第4回 〈ステージ1〉「現在の自分と向き合おう」の解説
堀越 弘(キャリアステージ研究所代表)
これからの生活を充実させるためには、「第二の人生を計画しなければいけない」と誰でも思っているでしょう。ですが、なかなか取り組めないのも実情だと思います。その理由として、「毎日が忙しい」「計画するのは、なんとなく面倒だ」などもありますが、多くの方は、「必要性はわかるが、どこから取り掛かったらいいかわからない」と考えているのではないでしょうか。
そこで、このシリーズでは、皆さん方が、定年後の自分らしい生き方やライフスタイル、そして仕事とはどのようなものなのかを考え、第二の人生の計画づくりを目指して一歩一歩ステップをすすめていけるように、必要となる視点や情報を提供しようとしています。
さて、過去2回では、〈ステージ1〉「現在の自分と向き合おう」をテーマとして、「悩みや期待を整理する」(Step1)や、「自己イメージを確認する」(Step2)を実施してきました。皆さんは、どのような気づきがあったでしょうか。
今回は、この「現在の自分と向き合う」ことの必要性について、もう少し説明をしたいと思います。
そこで、このシリーズでは、皆さん方が、定年後の自分らしい生き方やライフスタイル、そして仕事とはどのようなものなのかを考え、第二の人生の計画づくりを目指して一歩一歩ステップをすすめていけるように、必要となる視点や情報を提供しようとしています。
さて、過去2回では、〈ステージ1〉「現在の自分と向き合おう」をテーマとして、「悩みや期待を整理する」(Step1)や、「自己イメージを確認する」(Step2)を実施してきました。皆さんは、どのような気づきがあったでしょうか。
今回は、この「現在の自分と向き合う」ことの必要性について、もう少し説明をしたいと思います。
過去は現在の中に生きている、未来は現在を土台としている
過去や未来をまず考えるとなると、「以前はどうだったのか」、「これからどうするのか」、とかなり構えてしまいますが、「いま」は、まさに経験していることなので、気持ちのうえでも取組みやすいのは言うまでもありません。
また、過去は過ぎ去ってしまったことであり、やり直すことはできませんし、未来はいまだ来ていないので、あくまで想像でしかありません。現在こそが、いまここにある現実です。しかし、一人ひとりのこの「現在」なかに、その人の過去は生きていますし、一人ひとりの「現在」を土台にして、その人の未来は築かれていきます。「現在」を生きることは、過去と未来を「いま」経験することだといえるでしょう。
そこで、過去を棚卸しする前に、また未来をデザインする前に、まず「現在」を皆さんに考えてもらったわけです。
可能性を広げるために、自分と向き合う
前回と前々回で、ワークシートを使って、「自分と向き合う」ことをしたのは、(当たり前のことですが)キャリア・ライフデザインをする当事者は自分である、ということを再認識してもらいたかったからです。
そして、自分と向き合うのは、現実を直視するわけですから勇気のいることですし、自分の考えや気持ちに正直になることを求められます。このような態度で、自分の悩みや不安に気づき向き合うことは、自分の未来に対して制約となっている問題を取りのぞくきっかけとなり、その結果、未来への可能性も増してくるといえます。
次に、自己イメージについて考えてみましょう。大人になり経験を積むことによって、自分のイメージは次第につくられていき、固定化されていきます。多くの場合、私たちは自己イメージが固定化したことに気づかずに、自分で自分を決め付けてしまうことがあるといえるでしょう。このことが、自分の可能性を制限してしまったり、新しい視点で物事を考えられなくなってしまっている原因かもしれません。
そして、自己イメージは、未来の自分のあり方にも影響をあたえます。この意味で、「現在の自己イメージは、未来を考えるうえでの土台や枠組みとなっている」といってもいいと思います。また、未来はまだ訪れていないわけですから、私たちは自由に発想し、未来の可能性を広げることもできるわけです。
しかし、その際に、自分の固定化されたイメージで、自分の未来を捉えてしまったら、可能性を自ら閉ざしてしまうことにもなりかねません。
ですから、未来の可能性を広げるためには、自分の固定的なイメージに気づくことがもっとも早道なのです。私たちは、自己イメージを柔軟に捉えながら、物事をいままでと違った視点で見つめ、これからの未来を考えていきたいものです。
第2回、第3回では、上記のような観点で、現在の自分に向き合うことに取り組んでいただきました。次回から始まる〈ステージ2〉「自分について深く知ろう」では、自分にはどのような特徴があるのかを理解する過程を通じて、自分自身や物事に対して、いままでとは違った新しい見方に気づくヒントが得られるものと思います。
そして、自分と向き合うのは、現実を直視するわけですから勇気のいることですし、自分の考えや気持ちに正直になることを求められます。このような態度で、自分の悩みや不安に気づき向き合うことは、自分の未来に対して制約となっている問題を取りのぞくきっかけとなり、その結果、未来への可能性も増してくるといえます。
次に、自己イメージについて考えてみましょう。大人になり経験を積むことによって、自分のイメージは次第につくられていき、固定化されていきます。多くの場合、私たちは自己イメージが固定化したことに気づかずに、自分で自分を決め付けてしまうことがあるといえるでしょう。このことが、自分の可能性を制限してしまったり、新しい視点で物事を考えられなくなってしまっている原因かもしれません。
そして、自己イメージは、未来の自分のあり方にも影響をあたえます。この意味で、「現在の自己イメージは、未来を考えるうえでの土台や枠組みとなっている」といってもいいと思います。また、未来はまだ訪れていないわけですから、私たちは自由に発想し、未来の可能性を広げることもできるわけです。
しかし、その際に、自分の固定化されたイメージで、自分の未来を捉えてしまったら、可能性を自ら閉ざしてしまうことにもなりかねません。
ですから、未来の可能性を広げるためには、自分の固定的なイメージに気づくことがもっとも早道なのです。私たちは、自己イメージを柔軟に捉えながら、物事をいままでと違った視点で見つめ、これからの未来を考えていきたいものです。
第2回、第3回では、上記のような観点で、現在の自分に向き合うことに取り組んでいただきました。次回から始まる〈ステージ2〉「自分について深く知ろう」では、自分にはどのような特徴があるのかを理解する過程を通じて、自分自身や物事に対して、いままでとは違った新しい見方に気づくヒントが得られるものと思います。
(2008年6月24日)