受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
介護職も他人事ではない!? 労働者の“いま”を知る
ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る
おすすめの理由
この本には「いくら働いても報われない時代が来る」という副題がついていて、自分の職場のことを頭に浮かべながら手に取ったことを覚えています。介護職には、給料には満足できないまま体がつらくても仕事を続けているという人が多くいます。「自分たちが辞めてしまったら利用者たちの生活はどうなってしまうんだ」という思いで、辞めることができないでいる人を何人も知っています。働いても働いても収入は低いままで、仕事量は多く、生活は豊かになっていかない。「ワーキングプア」に近い立場ということでしょうか。きっとそうなのでしょうね。この本に書いてあるのは介護現場のことばかりではないのですが、つい普段接している介護職と結びつけて考えてしまいました。
10話ある「ワーキングプア」のドキュメントはかなり詳しくて、状況を想像しやすいだけに、身近な問題としての怖さがあります。いったん正社員でなくなると正社員への道が簡単には開かれない。「ワーキングプア」になりやすい。悪循環です。
自分も不安を感じますが、相談援助職として知っておくといい情報が載っていますし、読みやすいのでおすすめします。
(海の闇・月の影さん・高齢者施設 生活相談員)
内容
便宜上、働いていても年収が200万円未満のという人たちを「ワーキングプア」と呼ぶとすると、その数は男性労働者を中心に年々増加する傾向にあるという。この本では、そういった「ワーキングプア」の現状を示し、問題点を取り上げている。ドキュメントとして、現在「ワーキングプア」状態にある人たちの経験談が各章に2話ずつ収載されている。