美味しい料理の哲学
フランス現代思想が専門の著者が、料理というテーマを先入観なしに考察して、学生に語った内容をまとめた楽しい本。予備知識はいりません。そもそも焼き鳥はなぜ串に肉が刺さっているのか? キリストの磔(はりつけ)図にも焼き鳥にも人を引きつける共通点があるのでは? そんな問いから始まってパスタ、トンカツ、たこ焼き、春巻き…さまざま料理に潜む「美味しさ」の構造が考察されていきます。「キリストと焼き鳥を同列に扱うな!」というような倫理的な議論を超えて、自由に物事を考えることの楽しさを教えてくれる本です。子どもを放射能から守ることに窮々としていた私にとって最高の息抜きになりました。本好きの方に是非!
(by 新参編集K)