受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
人間として大切なことを思い出せる一冊
君たちはどう生きるか
著者:吉野源三郎
発行:岩波文庫
ISBN:978-4003315811
価格:¥840(税込)
発行:岩波文庫
ISBN:978-4003315811
価格:¥840(税込)
おすすめの理由
池上彰さんが絶賛しているので、知っている人も多いかもしれませんが、本書は、主人公のコペル君(15歳)が、学校での出来事などを通して、父親代わりの伯父さんとのやりとりから、正義とは何か、生きるとはどういうことかなどを自分なりに考え、成長していく物語です。すべてが日常のひとコマであり、誰もが遭遇する出来事であるため、“自分だったらどう考えるだろう”と思いながら読め、非常に真に迫ってくる内容となっています。
裕福な家庭の子が多い進学校にあって、からかわれる貧しい豆腐屋の同級生のためにコペル君がとる行動、上級生から罰を受ける仲間を目の前にしながら足がすくみ隠れてしまったコペル君の後悔に苛まれる様子などは、身につまされるものがあります。
また、コペル君のお父さんが生前語ったメッセージも感銘を受けます。「世間には、他人の目に立派に見えるように振舞っている人がずいぶんある。そういう人は、自分が人の目にどう映るかを一番気にするようになって、ありのままの自分がどんなものか、つい、お留守にしてしまうものだ」
収載されるエピソードは、自分自身に正直かどうか、心から感じたことを大切にすることなどを教えてくれます。生きるために大切なこと、大人になると忘れてしまう尊さや純粋な気持ち等を思い出させてくれ、何度読んでも色あせない一冊です。是非ご一読ください。
内容
主人公コペル君(15歳)が、日常生活において遭遇する出来事やそれに端を発する疑問について、父親代わりの叔父さんがヒントを与えることで、精神的にも成長していく様をつづった小説風の道徳書。“生き方の指南書”とも呼ばれる名著。(けあサポ編集部)