ブレイキング・ナイト ホームレスだった私がハーバードに入るまで
「あなたの人生で克服すべきもの」についてスピーチしてください。
これは、著者がハーバード大学へ進学するための奨学金をニューヨークタイムズ社から受けるためのスピーチのタイトルである。
全米のメディアが報じ、テレビ映画化もされた涙もののノンフィクションだ。
ブロンクスで生まれ、父は無職、母薬物中毒、生活保護費で生活していたが、フレークに水を掛けて食べる程度の保護費しかない。貧しい地域の学校の中でもさらに貧しい子としていじめられ、どこにも居場所がなかった。たが、成績はとても良かった。その理由は、無職の父にある。本を拾ってきてはいつも読書をしていた。口癖は、「本を読みなさい。そして、学校へ行きなさい。学校へ行けばなんとかなる。」その言葉を聞きながら大きくなった。
9才で住む家もなくなり、1人物乞いをしながら生活していた。寝るところは地下鉄。そんな子どもが日本にいるだろうか。。。
ある時、母がエイズで死亡した。その母の亡骸をゴミ扱いされたことにショックを受け、自分の人生に落胆した。
私も母と同じ人生を辿るしかないのかと薬物に手を出そうとしたときに父の言葉を思い出し、母と同じ人生はイヤだと思い直した。
それからの著者はすごかった。
ホームレスだった著者の過酷な日々、一生懸命生き抜き、人生をあきらめなかった体験がつづられている。
「あなたの人生で克服すべきものはなんですか」
「生きていくことをつらいと思ったことはなかったですか」
乗り越えたい壁のある方におすすめの1冊です。
もうすぐ3.11から1年。もし、今より少しだけ生産力をあげ相手をおもいやったら、何か変わるかもしれない。
(by こふみ)