「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第11回 効果的学習法の進め方
体当たり学習
効果的学習法は「体当たり学習」と「絞り込み学習」で構成される(図表-1参照)。概要は次のとおりである。
「体当たり学習I」によって現在の自分が「わかっていない問題」を把握し、「絞り込み学習I」によって脳への定着をはかる。その後、「体当たり学習II」によって学習内容全体の知的レベルを把握する。その上で理解のあいまいな問題を中心に「絞り込み学習II」を行う。さらに「体当たり学習III」と「絞り込み学習III」によって完成度を高めていく。これが基本の流れである。
「体当たり学習I」によって現在の自分が「わかっていない問題」を把握し、「絞り込み学習I」によって脳への定着をはかる。その後、「体当たり学習II」によって学習内容全体の知的レベルを把握する。その上で理解のあいまいな問題を中心に「絞り込み学習II」を行う。さらに「体当たり学習III」と「絞り込み学習III」によって完成度を高めていく。これが基本の流れである。
このように、効果的学習法とは、あなたが「理解できている問題」と「理解できていない問題」を明確に区別し、「理解できていない問題」に時間と労力を集中投下する手法である。試験日までの時間は限られているので、労力を投下する問題を絞り込んで、集中的に学習するのである。
以下に進め方の概要を示す(学習法の詳細については、回を改めて解説する)。
以下に進め方の概要を示す(学習法の詳細については、回を改めて解説する)。
(1)体当たり学習I
ますば、体当たりするつもりで過去問にぶつかる。ひたすら過去問を解いていく。問題を読み、できるだけ短い時間で答えを出し、次の問題に移る。必要以上に悩んだり考え込んだりする必要はない。「シャワーを浴びるように」問題を解いていくのがコツだ。
答え合わせは、一問ずつおこなう。左ページに問題、右ページに回答や解説がある問題集の場合、左ページの問題を解いたら、すぐさま答え合わせをする。当たっていれば「○」、外れていれば「×」を、ページの右隅に書きこむ。この時点では解説は読まない。これを過去5年分(3年でもよい)やっつける(まぐれ当たりや理解が十分ではないと感じた問題は「×」をつけておこう)。
答え合わせは、一問ずつおこなう。左ページに問題、右ページに回答や解説がある問題集の場合、左ページの問題を解いたら、すぐさま答え合わせをする。当たっていれば「○」、外れていれば「×」を、ページの右隅に書きこむ。この時点では解説は読まない。これを過去5年分(3年でもよい)やっつける(まぐれ当たりや理解が十分ではないと感じた問題は「×」をつけておこう)。
(2)絞り込み学習I
「×」のついた問題のみ集中的に学習する。「○」の問題は、基本的に「あなたが理解できている問題」だ。理解できているものをおさらいする必要はない。「×」のついた問題、つまり「理解できていない問題」にのみ焦点化して、解説やテキストなどをジックリと読み込む。
(3)体当たり学習II
もう一度すべての問題をはじめから解く。「体当たり学習I」と同じ要領で、一問ずつ解いていく。テンポよく、リズミカルに解き進めるのがコツだ。
(4)採点・評価
すべてを解き終えたら「○」の数を数えて、科目別得点表と回数別得点表(第8回参照)に点数を書き込む。この点数が現在のあなたの「知的コンディション」である。はじめのうちは平均点が低いが、ここでガッカリする必要はない。ジワジワと力をつけていけばよい。
なお、学習素材としては過去問だけでなく、模擬問題や予想問題を解くのも大いに効果的である。その場合も、ここで紹介した効果的学習法のプロセスは有効である。
なお、学習素材としては過去問だけでなく、模擬問題や予想問題を解くのも大いに効果的である。その場合も、ここで紹介した効果的学習法のプロセスは有効である。