おすすめの理由

　私は仕事から帰り疲れたときに必ずこの写真集を手に取ります。自然が好きなのもそうですが、フクロウの生活が素晴らしいからです。
　本書は写真家・宮崎学が、南アルプスに住むフクロウ家族の生活に密着して記録した写真集で、夜の狩り、求愛給餌、交尾、子育て、巣立などを追ったものです。この中で特に私がおすすめなのが、求愛給餌と子育てです。
　フクロウのつがいは一度、営巣、子育てをともにすると一生そのつがいで過ごします。そして毎年、求愛給餌活動をして愛情を確認し、子育てに入ります。フクロウの親は、３羽子どもがいたとしても誰をヒイキすることもありません。みんなに餌を分け与えます。また子どもたちもケンカせずとても仲良しです。
　フクロウの社会を見た後に人間の社会を見てみると人間関係の問題が多いことを感じます。複雑な感情や法制度があるのでしょうがないこともありますが、私はもっとお互いがお互いを思いやるべきだと思います。ですから疲れた時に私自身が利用者に対しても家族に対しても思いやりを持てるようにとこの写真集を手に取るのです。

内容

　動物写真家の著者が南アルプスの奥深い谷間“フクロウ谷”で生活をともにし、フクロウの家族のさまざまなシーンを集めた貴重な記録。