第3回 夫の定年が、地獄の始まりにならないために(2)
夫が置かれた状況を、考えてみよう
夫に自立してもらうこと。その上でうまい具合に地域デビューしてくれれば大助かりです。さてどんな仕掛けがあるものか……と考える前に、まずは「夫の置かれた状況」について考えてみましょう。
「会社じゃ偉かったかもしれないけど、地域に戻ればタダの人だもんね」などといった妻たちの陰口が、否応なく夫の耳にも入ってきます。会社という「縦の世界」から地域という「横の世界」へと戻ってきた浦島太郎。会社で蓄積した技術は、地域ではあまり役に立ちません。炊事、洗濯、買い物……何をしても「子ども並み」を痛感させられ、夫たちは今、無用感にさいなまれているはずです。
「会社じゃ偉かったかもしれないけど、地域に戻ればタダの人だもんね」などといった妻たちの陰口が、否応なく夫の耳にも入ってきます。会社という「縦の世界」から地域という「横の世界」へと戻ってきた浦島太郎。会社で蓄積した技術は、地域ではあまり役に立ちません。炊事、洗濯、買い物……何をしても「子ども並み」を痛感させられ、夫たちは今、無用感にさいなまれているはずです。
会社時代、日々評価を受けながら働いていた
夫たちに必要なのは自信です。何でもいい、ほんのちょっとでもいいから、自信を取り戻させるための仕掛けが求められているのです。
そこでおすすめなのが、ホメ戦術。長年の生活術を身につけた妻たちにとったら、「何をやっても役立たず!」と言いたいところでしょうが、そこを我慢して、夫を見直してみるのです。
会社時代、男性はプラスマイナスの評価をされながら働いてきました。それが一転、何をしても「当たり前」と言われてしまう毎日。夫にとっては耐えられないことかもしれません。
そこでおすすめなのが、ホメ戦術。長年の生活術を身につけた妻たちにとったら、「何をやっても役立たず!」と言いたいところでしょうが、そこを我慢して、夫を見直してみるのです。
会社時代、男性はプラスマイナスの評価をされながら働いてきました。それが一転、何をしても「当たり前」と言われてしまう毎日。夫にとっては耐えられないことかもしれません。
「奥さんを快く送り出してくれて……」と感謝作戦
夫のやっていることで、どこかホメる点がないか探してみましょう。「だいたいウチの夫なんて何もやらないんだから、ホメるところなんてあるわけないじゃない」と言うアナタ。そう言ってしまっては身も蓋もありません。
女性ばかり6人という小さなボランティアグループで、ある時リーダーが言いました。「私たちがこうして昼間集まれるのも、夫の理解があってのことなのよね」。そこで、仲間の家を一軒一軒訪問することにしました。「いつも奥さんを快く送り出してくれて感謝しています」と。その後も、夫たちに手料理を振舞ったり、一緒に旅行に誘ったり……。
しばらくすると、夫同士が交流を始めるようになりました。家庭菜園や釣りの成果をおすそ分けし合ったり、囲碁を一緒に楽しんだり、また妻たちの活動を手伝うようにもなりました。彼女らは、思いもよらない感謝戦術の効果にビックリ。妻から直接でなく、仲間を通してということが、作戦が奏功した理由の一つかもしれません。
このように、「○○をやったらホメる」のではなく、「夫がすでにやっていることの中からホメる材料を探し出す」ということが、感謝作戦成功のヒケツです。
女性ばかり6人という小さなボランティアグループで、ある時リーダーが言いました。「私たちがこうして昼間集まれるのも、夫の理解があってのことなのよね」。そこで、仲間の家を一軒一軒訪問することにしました。「いつも奥さんを快く送り出してくれて感謝しています」と。その後も、夫たちに手料理を振舞ったり、一緒に旅行に誘ったり……。
しばらくすると、夫同士が交流を始めるようになりました。家庭菜園や釣りの成果をおすそ分けし合ったり、囲碁を一緒に楽しんだり、また妻たちの活動を手伝うようにもなりました。彼女らは、思いもよらない感謝戦術の効果にビックリ。妻から直接でなく、仲間を通してということが、作戦が奏功した理由の一つかもしれません。
このように、「○○をやったらホメる」のではなく、「夫がすでにやっていることの中からホメる材料を探し出す」ということが、感謝作戦成功のヒケツです。
一度口に出してみると、あとは自然に出てくるもの
日本人はホメ下手の人種です。特に身内をホメるなんて、気恥ずかしいと思うことでしょう。でも、体験者が語っていました。「一度口に出せるようになると、あとは自然に、意識しなくても『ありがとう』って出てくるようになりますよ」と。
あなたも一度、ぜひお試しを。
あなたも一度、ぜひお試しを。
- 著者である木原孝久先生の活動は、こちらをご覧ください
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住民流福祉総合研究所
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