対人援助を行う上で、人とうまくかかわる能力がなければ、せっかくの専門知識も役立てることはできません。対人コミュニケーションの基礎を理解し、より質の高い専門的支援を実践していきましょう。
第6回 相手に「熱意」を伝える
うなずきと相づち
熱意をうまく相手に伝える
利用者の気持ちにまで耳を傾けて、その気持ちを受容したり、さらに共感したりするためには、まずは利用者に話をしてもらわなければなりません。ところが、利用者が話をしているときに援助者が無反応のままでは、当然のことながら利用者は話しづらくなります。聞いているのか聞いていないのかわからない人に話し続けるほど虚しいことはないからです。
首をたてに振ってうなずいたり、「なるほどー」「そうですよね」と相づちを打ちながら聴くことで、援助者の「聴こう」という熱意が効果的に伝わります。そして、援助者の熱意が伝わると、利用者ももっと話そうという気持ちになるのです。
首をたてに振ってうなずいたり、「なるほどー」「そうですよね」と相づちを打ちながら聴くことで、援助者の「聴こう」という熱意が効果的に伝わります。そして、援助者の熱意が伝わると、利用者ももっと話そうという気持ちになるのです。
わざとらしくならないように
ただし、言語的な反応である相づちは、頻繁にしすぎるとわざとらしくなり、相手の話の腰を折ることにもなります。あくまでも相手の話を促すのが、相づちのねらいです。相手が話しづらくなるほど頻繁にならないよう、気をつける必要があります。
それに比べて、うなずきは非言語的な身体反応ですので、相手の話の腰を折る危険性は低くなります。したがって、うなずきを基本としながらその合間に相づちを打つのが、最も効果的に相手の話を促すといえます。
それに比べて、うなずきは非言語的な身体反応ですので、相手の話の腰を折る危険性は低くなります。したがって、うなずきを基本としながらその合間に相づちを打つのが、最も効果的に相手の話を促すといえます。