対人援助を行う上で、人とうまくかかわる能力がなければ、せっかくの専門知識も役立てることはできません。対人コミュニケーションの基礎を理解し、より質の高い専門的支援を実践していきましょう。
第7回 相手の言葉をくり返す
くり返しの効果
うなずきや相づちは、技術として特に意識することなく、多くの人が日常会話の中で、自然に行っているでしょう。それに比べると、くり返しは行っている人が少なく、どちらかというと専門家ならではの技術となります。その分、くり返しは難しく、下手に行うと不自然となり、逆効果になることもありますので、幾つかの点に注意が必要です。
うなずきや相づちの合間に
言葉をくり返すときは、オウム返しにならないよう注意しなければなりません。イラストの例では、利用者の「全然寝付けなくて。眠るのに3時間かかった」という言葉を、援助者はそのまま返さず「3時間もですか」と置き換えています。つまり、利用者の言葉を援助職なりの言葉に置き換えて、返すことが大切なのです。
また、相手の言葉の一言一言をいちいちくり返すと、わざとらしくもなりますので注意しましょう。第6回で述べたように、聞き手の言語的反応は、語り手の話の腰を折る危険性があります。しかも、くり返しは相づちよりも長い言語的反応であるため、使いすぎると話を中断させることになり、かえって話しづらくなるのです。
基本的には、うなずいたり相づちを打ったりしながら、その合間に話の節目をくり返す聞き方が、最も効果的といえます。
また、相手の言葉の一言一言をいちいちくり返すと、わざとらしくもなりますので注意しましょう。第6回で述べたように、聞き手の言語的反応は、語り手の話の腰を折る危険性があります。しかも、くり返しは相づちよりも長い言語的反応であるため、使いすぎると話を中断させることになり、かえって話しづらくなるのです。
基本的には、うなずいたり相づちを打ったりしながら、その合間に話の節目をくり返す聞き方が、最も効果的といえます。
参考文献
諏訪茂樹著『対人援助とコミュニケーション 〜主体的に学び、感性を磨く』中央法規出版、2001年