受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
「何をするのか」「なぜするのか」が明快にわかる
おすすめの理由
ケアマネジャーになって11年。主任ケアマネジャーとしては6年目になりました。職場内外で新人ケアマネジャーの育成に携わっています。しかし、ベテランの落とし穴とでもいうのでしょうか、時々新人さんの「わからないこと」が「わからなくなっている」自分に“ひやり”とすることがあります。またその一方で、新人さんに「何か質問ある?」と尋ねても、「質問することがわからない…」と言われることも多いのです。
教える側と教えられる側には、相手の「わからないことがわからない」という感覚のズレが生じます。
このような感覚のズレをつないでくれたのが、知人から勧められた『はじめてのケアマネジメント』でした。
私たちケアマネジャーの仕事は、
●何をするのか?
●なぜするのか?
この2つをセットで学習していくことが求められます。
これらが身につきやすいよう、『はじめてのケアマネジメント』では、「何をするのか」と「なぜするのか」が、それぞれわかりやすく紹介されています。
まず、前半部分は「何をするのか?」という具体的な行動リストです。たとえば、「カバンの中には何を入れるのか?」「ふだんから心がけることはどんなことか?」「ケアプランを作るにはどんな手順で取り組めばよいのか?」などの、具体的なチェックリストが載っています。
そして、後半部分は、前半の行動リストに対応して「なぜそうするのか?」という思考部分が、やさしく深い言葉でつづられています。たとえば、カバンの中に入れておく常備品が、どんなふうに「プロとしての仕事を支える武器」になるのか、なぜケアマネジャーは利用者の生活歴を知ることが大切なのかなど、前半の行動リストの意味や目的が理解できる仕組みです。
「何をするのか?」に戸惑っている新人さんには前半のチェックリストが、「なぜするのか?」を納得したい方や後輩などに指導する必要がある方は後半部分が参考になるでしょう。
手書き風の書体で余白も多めなので、気づいたことをどんどん書き込み、「自分だけの本」に仕上げていく楽しみも味わえます。新人さんはもちろん、指導者の方にもおすすめの一冊です。
(きてぃらー・主任ケアマネジャー)