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第8回 見なれた物の形を変えてみよう!
ナイネバ病に気をつけよう!
よく「ナイネバ病」にかかっている人を見かけることがあります。「ナイネバ病」とは、何かしようとするとき、「これまではこうだから、こうしてはいけない」とか、「こうせねばならない」などと頑なに自分の意見に固執して、他人の意見を聞こうとしないことをいいます。
ナイネバ病は発明の最大の敵。こうした傾向がすっかり身についてしまうと、アイデアを考案していくことが難しくなってしまいます。なぜなら、固定的な思考が強く刷りこまれているために、「新しく変化させていこう」という頭脳のプログラムが起動しないことになるからです。
これはひと言でいえば「柔軟性に欠ける」ということですが、反対に、「他人の意見をよく傾聴することができる」「いつも素直な目でものを見るようにしている」といった姿勢には柔軟性が表出されています。もともと発明・アイデアは、これまでの既成概念に対抗するものを生み出す行為です。くれぐれも“がんこ親父(おばさん?)”だけにはならないでください。
ナイネバ病は発明の最大の敵。こうした傾向がすっかり身についてしまうと、アイデアを考案していくことが難しくなってしまいます。なぜなら、固定的な思考が強く刷りこまれているために、「新しく変化させていこう」という頭脳のプログラムが起動しないことになるからです。
これはひと言でいえば「柔軟性に欠ける」ということですが、反対に、「他人の意見をよく傾聴することができる」「いつも素直な目でものを見るようにしている」といった姿勢には柔軟性が表出されています。もともと発明・アイデアは、これまでの既成概念に対抗するものを生み出す行為です。くれぐれも“がんこ親父(おばさん?)”だけにはならないでください。
形を変えて、ビッグヒット!
実のところ、物の形状を変えるだけでも、心理的には大きなエネルギーを必要とすることは否定できません。しかし、形状を変えてみることによって、ビッグな発明・アイデアが創出されて、多くの人々を楽しませたり、便利にしたり、生活に役立つ商品が生まれているのです。
アメリカのパーカーが世界の万年筆王になることができたのは、これまでの万年筆の形状を斬新な流線形の形状に変え、ねじ込みキャップを差込キャップに変更して売り出したことにあったといわれています。
また、わが国では、「家は四角いもの」という常識をくつがえして「八角形住宅」をつくりだした会社もあります。その会社、南富士産業株式会社の杉山定久社長は、八角形住宅は“安くてよい住宅”を創りたいという実にシンプルな発想から生まれたといいます。
住宅の歴史を振り返ってみても、住宅は四角でなくてはならないわけではありません。ただ、これまでの常識では四角形というだけなのです。たとえば、モンゴルの遊牧民が暮らす「ゲル」(テント型移動式住宅)は丸みを帯びた円形であり、風力抵抗が少ないため大草原での住まいとして適しています。また、法隆寺の東院の夢殿は八角形です。
実際、八角形の住宅には、「部屋が明るい」「広く見える」「夏涼しく、冬暖かい」「コーナーが面白く使える」といった利点のほかに、「コストが安い」「工期が短い」など大きなメリットがあるため、南富士産業は業界で独自の地位を築くことになりました。
アメリカのパーカーが世界の万年筆王になることができたのは、これまでの万年筆の形状を斬新な流線形の形状に変え、ねじ込みキャップを差込キャップに変更して売り出したことにあったといわれています。
また、わが国では、「家は四角いもの」という常識をくつがえして「八角形住宅」をつくりだした会社もあります。その会社、南富士産業株式会社の杉山定久社長は、八角形住宅は“安くてよい住宅”を創りたいという実にシンプルな発想から生まれたといいます。
住宅の歴史を振り返ってみても、住宅は四角でなくてはならないわけではありません。ただ、これまでの常識では四角形というだけなのです。たとえば、モンゴルの遊牧民が暮らす「ゲル」(テント型移動式住宅)は丸みを帯びた円形であり、風力抵抗が少ないため大草原での住まいとして適しています。また、法隆寺の東院の夢殿は八角形です。
実際、八角形の住宅には、「部屋が明るい」「広く見える」「夏涼しく、冬暖かい」「コーナーが面白く使える」といった利点のほかに、「コストが安い」「工期が短い」など大きなメリットがあるため、南富士産業は業界で独自の地位を築くことになりました。
みんなが毎日使っている物も形を変えてみたら…
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そして実際に三角形を少し変形させたタオルを作ってみたところ、「変形タオル」は、マフラー、スカーフ、エプロン、ターバンなどいろいろと使い道が広がり、使い勝手のよいアイデア商品になったのです。発明コンクールでも入賞し、意匠の権利を取得するなど、中村さんは、今も心豊かに発明に取り組んでいます。
形状を変える発想力を高めるトレーニング
このように、「物の形状を変える」という発想は、発明・アイデアを生み出すための最もシンプルで確実、基礎的な思考法といってもいいでしよう。では、形状を変える発想をグレードアップしていくために次のトレーニングやってみましよう。
(1)形と用途を固定的なものと考えない。常に固有のイメージをくずすように発想する。
(2)平面的なイメージではなく、立体的なイメージで、ものをとらえていく。
(3)日常生活の中で、目に触れたり、手にとったりするものの形状を、たえず頭の中で変形してみる。
(4)頭の中でイメージしたものを紙に描いて、具体的なものにしてみる。つまり、イメージを明確にイラストにする訓練を重ねていく。
これらは、シンプル発明の基礎的なトレーニングといえます。(4)のイラストメモを充実させていくことによって、発明していく楽しさ、面白さがどんどん感じられるようになると思います。また、それは同時に脳の活性化につながっていきます。「形状」のほかにも、音・意味・匂い・色・運動など、いろいろな観点でちょっとひねって考えてみてください。
(1)形と用途を固定的なものと考えない。常に固有のイメージをくずすように発想する。
(2)平面的なイメージではなく、立体的なイメージで、ものをとらえていく。
(3)日常生活の中で、目に触れたり、手にとったりするものの形状を、たえず頭の中で変形してみる。
(4)頭の中でイメージしたものを紙に描いて、具体的なものにしてみる。つまり、イメージを明確にイラストにする訓練を重ねていく。
これらは、シンプル発明の基礎的なトレーニングといえます。(4)のイラストメモを充実させていくことによって、発明していく楽しさ、面白さがどんどん感じられるようになると思います。また、それは同時に脳の活性化につながっていきます。「形状」のほかにも、音・意味・匂い・色・運動など、いろいろな観点でちょっとひねって考えてみてください。