受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
「権利擁護」の意味がわかる本
おすすめの理由
介護放棄や身体的虐待、悪徳商法の被害など、高齢者への権利侵害事件があとを絶ちません。そのようななか、ケアマネにも「権利擁護」の役割が求められるようになってきて、研修会に参加したときにも「利用者の人権を尊重しなさい」ということをやたらと言われました。でも、そう言われても、「権利擁護」は日常業務とかけ離れたようなイメージで、どうもピンときません。いったい私は何をすればいいのだろうか?−−そんなことを漠然と思っているときに、この本と出会いました。この本では、日頃の仕事のなかの「どのような場面で、どのような支援をすることが権利擁護になるのか」ということが、具体的に書かれています。
それには、消費者被害や虐待などを発見したときだけでなく、普段の仕事のなかで遭遇する何気ない場面がたくさん含まれています。例えば、事業者に遠慮して自分の希望を伝えられない方に、「希望を言うことは当たり前の権利ですよ」ということをわかってもらう、というようなことです。これも立派な権利擁護なのです。
この本を読んで、私は「権利擁護」が身近なものになりました。
(スギーニョさん・ケアマネジャー)