受験勉強はもちろん大事。でも、机に向かって知識を詰め込むだけが取り組み方ではありません。合格者には、独自のアイデア、秘策もあるようです。本コーナーでは、先輩たちが推奨する「合格に役立ったもの」を自由なスタイルで紹介します。
一回5分の清涼剤
YouTube
呼び水は機種変更、
逆境が「吉」と出ました。
逆境が「吉」と出ました。
おすすめの理由
きっかけは、スマートフォンでした。そろそろ受験が視界に入ってこようかという11月の末、試験勉強に卒論のまとめ作業のバタバタが加わって、精神的にかなり疲弊していました。プライベートにもちょっと残念な出来事があって、携帯電話を見るとそれを思い出してしまう、つらいということで、写真のスマホに機種変更したのです。スマホでは「YouTube」が観られる。ふうんとひとしきり楽しんだら、そのときは特に後を引かずに観なくなってしまったのですが、年が明けて1月、友達と“お笑い”の話で盛り上がったときに、M-1グランプリ(漫才コンテストです)が話題に上りました。話をしているうちに、もともと好きだった「NON STYLE」(男性の漫才コンビです)が無性に観たくなって、話の流れで友達からは「息抜きに好きな音楽DVDを観てるんだよね」という言葉も飛び出して、これは「YouTube」だと。
NON STYLEが2008年のM-1グランプリに優勝した映像を観ました。すごくがんばって、報われて優勝して、コンビのお一人が涙を流すというシーン。それを観たら感動して、なんだか気持ちが元気になって、“自分もこうなりたいな”と思ったんです。それ以前にもYouTubeでお笑いは時々観ていて、ネタを見て楽しい気分になってということはしていたのですが、自分の内面からこういう積極的な気持ちが出てきたのは初めてでした。
成功イメージを高める
それから、感動のシーンを探す、観るということを始めました。オリンピックのメダル獲得の瞬間や、サッカーで優勝が決まったシーンなどなど。努力してそこへ至ったシーンの数々はどれも感動的で、私の元気に栄養と喝(活)を入れてくれました。自分ががんばった最後には、こういう結果が出てくるというのに重なって見える感覚です。これの逆、例えばドラマで受験に失敗するシーンが出てきたり、こうまで極端でなくても、受験勉強に勤しむ日常生活のなかでうまく進まないなどの状況があったりすると、いやな気分、やっぱりダメかもなんて思いがちです。でも、そんなことない、がんばれば報われるんだ、そうなるぞという気持ちを自分の中につくっていくと、受験への向き合い方はずいぶん変わってくる。そんなことを実感しました。
息抜きをコントロールしやすい
YouTubeのメリットは、息抜きの管理のしやすさにもあると思います。息抜きも必要だとテレビを観てしまうと、ずっと観てしまう。特に疲れやストレスがたまっていると、この誘惑は御し難いのではないでしょうか。私の場合、学生生活のなかでもともとはトランペットが息抜きになっていましたが、時間がとれないためにそれができない。できないと苦痛になってくる。勉強がうまく進まないとこれも苦痛としてかぶさってくる。というわけで、息抜きをしたくてもできないという状況のなかでは、手軽にできる息抜きが必要になってきます。
YouTubeは、初めに1本あるいは2本と決めておけば、5〜10分で済みます。勉強の合間の小休止にも、短時間で気分が一変するのでもってこいです。
受験される皆様へ
ちなみに、私はあまり計画性があるとはいえないほうで、おまけにこつこつと継続するのも苦手。やらなきゃやらなきゃと思って、始めてみては他のことに手をとられたり、気持ちが続かずに止まったりで、気づいたら秋も後半というありさまでした。単位を落とした授業もありますし、実力を測る試験ではボーダーライン以下のことも結構ありました。でも、絶対落ちたくないという気持ちだけは常に持ち続けていました。お世辞にも優秀とはいえない私がなんとかがんばれたのですから、皆さんにもきっとできると思っています。ぜひ、あきらめずにがんばって、目標とされる資格を手にしていただきたいです。
プロフィール
平成23年度試験合格
文京学院大学人間学部人間福祉学科卒。介護の仕事を志して在宅のホームヘルパー、介護福祉士の資格を取得して特別養護老人ホームへと専門性の幅を広げていく母親を見て“福祉”に興味を抱いたのが発端。大学受験を考える頃には福祉系に進むことをほぼ決めていた。直接援助(介護)とはまた異なるソーシャルワーカー職を可能性の一つとして母に薦められたこと、あわせて高校3年のときに知った精神保健福祉士の活動フィールドに関心をもったことから、大学進学時に将来の社会福祉士・精神保健福祉士のダブル受験を思い描いた。“ダブル”に実績のある大学を選び、両資格を見事に現役合格。今年(平成24年)4月より、愛誠病院(東京都板橋区)の医療相談室に勤務し、精神科病床のソーシャルワーカーを務める。趣味は、中学のときに始め、社会人の楽団に所属したこともあるトランペット。好きなものは、奏でるのも聴くのも好きな音楽。アーティストならJ-POP女性ソロ「Superfly」。お笑いも好きで、こちらは「NON STYLE」「ウーマンラッシュアワー」。きらいなものは、上から目線の人とトマト。ダブル合格ながら「私以上に(勉強が)できる方はたくさんいる」、自らの特徴を評しては「ちょっと人と感覚がズレているかも」と。謙虚さとズレ(!?)が相まってやわらかい雰囲気が心地よい22歳。