第26回 実技試験問題
試験問題
遠藤ミツさん(80歳)は、2か月前に視力を失い、生活全般に一部介助を必要としています。
遠藤さんは、食事に行く準備を整え、身だしなみを気にしています。
居室のいすに座っている遠藤さんを食堂まで歩行介助してください。
そして、遠藤さんが食卓について、スプーンを持つまでの介助をしてください。本日の献立は、カレーライスです。
遠藤さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。
(モデルは、アイマスクを着用しています。)
遠藤さんは、食事に行く準備を整え、身だしなみを気にしています。
居室のいすに座っている遠藤さんを食堂まで歩行介助してください。
そして、遠藤さんが食卓について、スプーンを持つまでの介助をしてください。本日の献立は、カレーライスです。
遠藤さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。
(モデルは、アイマスクを着用しています。)
(試験時間は5分以内です。)
試験室見取図
ポイント解説
介護福祉士国家試験「実技試験」を受験された皆さま、お疲れさまでした。とても緊張した時間だったと思います。普段の実力が発揮できたでしょうか。
今年度は介護福祉士実技試験で、初めて「視覚障害者の歩行介助」が出題されましたので、びっくりされた受験生も多かったのではないでしょうか。(過去の出題実績と傾向)
早速、第26回介護福祉士国家試験「実技試験」について、問題の整理とポイントの解説をしていきたいと思います。
今年度は介護福祉士実技試験で、初めて「視覚障害者の歩行介助」が出題されましたので、びっくりされた受験生も多かったのではないでしょうか。(過去の出題実績と傾向)
早速、第26回介護福祉士国家試験「実技試験」について、問題の整理とポイントの解説をしていきたいと思います。
問題の整理
1.「利用者」について
(1) 遠藤ミツさん(80歳)
(2) 「2か月前」に視力を失った(モデルはアイマスクを着用している)
(3) 生活全般に「一部介助」が必要
(4) 身だしなみを気にしている
(5) 食堂まで歩行介助で移動し、スプーンを持つまでの介助をする
(6) 「はい」または「うなずく」だけ
(1) 遠藤ミツさん(80歳)
(2) 「2か月前」に視力を失った(モデルはアイマスクを着用している)
(3) 生活全般に「一部介助」が必要
(4) 身だしなみを気にしている
(5) 食堂まで歩行介助で移動し、スプーンを持つまでの介助をする
(6) 「はい」または「うなずく」だけ
2.「介護内容」
(1)居室のいすに座っている遠藤さんの身だしなみを整える。
(2)視力を失っている遠藤さんを居室から食堂まで歩行介助する。
(3)食堂の食卓のいすに座ってもらう。
(4)食事の説明をして、スプーンを手渡す。
(1)居室のいすに座っている遠藤さんの身だしなみを整える。
(2)視力を失っている遠藤さんを居室から食堂まで歩行介助する。
(3)食堂の食卓のいすに座ってもらう。
(4)食事の説明をして、スプーンを手渡す。
3.「試験環境について」(試験問題には、表記されていない内容)
(1) | 設問には「身だしなみを気にしている」とだけ表記しているが、モデルの上着のボタンが段違いになっていた。 |
(2) | 居室、食堂のいすは、背もたれはあるが肘かけはなかった。 |
(3) | 食卓に置いてある料理は「カレーライス」「サラダ」「水」で、スプーンの他に「箸」もあった。 |
4.試験時間
5分間以内
5分間以内
ポイント解説
採点のポイントになりそうな点を「出題基準」と「介護の内容」「制限時間」にわけて考えてみたいと思います。(出題基準については、こちらを参考にしてください)
1.出題基準の点から
(1)安全・安楽
(2)自立支援
(3)個人の尊厳
(4)事前の説明と同意
(5)自己決定
(6)健康状態の把握
2.「介護内容」の点から
(1)身だしなみを整える
(2)視覚障害者の歩行介助
※通常の視覚障害者の歩行介助では、利用者の半歩前に立ち、後方から介護者の肘の上を握ってもらい歩行誘導するのが一般的です。しかし、今回の遠藤さんは80歳で、「2か月前(最近になってという意味)」に視力を失ったという設定ですので、一般的な方法にこだわらないでよいと思われます。
モデルさんに説明し、安全・安楽に移動できたらどのような誘導でも大丈夫だと思います。
(3)食卓のいすに腰かける
(4)テーブルオリエンテーション
3.制限時間
「5分間以内」に課題を終了することができたか。
(1)安全・安楽
歩行介助の際、転倒・強打などの危険を伴う行為はなかったか。 | |
食卓のいすに座る際、転倒・強打などの危険を伴う行為はなかったか。 |
上着を整える、歩行介助、いすに座る、食事の準備の際に、利用者の残存機能を活用する介護を行うことができたか。 |
言葉遣いは適切であったか。 | |
「遠藤さん」と名前で呼ぶことができたか。 | |
声かけの際は、目線を揃えて話しかけたか。 |
「上着を整える」「食堂への移動」「いすに座る」「食事の準備」の際などに、介助内容を事前に説明し同意を得たか。 |
各介護場面で、自己決定を促す声かけができたか。 |
「介護開始前」「歩行介助前後」などに「気分は悪くないですか」「大丈夫ですか」など、体調に配慮する声かけができたか。 |
(1)身だしなみを整える
現在の状況を説明し、残存機能を活用しながら一部介助で実施できたか。 |
いすからの立ち上がりを適切に介助できたか。 | |
食堂までの歩行介助を適切に実施できたか。 |
モデルさんに説明し、安全・安楽に移動できたらどのような誘導でも大丈夫だと思います。
(3)食卓のいすに腰かける
食卓の説明をし、テーブルやいすに触ってもらうなど残存機能を活用しながら一部介助で実施できたか。 |
カレーライス、サラダ、水などの位置をわかりやすく説明できたか。 | |
スプーンを手渡したか。 |
3.制限時間
「5分間以内」に課題を終了することができたか。
合格基準
実技試験の合格基準の過去9年の実績を見てみますと次のようになっています(過去9年の合格基準)。
今年の実技試験は、初めて視覚障害者の歩行介助の問題が出題されましたので、ほとんどの受験生は問題を見た瞬間、驚き、戸惑われたと思います。
コミュニケーションに時間を要する設問でしたので、声かけに時間を要した人が多かったようです。5分ぎりぎりか、途中で時間切れになった人も多かったのではないでしょうか?
受験生の状況から今年の合格基準も、例年並みに50〜55点くらいになりそうな気がします。
途中で制限時間を迎えた人も、5分間で実施した内容が「50〜55点」くらいの得点があれば大丈夫ですので、期待をもって合格発表を待って下さいね。(例年、時間切れになってもたくさん合格されています。)
3月27日(木)の合格発表まで緊張した日々が続くと思いますが、心穏やかにその時を待ちましょう!
実技試験の受験生の皆さま、試験委員の皆さま、そしてアイマスクをして「遠藤さん」を演じてくれたモデルさんなど、試験に携わった方々、本当にお疲れさまでした。
今年の実技試験は、初めて視覚障害者の歩行介助の問題が出題されましたので、ほとんどの受験生は問題を見た瞬間、驚き、戸惑われたと思います。
コミュニケーションに時間を要する設問でしたので、声かけに時間を要した人が多かったようです。5分ぎりぎりか、途中で時間切れになった人も多かったのではないでしょうか?
受験生の状況から今年の合格基準も、例年並みに50〜55点くらいになりそうな気がします。
途中で制限時間を迎えた人も、5分間で実施した内容が「50〜55点」くらいの得点があれば大丈夫ですので、期待をもって合格発表を待って下さいね。(例年、時間切れになってもたくさん合格されています。)
3月27日(木)の合格発表まで緊張した日々が続くと思いますが、心穏やかにその時を待ちましょう!
実技試験の受験生の皆さま、試験委員の皆さま、そしてアイマスクをして「遠藤さん」を演じてくれたモデルさんなど、試験に携わった方々、本当にお疲れさまでした。