受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
軽妙なストーリーを通して閉鎖病棟での日々を考える
クワイエットルームにようこそ
原作・脚本:松尾スズキ
出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう ほか
出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう ほか
おすすめの理由
原作(原作も同題名)は、第134回芥川賞候補になった作品です。松尾スズキさんが好きなので見に行きました。ストーリーは主人公の女が同棲していた男と大喧嘩して薬物とアルコールを多量摂取し、閉鎖病棟のクワイエットルームへ入院するところからはじまります。入院当初はベッドでは5点を拘束され身動きも出来ないようなひどい状態でした。そこから精神病院の先生、看護師、患者と様々な人々と接触しながら主人公が回復しストーリーが進みます。話の流れとして随分重いような映画だと思う人が多いが実際はそうではありません。
閉鎖病棟の様子やストーリーの中に出てくる1人1人の患者さん、看護婦さんのキャラクターがしっかりとできていて時として笑いを起こすくらい内容は明るく多くの人が見ることができると思います。だからといって、精神病棟を揶揄しているわけではなく病棟内での生活はリアルに描いています。
主人公が睡眠薬をもらいはじめた理由は仕事からくる不眠でした。このような人は、現代人には多く、潜在的に本人は気づかず睡眠薬に頼ってしまう人も多いと思います。私たちのような福祉職はもちろん、この映画を見て周囲の人が本人の症状にもっと早く気づいてあげられればもっと多くの人が苦しまなくてすむと思います。その理解の入口の映画としてケアマネジャーだけではなく多くの人に見て欲しいと思います。
(スクワイエットさん・ケアマネジャー)