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第11回 「組み合わせ」てみると、新アイデアが生まれてくる!
「発明・アイデア」と「料理」の共通点とは??
「発明・アイデアを考案すること」と「美味しい料理をつくること」には、多くの共通点があります。
まず料理についていえば、毎日、主婦は、今日の献立は何にしようかと頭をめぐらします。そして、前日の料理の内容や家族の栄養、好みなどをイメージしながら、さまざまな食材を購入し、それらを上手に組み合わせ、味付けに工夫をこらして、皆が喜ぶ料理を創りあげます。
一方、発明・アイデアも同じプロセスをたどります。まず、何かを創ろうという発明・アイデアのテーマをもとに、いろいろな情報を集めます。そして、それらを組み合わせながら、自分のアイデアを創作していくのです。
したがって、料理と発明・アイデアには、「既存のものを組み合わせる」、あるいは、「結合する」という共通のキーワードがあるといえます。これらをベースとして、その人なりの創意・工夫をこらしていくということになります。
まず料理についていえば、毎日、主婦は、今日の献立は何にしようかと頭をめぐらします。そして、前日の料理の内容や家族の栄養、好みなどをイメージしながら、さまざまな食材を購入し、それらを上手に組み合わせ、味付けに工夫をこらして、皆が喜ぶ料理を創りあげます。
一方、発明・アイデアも同じプロセスをたどります。まず、何かを創ろうという発明・アイデアのテーマをもとに、いろいろな情報を集めます。そして、それらを組み合わせながら、自分のアイデアを創作していくのです。
したがって、料理と発明・アイデアには、「既存のものを組み合わせる」、あるいは、「結合する」という共通のキーワードがあるといえます。これらをベースとして、その人なりの創意・工夫をこらしていくということになります。
身の回りには、組み合わせ発想の商品がいっぱい
このような「組み合わせ発想」による商品は、私たちの身の回りでいくつも発見することができます。パソコン+TV+DVD、ラジオ+カセット(ラジカセ)、ライト+目覚まし時計、ライト+ルーペ(拡大鏡)、ボールペン+シャープペン、ヒーター+鉄板(調理用鉄板、鍋)、ヒーターと布地(ホットカーペット、座布団など)、ヒーター+容器(ポット、炊飯器、酒沸かし器)など、ちょっと見渡しただけでもいくつも挙げられます。ブレンドコーヒー、カクテルなども「組み合わせ」の例ですし、「書道セット」「裁縫セット」など、すぐに使える便利なセット商品も数多くみることができます。料理の例でいえば、毎日の献立に悩む働く主婦たちには、スーパーマーケットなどで必要な材料を組み合わせて売っている献立パックなどは、とてもたすかる商品になっています。
組み合わせるものは変われども、ベースは変わらない
組み合わせるものは時代とともに進化してきましたが、そのベースにある考え方は昔も今も変わることはないようです。例えば、「消しゴム付鉛筆」は、貧しい画家だったハイマンがいつの間にかなくなってしまう消しゴムに困り、鉛筆とケシゴムの一体化のアイデアを思いついたといわれます。また、ミルクティは、フランスのサブリエール夫人が、「もっとコクのある紅茶を飲めないか」ということからミルクと組み合わせることを思いついたといわれ、これがもとになって、ブランデーやレモンなど、次々と紅茶に混ぜるアイデアが出てきました。ビジネスマンが着用するワイシャツも、カラー、シャツ、カフスボタンと別商品であったものを、それぞれを組み合わせて現在のような単一商品とし、世界の大発明となりました。
わが国をみても、明治・大正期の「日本の十大発明家」の一人である田熊常吉は、独学で世界に轟く蒸気ボイラーを発明しましたが、先進国のボイラーの長所をすべて組み合わせて、独自のボイラーを完成させたといいます。
また、極めてシンプルな組み合わせである「梅干弁当」は、ご飯の腐敗を防ぐチエと、梅を干して塩づけにするというチエとを組み合わせたもので、日本人独自の永遠のアイデアだということができます。
わが国をみても、明治・大正期の「日本の十大発明家」の一人である田熊常吉は、独学で世界に轟く蒸気ボイラーを発明しましたが、先進国のボイラーの長所をすべて組み合わせて、独自のボイラーを完成させたといいます。
また、極めてシンプルな組み合わせである「梅干弁当」は、ご飯の腐敗を防ぐチエと、梅を干して塩づけにするというチエとを組み合わせたもので、日本人独自の永遠のアイデアだということができます。
組み合わせてできた、愛犬家の主婦のシンプル発明
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大村文子さんは、家で飼っている2才のコーギー犬の歯に歯垢が付き始めたことが気になり、市販の犬用の歯ブラシや拭きとり用和布などを買ってきて、歯垢を取ろうと試みました。ところが、犬にとっては初めてのことなので抵抗が激しく、素手では今にも噛み付かれそうな怖さがあります。こうしたペットも自分もストレスを感じる状態をなんとか改善できないかと考えた大村さんは、ゴムコーティングの作業用の軍手の指先に歯磨きブラシをつけ、さらに癒し用の毛すきブラシをつけた試作品をつくってみました。そして、何度かトライしていくうちにペットもなれて、うまく磨けるようになったのです。
その後、大村さんはこの発明品を特許庁に出願し、権利も取得しました。今では、『ワンちゃんの魔法の手袋』として商品化され、多くのペット愛好者に役立っているといいます。
組み合わせ・結合というカギで開かないアイデアはない!
このように、発明、創造とは既存のAとBとを結合させて、新しいCを創りだしていくものだともいえます。すでにあるもの同士を組み合わせて新しいものを生み出す発明では、A+B=Cという定理が成り立つともいえるでしょう。
創造性開発の専門家、ジェームズ・W・ヤングは、『アイデアのつくり方』(今井茂雄訳・TBSブリタニカ刊)で、アイデア作成の基礎となる、一般的原理について大切なことは、次の2点としています。
(1)「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
(2)「既存の要素を新しい一つの組み合わせに導くには、事物の関連性にあるといえる」
ともあれ、「組み合わせ・結合というカギで開かないアイデアはない」といわれているように、自分の発明・アイデアのテーマを何かと組み合わせたり、結合してみたりすることが肝心です。日本人は「和魂漢才」「和魂洋才」などといわれているように、異国の文化、芸術など、対立姿勢ではなく、うまく和合させ、独自の文化を創り上げていく、「和合発想」に長けた国民性の持主といえます。その強みを活かしていきましょう。
創造性開発の専門家、ジェームズ・W・ヤングは、『アイデアのつくり方』(今井茂雄訳・TBSブリタニカ刊)で、アイデア作成の基礎となる、一般的原理について大切なことは、次の2点としています。
(1)「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
(2)「既存の要素を新しい一つの組み合わせに導くには、事物の関連性にあるといえる」
ともあれ、「組み合わせ・結合というカギで開かないアイデアはない」といわれているように、自分の発明・アイデアのテーマを何かと組み合わせたり、結合してみたりすることが肝心です。日本人は「和魂漢才」「和魂洋才」などといわれているように、異国の文化、芸術など、対立姿勢ではなく、うまく和合させ、独自の文化を創り上げていく、「和合発想」に長けた国民性の持主といえます。その強みを活かしていきましょう。