平成20年度(第21回)社会福祉士国家試験 問題文
【専門科目】児童福祉論・10問
・合否の判定や設問内容についてのお問い合わせには応じかねますのでご了承願います。
|社会福祉原論(10問) |社会保障論(10問) |公的扶助論(10問) |地域福祉論(10問) |心理学(10問) |社会学(10問) |法学(10問) |医学一般(10問) |老人福祉論(10問) |障害者福祉論(10問) |社会福祉援助技術(12問) |社会福祉援助技術(事例)(18問) |介護概論(10問) |
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問題101
児童福祉分野の法律等に関する次の記述のうち,年代の古い順に並べたときに第3番目に位置するものとして,正しいものを一つ選びなさい。
1 「児童手当法」が制定される。
2 「児童扶養手当法」が制定される。
3 「児童虐待の防止等に関する法律」が制定される。
4 「次世代育成支援対策推進法」が制定される。
5 「児童憲章」が制定される。
【問題101の解答】1
1 「児童手当法」が制定される。
2 「児童扶養手当法」が制定される。
3 「児童虐待の防止等に関する法律」が制定される。
4 「次世代育成支援対策推進法」が制定される。
5 「児童憲章」が制定される。
【問題101の解答】1
問題102
児童福祉法に基づく里親制度に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 里親には,養育里親,親族里親,短期里親,専門里親の4種類がある。
2 里親の認定は,児童相談所長が行う。
3 専門里親は,虐待を受けた子どものみを養育する。
4 養育里親は,児童と養子縁組することを目的として児童を養育する里親である。
5 短期里親への委託期間は,1か月を超えることはできない。
【問題102の解答】1
1 里親には,養育里親,親族里親,短期里親,専門里親の4種類がある。
2 里親の認定は,児童相談所長が行う。
3 専門里親は,虐待を受けた子どものみを養育する。
4 養育里親は,児童と養子縁組することを目的として児童を養育する里親である。
5 短期里親への委託期間は,1か月を超えることはできない。
【問題102の解答】1
問題103
認定こども園に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 認定こども園は,教育及び保育を一体的に提供する施設であり,子育て相談などの地域における子育て支援の実施は必要条件とはされていない。
2 認定こども園は,保育に欠ける子どもも,欠けない子どもも対象となる。
3 認定こども園への入所は,市町村の長による措置として決定される。
4 認定こども園は,市町村の長による認定を受ける。
5 認可外保育施設は,国の定めた基準によれば,認定こども園としての認定を受けることはできない。
【問題103の解答】2
1 認定こども園は,教育及び保育を一体的に提供する施設であり,子育て相談などの地域における子育て支援の実施は必要条件とはされていない。
2 認定こども園は,保育に欠ける子どもも,欠けない子どもも対象となる。
3 認定こども園への入所は,市町村の長による措置として決定される。
4 認定こども園は,市町村の長による認定を受ける。
5 認可外保育施設は,国の定めた基準によれば,認定こども園としての認定を受けることはできない。
【問題103の解答】2
問題104
次の施設のうち,児童福祉法第27条第1項第3号に基づく措置の対象となる施設として該当するものを一つ選びなさい。
1 母子生活支援施設
2 助産施設
3 保育所
4 児童養護施設
5 児童家庭支援センター
【問題104の解答】4
1 母子生活支援施設
2 助産施設
3 保育所
4 児童養護施設
5 児童家庭支援センター
【問題104の解答】4
問題105
児童相談所に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 一時保護期間は原則として1か月を超えてはならない。
2 児童相談所長は,親権を行う者及び未成年後見人のない児童等について未成年後見人を指名することができる。
3 児童相談所長は,その管轄区域内の児童委員の中から主任児童委員を指名することができる。
4 児童福祉司は,調査に当たって,担当区域内の市町村長に協力を求めることができる。
5 児童相談所長は,親権喪失の宣告の請求を行うことができない。
【問題105の解答】5
1 一時保護期間は原則として1か月を超えてはならない。
2 児童相談所長は,親権を行う者及び未成年後見人のない児童等について未成年後見人を指名することができる。
3 児童相談所長は,その管轄区域内の児童委員の中から主任児童委員を指名することができる。
4 児童福祉司は,調査に当たって,担当区域内の市町村長に協力を求めることができる。
5 児童相談所長は,親権喪失の宣告の請求を行うことができない。
【問題105の解答】5
問題106
非行少年に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年は,虞(ぐ)犯少年と呼ばれる。
2 触法少年は,家庭裁判所の審判に付することを原則としている。
3 家庭裁判所は,保護処分として児童自立支援施設又は児童養護施設に送致することができる。
4 触法少年は,少年院に送致されることはない。
5 少年法による「少年」は,児童福祉法における「少年」と同じ年齢とされている。
【問題106の解答】3
1 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年は,虞(ぐ)犯少年と呼ばれる。
2 触法少年は,家庭裁判所の審判に付することを原則としている。
3 家庭裁判所は,保護処分として児童自立支援施設又は児童養護施設に送致することができる。
4 触法少年は,少年院に送致されることはない。
5 少年法による「少年」は,児童福祉法における「少年」と同じ年齢とされている。
【問題106の解答】3
問題107
人物と業績との関係に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 糸賀一雄は,石神井学園を創設し,主として身体障害児の領域で活躍した。
2 野口幽香は,家庭学校を創設し,主として保育の領域で活躍した。
3 石井十次は,福田会育児院を創設し,主として少年教護の領域で活躍した。
4 留岡幸助は,近江学園を創設し,主として児童養護の領域で活躍した。
5 石井亮一は,滝乃川学園を創設し,主として知的障害児の領域で活躍した。
【問題107の解答】5
1 糸賀一雄は,石神井学園を創設し,主として身体障害児の領域で活躍した。
2 野口幽香は,家庭学校を創設し,主として保育の領域で活躍した。
3 石井十次は,福田会育児院を創設し,主として少年教護の領域で活躍した。
4 留岡幸助は,近江学園を創設し,主として児童養護の領域で活躍した。
5 石井亮一は,滝乃川学園を創設し,主として知的障害児の領域で活躍した。
【問題107の解答】5
事例問題
虐待を行った保護者への援助に関する次の事例を読んで,問題108から問題110までについて答えなさい。
〔事 例〕
電話による虐待通告がY病院から児童相談所にあった。M児童福祉司は同僚とともにY病院に駆けつけ,Z市在住であるL子(当時5歳)の主治医や病院のソーシャルワーカーと面接した。その結果,(1)全身に打撲のあとと考えられる皮下出血が見られること,(2)母親は「階段から転落して打ちつけた」と釈明しているが,病院としては母親による虐待と考えていること,(3)L子の両親は離婚し,母親が親権者としてL子を養育していること,(4)母親はうつ病のため病院に通院中であり,生活保護を受給していること,などが分かった。
この面接終了直後に開催された会議では,L子を母親から分離する方針が確認された。М児童福祉司が母親に電話し,「面接したい」と伝えると,母親は「児童相談所は私を悪者扱いするのか」と敵意を露(あら)わにして電話を切った。しかし,まもなく児童相談所に来所した。母親は虐待を否定し,L子の回復を待って引き取るとの主張を繰り返した。М児童福祉司は面接を切り上げ緊急の会議を開き,対応を協議した。その中で,母親の行為が虐待に当たることを告知するかどうかで議論が行われた(問題108)。
その後,L子は児童福祉法第28条の規定に基づいて,家庭裁判所の承認を得た上で児童養護施設に入所した。その1か月後には,母親のうつ病が悪化し病院へ入院することになった。入院した当初,母親はL子に時々手紙を送ってきたが,3か月ほどでそれも途絶えた。
L子が施設に入所してほぼ1年が経過したころ,母親が児童相談所に来所し,「あと半年で,L子は小学校に入学する。この時期に合わせて,L子を引き取りたい。自分は病院を退院した。もう二度と虐待のようなことはしない」と申し出た。児童相談所は,この申出に対する対応について協議を行った(問題109)。
その後,家庭環境調査が行われた結果,親族の支えで家庭復帰の方向が確認された。L子が小学校に入学するまで残り3か月となった時期に,L子の家庭復帰に関して協議する会議が開催された(問題110)。
虐待を行った保護者への援助に関する次の事例を読んで,問題108から問題110までについて答えなさい。
〔事 例〕
電話による虐待通告がY病院から児童相談所にあった。M児童福祉司は同僚とともにY病院に駆けつけ,Z市在住であるL子(当時5歳)の主治医や病院のソーシャルワーカーと面接した。その結果,(1)全身に打撲のあとと考えられる皮下出血が見られること,(2)母親は「階段から転落して打ちつけた」と釈明しているが,病院としては母親による虐待と考えていること,(3)L子の両親は離婚し,母親が親権者としてL子を養育していること,(4)母親はうつ病のため病院に通院中であり,生活保護を受給していること,などが分かった。
この面接終了直後に開催された会議では,L子を母親から分離する方針が確認された。М児童福祉司が母親に電話し,「面接したい」と伝えると,母親は「児童相談所は私を悪者扱いするのか」と敵意を露(あら)わにして電話を切った。しかし,まもなく児童相談所に来所した。母親は虐待を否定し,L子の回復を待って引き取るとの主張を繰り返した。М児童福祉司は面接を切り上げ緊急の会議を開き,対応を協議した。その中で,母親の行為が虐待に当たることを告知するかどうかで議論が行われた(問題108)。
その後,L子は児童福祉法第28条の規定に基づいて,家庭裁判所の承認を得た上で児童養護施設に入所した。その1か月後には,母親のうつ病が悪化し病院へ入院することになった。入院した当初,母親はL子に時々手紙を送ってきたが,3か月ほどでそれも途絶えた。
L子が施設に入所してほぼ1年が経過したころ,母親が児童相談所に来所し,「あと半年で,L子は小学校に入学する。この時期に合わせて,L子を引き取りたい。自分は病院を退院した。もう二度と虐待のようなことはしない」と申し出た。児童相談所は,この申出に対する対応について協議を行った(問題109)。
その後,家庭環境調査が行われた結果,親族の支えで家庭復帰の方向が確認された。L子が小学校に入学するまで残り3か月となった時期に,L子の家庭復帰に関して協議する会議が開催された(問題110)。
問題108
このときに出された意見に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することは避け,母親の気持ちに寄り添うことが大切である。
2 母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することは,母親の自己決定の機会を奪うので,避けるべきである。
3 母親の気持ちを理解しながらも,母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知すべきである。
4 母親との対立関係を避けるために,母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することはせず,「お母さんが楽になるまで,しばらく預かりましょう」と提案する。
5 この場合,法令に照らして,母親の気持ちについて考慮する必要はなく,母親の養育の仕方は虐待に当たることを毅(き)然と告知すべきである。
【問題108の解答】3
1 母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することは避け,母親の気持ちに寄り添うことが大切である。
2 母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することは,母親の自己決定の機会を奪うので,避けるべきである。
3 母親の気持ちを理解しながらも,母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知すべきである。
4 母親との対立関係を避けるために,母親の養育の仕方は虐待に当たることを告知することはせず,「お母さんが楽になるまで,しばらく預かりましょう」と提案する。
5 この場合,法令に照らして,母親の気持ちについて考慮する必要はなく,母親の養育の仕方は虐待に当たることを毅(き)然と告知すべきである。
【問題108の解答】3
問題109
このときに出された意見に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 L子は小学校入学の時期を迎えているので,万一,母親による虐待が再発したとしても自ら逃げ出す力を備えているので,引き取らせるべきではないか。
2 「もう二度と虐待のようなことはしない」と反省しているので,母親の自己決定を尊重すべきではないか。
3 L子の気持ちをまず尊重すべきである。L子に会って気持ちを確かめ,その意見に従うべきではないか。
4 母親は「退院した」と言っているが,主治医から病状などについて事実確認をする必要があるのではないか。
5 「もう二度と虐待のようなことはしない」と反省しているが,誓約書を書かせた上で引き取らせるべきではないか。
【問題109の解答】4
1 L子は小学校入学の時期を迎えているので,万一,母親による虐待が再発したとしても自ら逃げ出す力を備えているので,引き取らせるべきではないか。
2 「もう二度と虐待のようなことはしない」と反省しているので,母親の自己決定を尊重すべきではないか。
3 L子の気持ちをまず尊重すべきである。L子に会って気持ちを確かめ,その意見に従うべきではないか。
4 母親は「退院した」と言っているが,主治医から病状などについて事実確認をする必要があるのではないか。
5 「もう二度と虐待のようなことはしない」と反省しているが,誓約書を書かせた上で引き取らせるべきではないか。
【問題109の解答】4
問題110
このときに出された意見に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 プライバシーの保護が何よりも大切である。したがって,L子が家庭復帰することや最近の母子の様子などを入学する予定の小学校,福祉事務所に知らせるべきではない。
2 L子の状況については,入所していた児童養護施設の職員が詳しい。したがって,家庭復帰後の対応については,児童養護施設の職員がネットワークの中心となるべきである。このため,児童相談所は,可能な限り関与すべきではない。
3 親子が平安に生活できるよう見守るのが我々の務めである。したがって,L子が家庭復帰したら,そっとしてあげるべきである。そのためには,母子に会うことはできる限り控えたほうがよい。
4 家庭復帰後の状況を児童相談所が見守るには限界がある。家庭復帰と同時に措置を解除するとともに,福祉事務所に送致し,以後の対応は福祉事務所に任せるべきである。
5 L子が入所していた施設の職員やL子が通うことになる小学校の先生,母親が入院していた病院のソーシャルワーカーなどと会議を持ち,その後,親族を含め家庭復帰後の対応について話し合う必要がある。
【問題110の解答】5
1 プライバシーの保護が何よりも大切である。したがって,L子が家庭復帰することや最近の母子の様子などを入学する予定の小学校,福祉事務所に知らせるべきではない。
2 L子の状況については,入所していた児童養護施設の職員が詳しい。したがって,家庭復帰後の対応については,児童養護施設の職員がネットワークの中心となるべきである。このため,児童相談所は,可能な限り関与すべきではない。
3 親子が平安に生活できるよう見守るのが我々の務めである。したがって,L子が家庭復帰したら,そっとしてあげるべきである。そのためには,母子に会うことはできる限り控えたほうがよい。
4 家庭復帰後の状況を児童相談所が見守るには限界がある。家庭復帰と同時に措置を解除するとともに,福祉事務所に送致し,以後の対応は福祉事務所に任せるべきである。
5 L子が入所していた施設の職員やL子が通うことになる小学校の先生,母親が入院していた病院のソーシャルワーカーなどと会議を持ち,その後,親族を含め家庭復帰後の対応について話し合う必要がある。
【問題110の解答】5