砂の器 上・下
今回は、世代を超えて愛される本を紹介します。
松本清張の「砂の器」です。
1960年、読売新聞夕刊に1年間連載されたものが、1970年に単行本化されたのが本書ですが、この作品を「本」だけでなく「映像」でご存じの方も多いことでしょう。発行から約半世紀経った今でも、色褪せることなく私たちを惹きつける力をもっているというのは、純粋に「名作」なんだろうと思います。
この本との出会いは私が中学生の頃。当時は今の子供たちほど「本を読みなさい」などとうるさく指導されていない時代だったような気がします。中学1年の夏休みに、自宅の本棚にポンと置かれていたのを何気なく読んだのが、「砂の器」との出会いでした。
「すごくおもしろい!」
本棚に寄りかかりながら夢中で読みました。母の「ごはんできたよ〜」と呼ぶ声で、辺りがすっかり薄暗くなっていることに気づき、でも早く続きが読みたくて、その日の夕飯は大好きな揚げたての唐揚げだったにもかかわらず、早々に切り上げた事を今でも鮮明に覚えています。
時を経て、作品はドラマ化され、幾度となく再放送されました。そして映画になり、最近ではSMAPの中居君が主人公を演じたことも記憶に新しいところですね。
度重なる映像化の効果もあるのでしょうけれど、書籍もロングセールスを続けていますし、最近では電子書籍でも上位にランキングされているからすごい!
皆さんもこの名作、もう一度本棚の隅っこから引っ張り出すとか、電子書籍で購入してみてはいかがでしょうか。懐かしい思い出や新たな気づきがあるかも。
(by こふみ)