第1回 子育ての次は、夫育て!?
夫と同居で、妻の死亡リスクが2倍に!
最近、福祉の相談窓口に、女性からの年金に関する相談が増えているそうです。離婚するときに、年金を折半できると聞いてやって来たのだと…。世の殿方にとっては、何ともうすら寒い話です。
また、愛知県のとある単身者住宅の管理人に話を聞いたら、住人の約1/3は奥さんに追い出された男性ということでした。いよいよ、妻による「夫捨て」が、現実のものとなりつつあります。
女性側の気持ちもわからないではありません。定年退職した夫を持つ妻は、三度の食事作りだけでなく、それこそ一日中夫の世話に忙殺され、趣味やボランティア活動どころではなくなっています。現に夫が定年退職を迎えた女性が集まると、参加していたグループの数をいくつ減らすか、というのが話題になるらしいのです。
そんな折、女性にとって、恐ろしい調査結果が発表されました。愛媛県総合保健協会の藤本弘一郎医長によると、老後に夫と暮らす妻は、死亡リスクが約2倍に高まるというのです。反対に、夫は妻がいると、死亡リスクが半分以下になるとか。いかに夫が、肉体的にも精神的にも妻に依存しきっているかということがよくわかります。
また、愛知県のとある単身者住宅の管理人に話を聞いたら、住人の約1/3は奥さんに追い出された男性ということでした。いよいよ、妻による「夫捨て」が、現実のものとなりつつあります。
女性側の気持ちもわからないではありません。定年退職した夫を持つ妻は、三度の食事作りだけでなく、それこそ一日中夫の世話に忙殺され、趣味やボランティア活動どころではなくなっています。現に夫が定年退職を迎えた女性が集まると、参加していたグループの数をいくつ減らすか、というのが話題になるらしいのです。
そんな折、女性にとって、恐ろしい調査結果が発表されました。愛媛県総合保健協会の藤本弘一郎医長によると、老後に夫と暮らす妻は、死亡リスクが約2倍に高まるというのです。反対に、夫は妻がいると、死亡リスクが半分以下になるとか。いかに夫が、肉体的にも精神的にも妻に依存しきっているかということがよくわかります。
自分のために夫をホメてみよう!
東京都小平市の社会福祉協議会が委嘱している「ボランティア・アドバイザー」の奥様方の間でも、集まればいつもこのような夫の話をしていました。しかし、と彼女たちはふと考え直しました。夫に自立してもらわねば、こっちの命が危ない。それに、長い間企業という特殊な社会で働いてきた夫の「地域デビュー」の窓口は、どう考えても妻の私にしかない。その私がこの役割を放棄してしまったら、夫婦双方にとって救いがなくなってしまう、と。
ではどこから始めるのか。どんな夫にだって、一日の行動をよ〜く見たら、どこかで社会に向き合っている部分もあるのではないか。自立への半歩を踏み出している部分だってあるかもしれない。それを探し出してホメてみよう、とにかくひと月だけでもやってみようと、衆議一決しました。まさに「捨てるカミ(さん)あれば、拾うカミ(さん)あり」です。
ではどこから始めるのか。どんな夫にだって、一日の行動をよ〜く見たら、どこかで社会に向き合っている部分もあるのではないか。自立への半歩を踏み出している部分だってあるかもしれない。それを探し出してホメてみよう、とにかくひと月だけでもやってみようと、衆議一決しました。まさに「捨てるカミ(さん)あれば、拾うカミ(さん)あり」です。
夫もおだてりゃ外に出る
ひと月後、意外な成果が現れました。今まで朝食しか作ってくれなかった夫に、愚痴るのではなく「おいしいっ!」と一言ホメてみたら、気をよくしてその後は昼食まで作ってくれるようになった。私が出かけるとき、運転手役を担ってくれていたのを「当たり前」と思っていたが、「あなた、そういうのを“移送ボランティア”っていうのよ。いつもありがとう」と脇からホメてみたら、それからは友だち全員を運んでくれるようになった…。
妻の魂胆は明らかにミエミエなのに、だれだってホメられりゃ悪い気はしません。彼女たちは夫婦でホメ合いながら、夫婦一緒に社会参加することができたのです。メデタシメデタシ。
子育ての次は、夫育て―――団塊世代が一斉に定年を迎える今、何よりも重要なキーワードなのかもしれません。妻であるあなた自身のためにも、まずは足元(夫)から、「ボランティア」を始めてみてはいかがでしょう。
妻の魂胆は明らかにミエミエなのに、だれだってホメられりゃ悪い気はしません。彼女たちは夫婦でホメ合いながら、夫婦一緒に社会参加することができたのです。メデタシメデタシ。
子育ての次は、夫育て―――団塊世代が一斉に定年を迎える今、何よりも重要なキーワードなのかもしれません。妻であるあなた自身のためにも、まずは足元(夫)から、「ボランティア」を始めてみてはいかがでしょう。
- 著者である木原孝久先生の活動は、こちらをご覧ください
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住民流福祉総合研究所
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