「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第18回 「やる気」が出ないときの対処法
「やる気」をコントロールする
受験勉強に取り組むのは長い人生からみれば一時(いっとき)のことであるが、その道中にいる間は長く感じる。仕事の疲れや身体の具合が悪くなる時もあるだろう。そうでない時でさえ、なかなか「やる気」が出ないことがある。そういう時のために、今回は「やる気」についてふれてみたい。
詳細については下記の文献を読んでいただきたいのだが、「本を読む時間があるなら、少しでも過去問をやりたい!」という人たちのために、3つの文献に共通する「結論」だけを紹介しよう。
(1)『「超」発想法』」(野口悠紀雄著、講談社文庫)
(2)『「知」のソフトウェア』(立花隆著、講談社現代新書)
(3)『海馬――脳は疲れない』(池谷裕二・糸井重里著、新潮文庫)
結論はいたって簡単。「やり始めること」だそうだ。(3)の文献から該当部分を引用する。
「(脳の中で)やる気を生み出す場所は脳の側坐核(そくざかく)にあり、そこの神経細胞が活動すればやる気が出るという仕組みです。(側坐核は)刺激が与えられると活動(を開始)する場所なので、『やる気がない場合でも、やりはじめるしかない』のです。やっているうちに側坐核が自己興奮してきて、集中力が高まって気分が乗ってきます。『仕事をやる気がしないと思っても、実際にやりはじめてみる』というのは、かなりいい方法でしょう」(P.230-231)
「やる気」といえば、一般的に何らかの動機があったり、達成した時に賞賛される姿が思い浮かぶ。そこに向かって努力しようとする時、「やる気」が起きると考えられている。とかく精神論のように思われているが、そうではない。「やり始めること」が重要なのだ。たとえば「掃除」を思い出してほしい。やり始めは「イヤイヤ始める」のだが、始まってしまうと終えるのが難しくなる。これを受験勉強に応用しない手はない。「やる気はコントロール可能なもの」なのだ。
「やる気」が起きない時は、側坐核を刺激するつもりで“サクッサクッ!”と始めてみる。そうするうちに、側坐核が自動的に起動して気分が乗ってくるはずだ。
詳細については下記の文献を読んでいただきたいのだが、「本を読む時間があるなら、少しでも過去問をやりたい!」という人たちのために、3つの文献に共通する「結論」だけを紹介しよう。
(1)『「超」発想法』」(野口悠紀雄著、講談社文庫)
(2)『「知」のソフトウェア』(立花隆著、講談社現代新書)
(3)『海馬――脳は疲れない』(池谷裕二・糸井重里著、新潮文庫)
結論はいたって簡単。「やり始めること」だそうだ。(3)の文献から該当部分を引用する。
「(脳の中で)やる気を生み出す場所は脳の側坐核(そくざかく)にあり、そこの神経細胞が活動すればやる気が出るという仕組みです。(側坐核は)刺激が与えられると活動(を開始)する場所なので、『やる気がない場合でも、やりはじめるしかない』のです。やっているうちに側坐核が自己興奮してきて、集中力が高まって気分が乗ってきます。『仕事をやる気がしないと思っても、実際にやりはじめてみる』というのは、かなりいい方法でしょう」(P.230-231)
「やる気」といえば、一般的に何らかの動機があったり、達成した時に賞賛される姿が思い浮かぶ。そこに向かって努力しようとする時、「やる気」が起きると考えられている。とかく精神論のように思われているが、そうではない。「やり始めること」が重要なのだ。たとえば「掃除」を思い出してほしい。やり始めは「イヤイヤ始める」のだが、始まってしまうと終えるのが難しくなる。これを受験勉強に応用しない手はない。「やる気はコントロール可能なもの」なのだ。
「やる気」が起きない時は、側坐核を刺激するつもりで“サクッサクッ!”と始めてみる。そうするうちに、側坐核が自動的に起動して気分が乗ってくるはずだ。
得意科目から始める
もう1つ、「やる気」を起こす方法をお伝えしよう。
過去問を解いていると、科目によってソコソコ点数が取れる科目とそうでない科目に分かれる。前者に向かう時は「さて、やっちゃるか!」という気になるが、後者の場合は「トホホ…」という気分になる。
「やる気」が出ない時、あるいは「やる気」が萎えてきた時には、次の手順で勉強を進めるとよい。
(1)毎日の勉強は「トホホ科目」から始めてはいけない
「ソコソコ科目」から手をつける。ソコソコ科目を解きながら、側坐核を刺激するためだ。
(2)気分が乗ってきたら、トホホ科目にトライする
トホホ科目の勉強は、気分が乗っている時に取り組もう。気分が乗っている時は理解力や吸収力も速い。ただし、疲れない程度にやるのがコツだ。
(3)トホホ科目に疲れたら、すぐ止める
疲れ切ってまでトホホ科目をやってはいけない。脳が疲れてしまうと「やる気」に影響が出るからだ。効率の悪くなった脳は、情報をインプットするのに時間を要する。そんな状態でトホホ科目に時間を費やすのは非効率的である。「もうちょっとやってみようかな?」と思うところで止めておく。
(4)トホホ科目をストップしたら、ソコソコ科目に戻る
気分が乗らない時は大得意科目を選ぼう。「解答感覚」を取り戻し、脳の効率を上げるためだ。トホホ科目に手こずるよりも、時間を有効に使える。
効果的学習には「ソコソコ→トホホ→ソコソコ→トホホ→ソコソコ」のように、メリハリの利いた「リズム」が必要だ。ダラダラ学習は止めよう。
過去問を解いていると、科目によってソコソコ点数が取れる科目とそうでない科目に分かれる。前者に向かう時は「さて、やっちゃるか!」という気になるが、後者の場合は「トホホ…」という気分になる。
「やる気」が出ない時、あるいは「やる気」が萎えてきた時には、次の手順で勉強を進めるとよい。
(1)毎日の勉強は「トホホ科目」から始めてはいけない
「ソコソコ科目」から手をつける。ソコソコ科目を解きながら、側坐核を刺激するためだ。
(2)気分が乗ってきたら、トホホ科目にトライする
トホホ科目の勉強は、気分が乗っている時に取り組もう。気分が乗っている時は理解力や吸収力も速い。ただし、疲れない程度にやるのがコツだ。
(3)トホホ科目に疲れたら、すぐ止める
疲れ切ってまでトホホ科目をやってはいけない。脳が疲れてしまうと「やる気」に影響が出るからだ。効率の悪くなった脳は、情報をインプットするのに時間を要する。そんな状態でトホホ科目に時間を費やすのは非効率的である。「もうちょっとやってみようかな?」と思うところで止めておく。
(4)トホホ科目をストップしたら、ソコソコ科目に戻る
気分が乗らない時は大得意科目を選ぼう。「解答感覚」を取り戻し、脳の効率を上げるためだ。トホホ科目に手こずるよりも、時間を有効に使える。
効果的学習には「ソコソコ→トホホ→ソコソコ→トホホ→ソコソコ」のように、メリハリの利いた「リズム」が必要だ。ダラダラ学習は止めよう。