「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第8回 得点表を使って知的コンディションを把握する
「得点表」は、知的コンディションを視覚化するツールとして重要だ。効果的学習法で準備する得点表は2パターン。1つは「回数別得点表」、もう1つは「科目別得点表」である。
回数別得点表
回数別得点表(例−1参照)とは、「特定の科目(A)」について過去問5年分(3年分でもよい)を縦に表示するものだ(B)。ある科目について5年分(3年でも可)を複数回解いた場合の平均的な得点がわかる。一番下に「平均得点」がくる(C)。回数を重ねれば重ねるだけ、平均得点は上がっていくはずだ。その科目に関する自分の知的コンディションがどの程度なのか、この表を見ながら把握する。
その科目の配点が10点満点だとする。平均得点が3点しかなければ、まだまだ頑張らねばならない。しかし、学習の進捗とともに、ここが上を向いてくる。必ず上を向くようになる。
その科目の配点が10点満点だとする。平均得点が3点しかなければ、まだまだ頑張らねばならない。しかし、学習の進捗とともに、ここが上を向いてくる。必ず上を向くようになる。
回数別得点表は、過去問を解く回数を重ねた結果、特定科目の平均点がどのように推移するかを把握するものだ。しかし、この表は、「特定の科目」の推移しかわからない。「特定の科目」が他の科目と比べて、どの程度「できる科目」なのかは把握できないのだ。そこで必要になるのが、「科目別得点表」である。
科目別得点表
科目別得点表(例-2参照)には、すべての科目(D)の平均点が書かれている(E)。この平均点が、他の科目と比較して高いのか低いのかを把握する。各回の平均点を合計し、さらに各科目の合計点を平均した数値が「平均の平均」として一番下に書かれている(F)。この「平均の平均」が、他の科目と比較して高ければ、他の科目より「できる科目」、低ければ「できない科目」となる。
例えば、1回目の全体平均が3.6点(F)であるのに、「科目B」は2.5点だったとする(G)。科目Bは他の科目に比べて「できない科目」と判断する。例-2の表で科目Bの得点を見ると、過去問を5回繰り返しても得点は低い。全体平均が8.7点と上昇したにもかかわらず、科目Bだけは3.9点と低い(H)。こういう科目は、高得点を狙うのではなく、「0点」を取らないようにする。例えばIやJのように、「できる科目」を伸ばせばよい。
例えば、1回目の全体平均が3.6点(F)であるのに、「科目B」は2.5点だったとする(G)。科目Bは他の科目に比べて「できない科目」と判断する。例-2の表で科目Bの得点を見ると、過去問を5回繰り返しても得点は低い。全体平均が8.7点と上昇したにもかかわらず、科目Bだけは3.9点と低い(H)。こういう科目は、高得点を狙うのではなく、「0点」を取らないようにする。例えばIやJのように、「できる科目」を伸ばせばよい。