的な思想に対して揺るぎない明確な答えを持てることが、自分自身が目指すソーシャルワークの真髄につながるのではないかと思っています。
ちなみに、本の内容が掲載されているホームページなどもありますので、興味のある方は検索してご覧になってください。
(ゆかさん・医療ソーシャルワーカー)