受験勉強はもちろん大事。でも、机に向かって知識を詰め込むだけが取り組み方ではありません。合格者には、独自のアイデア、秘策もあるようです。本コーナーでは、先輩たちが推奨する「合格に役立ったもの」を自由なスタイルで紹介します。
「やるぞ!」にもっていく
はじめにご褒美
イギリス・コッツウォルズにて
ただいま充電中!
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おすすめの理由
勉強をしよう。でも、そんなに切羽詰った状況ではないし、かといって勉強は先に進めたい。こんなときは、ちょっとした“楽しみ”を加えて机に向かう。振り返ると、高校時代の試験勉強くらいからでしょうか。気がついたら始めていて、なかなかの効果を実感しています。“楽しみ”の中身は、好きなお茶(紅茶)にチョコ1粒とかクッキー1つとか。ご褒美付きで、とりあえず机に向かおうと思えます。洋菓子が大好きですが、ケーキまでいってしまうと、“ちょっと口に入れてうれしい”ではなく“食べておいしい”になってしまい、おまけに肥ったりするのでなしです。ご褒美といっても、やったことに対するご褒美ではないので、より的確に言い表すと“エサ”でしょうか。
この方法、社会に出てからの受験勉強(精神保健福祉士)でも大いに役立ちましたし、仕事中もちょっとやる気が落ちてきたと思ったら、甘い飲み物を買ってきてがんばるぞと。職場は私を含め医療ソーシャルワーカー8名、看護師6名が全員女性なので、お菓子にも事欠きません。個人の引き出しの中ではなく、事務所の休憩室にみんなが持ち寄ったお菓子が常備されていて、誰かしらどこかに行っておみやげなどもあるので、すごい量になることもあります。こういう一角が近くにあるというのも、やる気の原動力です。
「お茶とお菓子+机」を写真でお伝えすると、こんな感じです(この量は食べませんけど)。
リフレッシュは力に
要は、やる気を引き出すための、これからがんばるための栄養剤を、事の前に補給するということで、冒頭の写真もその一つです。いえ、当時はそれを意識していなかったと思いますが、振り返ってみると、すごくリフレッシュされて、またがんばろうと気持ち新たになれたので、やっぱりその一つだと思います。こちらの写真は、イギリスのコッツウォルズ地方。去年の夏休みに友達と二人で行ったときのものです。街並み、田園、とってもきれいでした。海外旅行が好きでいろいろ行っていますが、景色が日本と全然違うところに行ったほうが、気持ちが切り替わって癒されます。今年の夏に行ったベルギー、オランダも最高でした。
私の場合、病院の医療ソーシャルワーカーとして働きながらの受験だったため、毎日決まった時間に勉強をすることが難しく、本格的に試験勉強を始められたのは12月の中旬からでした。そういうなかでも、友達に誘われて遊びに行くときは行き、めりはりをつけるようにしていました。勉強の時間が少なくなればそれだけ焦りも出てくるわけですが、反面リフレッシュはできるので、短期に集中する力は発揮しやすくなります。
お茶とお菓子で半分リラックスしながらする勉強も、毎回がそうということではなく、気持ちが乗っているときは、それこそ耳栓をして音をなくして勉強しました。体力、気力、それに仕事やプライベートなどおかれている状況によっても、そのときの自分に望ましい取り組み方は異なると思います。取り組みやすい状態に自分自身をどのようにもっていくか、その方法の一つとして、「はじめにご褒美」を紹介させていただきました。
資格取得で広がる可能性
私は、大学で社会福祉士の資格を取って医療ソーシャルワーカーとなり、今年4年目を迎えています。精神保健福祉士の資格は取得してまもなく半年です。精神の資格を持って改めて感じるのは、自分が今までいかにベースとなる知識をもたずに患者さんと接してきたかということです。精神科の患者さんはもちろんのこと、精神科以外の患者さんとのかかわりにおいても、精神保健福祉の知識をふまえてわかること、支援できることがあります。業務のなかで経験から学べることは多いですが、基礎を学んでいるからこそ、たしかな理解につながることも多くあります。この資格にチャレンジすること、またその過程でさまざまな知識を得られることに意義があると思います。仕事をしていて大変なことはたくさんありますが、よかったと思えることはそれ以上にあります。その方の人生のなかのほんの一部、でもすごく大事な時期にかかわらせていただいて、その方が自分の力で解決されるのを見守る、支援できる、本当にいい仕事です。
プロフィール
平成23年度試験合格
立教大学コミュニティ福祉学部卒。数ある可能性の一つと考えていた“福祉”に惹かれるようになったのは、大学1年の後半。知的障害の子どもたちが集まる放課後のデイサービスでボランティアに携わり、「楽しい」と思った。働いている人たちの志や熱さにふれ、打たれる思いもあった。ほどなくソーシャルワーカーを進路に見定め、社会福祉士の資格取得を心に決めた。見事、現役合格をはたし、千葉県内の総合病院に就職、医療ソーシャルワーカーとして歩み始めた。やがて、業務のなかで精神保健福祉の知識の必要性を感じる出来事にたびたび遭遇した。病院が精神科病棟をもっていたこと、また先輩ソーシャルワーカーが皆、社会福祉士と精神保健福祉士を持っていたことも刺激になった。実習が免除される実務経験2年を経て、就職3年目に受験に臨んだ。こちらもチャレンジ初回で見事合格。好きなものは、チョコ、クッキー、海外旅行、3歳の甥っ子。きらいなものは、人混みと虫。「いろんな方から感じてきた、人を支援する誠実さ。このことを忘れずに、ぶれずにいきたいです」と、ソーシャルワーカー道まっしぐらの26歳。