受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
こころの問題は、ひとのこころでしか癒されないと実感
出会いについて―精神科医のノートから―
著者:小林 司
発行:日本放送出版協会
ISBN:4-14-0014490-0
価格:¥750(税込)
発行:日本放送出版協会
ISBN:4-14-0014490-0
価格:¥750(税込)
おすすめの理由
援助職である前に、一人の人間として生きるうえで「何が最も大切であり、また何を一番大切にするのか」を自問自答するならば…。私とこの本との出会いは、25年前に遡ります。カウンセリングを学習する過程で自己覚知は決して避けては通れない試練でした。今もなお読み返している一冊です。自問自答する中で出会ったこの書籍は、出会いの大切さから別れの悲嘆に至るまで、その意味と重要性についてわかりやすく解説されています。
教育機関における援助職として29年という年月を学生とともに歩み、面談した多くの学生は、人として「自己の存在感」を認めてほしいと切実なサインをいつの時代も送り続けています。そのこころの叫びを、こころで受け止め、その気持に寄り添える勇気と自信と希望を私に与えてくれた一冊です。
援助職を目指し学習されている方、また援助職として実践に励んでおられる方にぜひとも読んでいただきたい。この一冊を通じ、多くの気づきを得ましたが、心理療法や宗教などの枠を超え、「こころの問題は、ひとのこころでしか癒されない」と自身で実感できた貴重な一冊です。
(藤原さん・私立大学勤務、社会福祉士)