なにか、わたしにできることは?
ホセ・カンパナーリ:文
ヘスース・シスネロス:絵
寺田真理子:翻訳
発行:西村書店
ISBN:978-4-9013-925-5
価格:¥1,470円 (税込)
ヘスース・シスネロス:絵
寺田真理子:翻訳
発行:西村書店
ISBN:978-4-9013-925-5
価格:¥1,470円 (税込)
「なにか、わたしにできることは?」
この言葉を、これほど考えた年があったでしょうか?
2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災は、日本に大きな爪痕を残しました。直接的に影響を受けなかった人も、被災された方の力になりたい、復興に向けて協力したいと強く思いました。でも、私に何ができるのだろうか? 何をすれば役に立てるのだろうか?
「なにか、わたしにできることは?」
これほどまでに、そう真剣に考えたことはなかったのではないでしょうか。
本書の主人公「おじさん」は、新聞を読むたびに世の中を憂い、不安や恐怖にさいなまれていました。現状を打破するきっかけを求めていたときに、ふと、自然に「なにか、わたしにできることは?」という一文が口をついて出てきました。すると、「○○して」と応えてくれる相手がたくさんいたのです。
おじさんは不安でなくなります。この言葉を言えば、誰かが応えてくれることを知ったからです。そして、自分でも役に立てることがわかったからです。自分の不安を解決するヒントが、身近な他人の不安を解決することにあったのです。
一人ひとりに世の中を変えるような大きな力はありません。しかし、困っている人に対して「わたしにできること」を誠実に行っていくことが、より良い世の中を作っていくような気がします。
地に足をつけて生きていく、この言葉はその第一歩であり、決意表明なのかもしれません。
(by てらこ)