受験勉強も大事ですが、資格はなりたい自分に近づくための手段。合格後の「仕事のイメージ」を抱くことも大事です。このコーナーでは、資格の世界を知るのに役立った本や映画などを合格者が紹介します。
絶望の中で向き合う 「最後までどう生きるのか」
僕の死に方―エンディングダイアリー500日―
著者:金子哲雄(流通ジャーナリスト)
発行:小学館
ISBN:978-4-09-396520-0
価格:¥1,365(税込)
発行:小学館
ISBN:978-4-09-396520-0
価格:¥1,365(税込)
おすすめの理由
この本は、流通ジャーナリストとしてテレビでおなじみだった金子哲雄さんが41歳で急逝された際に残された「エンディングダイアリー」です。雑誌や新聞等でもたくさん取り上げられています。日頃はあまりテレビを見ないため、金子さんがどんな方なのか、よく知っていたわけではないのですが、「僕の死に方」という潔いタイトルに惹かれ、読み始めました。
余命告知を受けても自らの信念を貫いて仕事を精力的にこなし、一方で愛する妻のために、やがてくる自分の死に向けて、葬儀屋との打ち合わせ、参列者への手紙、自分の眠る墓探し等々、冷静に自ら準備を進めながらも、自分自身の体が着々と死に向かっていることも感じながら葛藤する日々が記されています。また、本人が筆を擱かれた後にむかえた最期の様子を奥さまが「あとがき」として書かれており、そちらも感銘を受けます。
愛する人を残して死ぬこと、そして愛する人を看取ること。それぞれに絶望があったはずですが、読んだ後は絶望ではなく、希望を感じます。
これまで「死」について深く考えることはありませんでしたが、自分がどう死ぬのか、どう最後まで生きるのかを考えさせられた一冊です。
(チャーミー)