平成20年度(第21回)社会福祉士国家試験 問題文
【専門科目】社会福祉援助技術・12問
・合否の判定や設問内容についてのお問い合わせには応じかねますのでご了承願います。
|社会福祉原論(10問) |社会保障論(10問) |公的扶助論(10問) |地域福祉論(10問) |心理学(10問) |社会学(10問) |法学(10問) |医学一般(10問) |老人福祉論(10問) |障害者福祉論(10問) |児童福祉論(10問) |社会福祉援助技術(事例)(18問) |介護概論(10問) |
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問題111
ケースワークの理論に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 トール(Towle,C.)は,診断主義と機能主義を折衷し,問題解決アプローチを示した。
2 ホリス(Hollis,F.)は,「状況の中の人」という視点から,心理社会的アプローチを確立した。
3 ロビンソン(Robinson,V.)は,精神分析の考え方を基礎に,診断主義として知られる理論を提示した。
4 リード(Reid,W.)とエプスタイン(Epstein,L.)は,ランク(Rank,O.)の業績を基盤に,機能主義として知られる理論を提示した。
5 マイヤー(Meyer,C.)は,「行動の変化」を目標に実証的に展開される,行動療法アプローチを提示した。
【問題111の解答】2
1 トール(Towle,C.)は,診断主義と機能主義を折衷し,問題解決アプローチを示した。
2 ホリス(Hollis,F.)は,「状況の中の人」という視点から,心理社会的アプローチを確立した。
3 ロビンソン(Robinson,V.)は,精神分析の考え方を基礎に,診断主義として知られる理論を提示した。
4 リード(Reid,W.)とエプスタイン(Epstein,L.)は,ランク(Rank,O.)の業績を基盤に,機能主義として知られる理論を提示した。
5 マイヤー(Meyer,C.)は,「行動の変化」を目標に実証的に展開される,行動療法アプローチを提示した。
【問題111の解答】2
問題112
個人情報保護及び秘密保持の基本的な原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 利用者の家族から利用者についての情報を得る場合には,利用者本人から同意を得なくてもよい。
2 社会福祉士が業務上知り得た秘密の保持は,その業務に従事している期間に限られる。
3 研究目的で実施する事例研究の場合,匿名化してあれば,その関係者から同意を得なくてもよい。
4 利用者や関係者から情報を得る場合には,業務上の必要な範囲にとどめる。
5 第三者が利用者の情報の提供を求めてきた場合,援助に必要があれば,原則として,本人の同意なしに提供することができる。
【問題112の解答】4
1 利用者の家族から利用者についての情報を得る場合には,利用者本人から同意を得なくてもよい。
2 社会福祉士が業務上知り得た秘密の保持は,その業務に従事している期間に限られる。
3 研究目的で実施する事例研究の場合,匿名化してあれば,その関係者から同意を得なくてもよい。
4 利用者や関係者から情報を得る場合には,業務上の必要な範囲にとどめる。
5 第三者が利用者の情報の提供を求めてきた場合,援助に必要があれば,原則として,本人の同意なしに提供することができる。
【問題112の解答】4
問題113
ソロモン(Solomon,B.)のエンパワメントアプローチによる実践に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 クライエントが活用できる知識や技術をワーカーが保持していることを,クライエント自身が認識できるように支援する。
2 ワーカーとの援助関係は治療的関係であることを,クライエントが認識できるように支援する。
3 ワーカーが問題解決の主導者であることを,クライエントが認識できるように支援する。
4 ワーカーはクライエントにとっての保護者であることを,クライエントが認識できるように支援する。
5 社会制度のもつ影響力をワーカーが解除させる働きをしていることを,クライエントが認識できるように支援する。
【問題113の解答】1
1 クライエントが活用できる知識や技術をワーカーが保持していることを,クライエント自身が認識できるように支援する。
2 ワーカーとの援助関係は治療的関係であることを,クライエントが認識できるように支援する。
3 ワーカーが問題解決の主導者であることを,クライエントが認識できるように支援する。
4 ワーカーはクライエントにとっての保護者であることを,クライエントが認識できるように支援する。
5 社会制度のもつ影響力をワーカーが解除させる働きをしていることを,クライエントが認識できるように支援する。
【問題113の解答】1
問題114
グループワークの展開過程に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 準備期とは,実際にメンバーが顔を合わせ,グループとして活動を始める段階のことである。
2 開始期とは,メンバーと予備的な接触を行い,そこで計画を立案する段階のことである。
3 作業期とは,メンバーがワーカーの指示に従って目標達成に向けて課題に取り組んでいく段階のことである。
4 治療期とは,ワーカーがメンバー個々の問題解決を図る段階のことである。
5 終結期とは,メンバーと目標達成の程度や活動の評価を行い,全体的なまとめをする段階のことである。
【問題114の解答】5
1 準備期とは,実際にメンバーが顔を合わせ,グループとして活動を始める段階のことである。
2 開始期とは,メンバーと予備的な接触を行い,そこで計画を立案する段階のことである。
3 作業期とは,メンバーがワーカーの指示に従って目標達成に向けて課題に取り組んでいく段階のことである。
4 治療期とは,ワーカーがメンバー個々の問題解決を図る段階のことである。
5 終結期とは,メンバーと目標達成の程度や活動の評価を行い,全体的なまとめをする段階のことである。
【問題114の解答】5
問題115
介護保険制度の居宅介護支援事業者が行うサービス担当者会議の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 サービス利用者と介護支援専門員の適合性について検討する。
2 課題分析を中心に話し合う。
3 サービス事業所の役割に焦点を当てて話し合う。
4 サービス利用者の要介護の程度を検討する。
5 居宅サービス計画作成のために,利用者の情報を共有し,専門的な見地から意見を求めて調整を図る。
【問題115の解答】5
1 サービス利用者と介護支援専門員の適合性について検討する。
2 課題分析を中心に話し合う。
3 サービス事業所の役割に焦点を当てて話し合う。
4 サービス利用者の要介護の程度を検討する。
5 居宅サービス計画作成のために,利用者の情報を共有し,専門的な見地から意見を求めて調整を図る。
【問題115の解答】5
問題116
ソーシャルワークの機能に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 ワーカーがクライエントの訴えを聴き,それを関係者に伝えてクライエントの権利を擁護する機能を「調停機能」という。
2 ワーカーがクライエントのニーズに対応するサービスやサポートを調整する機能を「教育機能」という。
3 ワーカーがクライエントのニーズと社会資源を結び付ける機能を「仲介機能」という。
4 ワーカーがクライエントとその家族との対立に介入し,その対立を解決する機能を「代弁機能」という。
5 ワーカーがクライエントに必要な情報を提供し,クライエントの対処能力を高める機能を「保護機能」という。
【問題116の解答】3
1 ワーカーがクライエントの訴えを聴き,それを関係者に伝えてクライエントの権利を擁護する機能を「調停機能」という。
2 ワーカーがクライエントのニーズに対応するサービスやサポートを調整する機能を「教育機能」という。
3 ワーカーがクライエントのニーズと社会資源を結び付ける機能を「仲介機能」という。
4 ワーカーがクライエントとその家族との対立に介入し,その対立を解決する機能を「代弁機能」という。
5 ワーカーがクライエントに必要な情報を提供し,クライエントの対処能力を高める機能を「保護機能」という。
【問題116の解答】3
問題117
相談面接に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 面接室における面接では,ワーカーが行う情報収集に役立つ範囲で時間や空間を設定することが求められる。
2 訪問による面接では,訪問先の利用者の生活の場から問題理解の手掛かりを得ることができる。
3 電話による面接では,相手の匿名性を利用して積極的に助言することが求められる。
4 生活場面面接では,利用者の問題となった生活場面を再現することから始める。
5 インテーク面接では,利用者が抱える問題の原因を明らかにするための情報収集に専念する。
【問題117の解答】2
1 面接室における面接では,ワーカーが行う情報収集に役立つ範囲で時間や空間を設定することが求められる。
2 訪問による面接では,訪問先の利用者の生活の場から問題理解の手掛かりを得ることができる。
3 電話による面接では,相手の匿名性を利用して積極的に助言することが求められる。
4 生活場面面接では,利用者の問題となった生活場面を再現することから始める。
5 インテーク面接では,利用者が抱える問題の原因を明らかにするための情報収集に専念する。
【問題117の解答】2
問題118
ソーシャルワーカーの業務に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 就労支援にかかわるソーシャルワーカーは,就労移行支援が中心業務となる。
2 更生保護にかかわるソーシャルワーカーは,刑務所からの出所者等を支援し福祉サービスにつなげることが期待されている。
3 ソーシャルワーカーが権利擁護にかかわる場合には,権利侵害を受けている人の成年後見人として選任されなければならない。
4 医療にかかわるソーシャルワーカーは,医師の指示による診療補助が中心業務となる。
5 学校にかかわるソーシャルワーカーは,学級運営へのアドバイスによって学級崩壊を防ぐことが中心業務となる。
【問題118の解答】2
1 就労支援にかかわるソーシャルワーカーは,就労移行支援が中心業務となる。
2 更生保護にかかわるソーシャルワーカーは,刑務所からの出所者等を支援し福祉サービスにつなげることが期待されている。
3 ソーシャルワーカーが権利擁護にかかわる場合には,権利侵害を受けている人の成年後見人として選任されなければならない。
4 医療にかかわるソーシャルワーカーは,医師の指示による診療補助が中心業務となる。
5 学校にかかわるソーシャルワーカーは,学級運営へのアドバイスによって学級崩壊を防ぐことが中心業務となる。
【問題118の解答】2
問題119
ピンカス(Pincus,A.)とミナハン(Minahan,A.)によるソーシャルワーク実践にかかわる理論に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 地縁関係で結ばれたクライエント個々の日常生活上の単位を,クライエント・システムという。
2 ソーシャルワーカーが所属する公私の機関もしくは組織体を,アクション・システムという。
3 ソーシャルワーカーが働き掛け,変化を引き起こす対象を,ターゲット・システムという。
4 ソーシャルワーカーとともに変革努力の目標を達成するために対応していく人材,資源,援助活動などを,チェンジ・エージェント・システムという。
5 特定の課題解決に向けて活用されるソーシャルワーカーのワーカービリティを,リソース・システムという。
【問題119の解答】3
1 地縁関係で結ばれたクライエント個々の日常生活上の単位を,クライエント・システムという。
2 ソーシャルワーカーが所属する公私の機関もしくは組織体を,アクション・システムという。
3 ソーシャルワーカーが働き掛け,変化を引き起こす対象を,ターゲット・システムという。
4 ソーシャルワーカーとともに変革努力の目標を達成するために対応していく人材,資源,援助活動などを,チェンジ・エージェント・システムという。
5 特定の課題解決に向けて活用されるソーシャルワーカーのワーカービリティを,リソース・システムという。
【問題119の解答】3
問題120
ソーシャルワーク過程における終結に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。
2 終結の際には,問題解決に至るまでのソーシャルワーカーの努力を肯定的に評価し,それをクライエントと共有する。
3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。
4 援助の終結は,クライエントがその社会福祉機関・施設を今後利用しないことを意味する。
5 終結の焦点は,クライエントの主観的側面ではなく,問題解決の程度を客観的に評価することに向けられる。
【問題120の解答】3
1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。
2 終結の際には,問題解決に至るまでのソーシャルワーカーの努力を肯定的に評価し,それをクライエントと共有する。
3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。
4 援助の終結は,クライエントがその社会福祉機関・施設を今後利用しないことを意味する。
5 終結の焦点は,クライエントの主観的側面ではなく,問題解決の程度を客観的に評価することに向けられる。
【問題120の解答】3
問題121
シングル・システム・デザイン(単一事例実験計画法)に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 効果がある程度証明された介入方法を検証し,知識を一般化するのに適している。
2 情報収集が難しい場合にはベースライン(基礎線)の設定がなくても実施できる。
3 独立変数以外は同じ条件であることが望ましいので,無作為割当が重要となる。
4 「A−Bデザイン」とは,Aが介入後の前期,Bが介入後の後期を示している。
5 単一のクライエントの行動に変化があったかどうかを明らかにし,介入方法の検証に役立つ。
【問題121の解答】5
1 効果がある程度証明された介入方法を検証し,知識を一般化するのに適している。
2 情報収集が難しい場合にはベースライン(基礎線)の設定がなくても実施できる。
3 独立変数以外は同じ条件であることが望ましいので,無作為割当が重要となる。
4 「A−Bデザイン」とは,Aが介入後の前期,Bが介入後の後期を示している。
5 単一のクライエントの行動に変化があったかどうかを明らかにし,介入方法の検証に役立つ。
【問題121の解答】5
問題122
「地域の組織化」に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 「福祉組織化」には,入所施設をなくして当事者の地域生活を住民が福祉的に支えていくという考え方が含まれる。
2 「福祉組織化」には,サービス提供機関の組織化と,福祉課題を抱えた当事者を中心とする住民の組織化が含まれる。
3 「地域組織化」の重要な方法であるインターグループワークは,積極的な地域住民による合同会議を意味している。
4 「地域組織化」においては,地域課題に関心のある特定の住民を対象として組織化を図るという考え方が基軸となる。
5 地域課題の深刻化と地域における人間関係の希薄化によって,同時並行で「福祉組織化」と「地域組織化」に取り組むことは効果的ではなくなってきている。
【問題122の解答】2
1 「福祉組織化」には,入所施設をなくして当事者の地域生活を住民が福祉的に支えていくという考え方が含まれる。
2 「福祉組織化」には,サービス提供機関の組織化と,福祉課題を抱えた当事者を中心とする住民の組織化が含まれる。
3 「地域組織化」の重要な方法であるインターグループワークは,積極的な地域住民による合同会議を意味している。
4 「地域組織化」においては,地域課題に関心のある特定の住民を対象として組織化を図るという考え方が基軸となる。
5 地域課題の深刻化と地域における人間関係の希薄化によって,同時並行で「福祉組織化」と「地域組織化」に取り組むことは効果的ではなくなってきている。
【問題122の解答】2