対人援助を行う上で、人とうまくかかわる能力がなければ、せっかくの専門知識も役立てることはできません。対人コミュニケーションの基礎を理解し、より質の高い専門的支援を実践していきましょう。
第5回 質問のテクニック
閉ざされた質問と開かれた質問
〈閉ざされた質問〉
〈開かれた質問〉
質問には2つのタイプがあり、1つは、「はい」「いいえ」「25歳です」などと、答え方が決まっている閉ざされた質問です。もう1つが、考えながら自由に答えられる開かれた質問です。
まずは閉ざされた質問で雑談
援助者が利用者と出会い、コミュニケーションをはかろうとするとき、最初は「こんにちは」とあいさつをして、つぎに「昨夜はよく眠れましたか」というように、閉ざされた質問でかかわることになります。
初対面で相手が緊張していたり警戒感を抱いているような場合でも、「今日は暑いですね〜」「ご自宅は○○市内ですか?」などの質問であれば、首をタテやヨコに振るだけで答えることができます。このような閉ざされた質問によるやり取りを何度かくり返して、相手の心の扉を開いていくのです。
しかし、いつまでも閉ざされた質問ばかりを連発すると、まるで取り調べのような雰囲気となり、利用者の自己表現も深まっていきません。閉ざされた質問は、お互いまだ気心がしれていない最初の時期を中心に、必要最小限にとどめ、その後はできるだけ開かれた質問でかかわるのがよいでしょう。
初対面で相手が緊張していたり警戒感を抱いているような場合でも、「今日は暑いですね〜」「ご自宅は○○市内ですか?」などの質問であれば、首をタテやヨコに振るだけで答えることができます。このような閉ざされた質問によるやり取りを何度かくり返して、相手の心の扉を開いていくのです。
しかし、いつまでも閉ざされた質問ばかりを連発すると、まるで取り調べのような雰囲気となり、利用者の自己表現も深まっていきません。閉ざされた質問は、お互いまだ気心がしれていない最初の時期を中心に、必要最小限にとどめ、その後はできるだけ開かれた質問でかかわるのがよいでしょう。
開かれた質問で本題へ
開かれた質問の具体例として、「ところで…」の後に続けて「今回はどうされましたか」「どのような問題でお悩みですか」「ご自分の課題は何だと思われますか」「夢についてお聞かせください」などと、会話の途中で切り出すものがあります。また、「なぜそうなったとお考えですか」「どうしたらよいと思いますか」などと、1つの話題のなかで本人の考えを求めるものもあります。
いずれにしても、開かれた質問をタイミングをよく切り出し、そのうえでつぎの開かれた質問をうまくつなげれば、利用者の主体的な思考は促され、コミュニケーションも深まっていきます。
いずれにしても、開かれた質問をタイミングをよく切り出し、そのうえでつぎの開かれた質問をうまくつなげれば、利用者の主体的な思考は促され、コミュニケーションも深まっていきます。