第20回 実技試験問題
試験課題
鈴木良さん(85歳)は、右半身に麻痺があり、起き上がりや歩行に一部介助が必要です。
今日は、体調不良のため部屋で食事をすることを望んでいます。ベッドで側臥位になっている鈴木さんをテーブルまで歩行介助し、いすに腰掛けさせ、食事ができる姿勢にしてください。
その後、おしぼりで手を拭き、飲み物を用意してすすめるまでの介助をしてください。
なお、鈴木さんの履物は省略します。
鈴木さんは、「はい」または「うなずく」のみです。
今日は、体調不良のため部屋で食事をすることを望んでいます。ベッドで側臥位になっている鈴木さんをテーブルまで歩行介助し、いすに腰掛けさせ、食事ができる姿勢にしてください。
その後、おしぼりで手を拭き、飲み物を用意してすすめるまでの介助をしてください。
なお、鈴木さんの履物は省略します。
鈴木さんは、「はい」または「うなずく」のみです。
(試験時間は5分間以内です。)
2.試験室見取図
(注)
1.おしぼりは乾いていますが、濡れたものとみなします。
2.試験室の出入口、試験委員等の位置は、見取図と異なる場合があります。
1.おしぼりは乾いていますが、濡れたものとみなします。
2.試験室の出入口、試験委員等の位置は、見取図と異なる場合があります。
ポイント解説
介護福祉士国家試験「実技試験」を受験されたみなさま、お疲れさまでした。
試験開始直前まで課題の内容がわからないので、どのような問題が出題されるのかドキドキされたことと思います。昨年の試験は、「入浴の場面」の設定でしたが、今年は「食事の場面」の設定でしたね。いつもの力が発揮できたでしょうか。
早速、第20回介護福祉士国家試験「実技試験」について、問題の整理とポイントの解説をしていきたいと思います。
試験開始直前まで課題の内容がわからないので、どのような問題が出題されるのかドキドキされたことと思います。昨年の試験は、「入浴の場面」の設定でしたが、今年は「食事の場面」の設定でしたね。いつもの力が発揮できたでしょうか。
早速、第20回介護福祉士国家試験「実技試験」について、問題の整理とポイントの解説をしていきたいと思います。
問題の整理
1.「利用者」について
(1)鈴木良さん(85歳)
(2)「右半身に麻痺」があり、「起き上がり・歩行」に「一部介助」が必要
(3)今日は体調不良である
2.介護内容
(1)ベッドに「側臥位」になっている鈴木さんをテーブルまで「歩行介助」し、「いすに腰掛け」て「食事ができる姿勢」にする
(2)おしぼりで「手を拭き」、「飲み物を用意して」すすめる
3.試験時間
5分間以内
(1)鈴木良さん(85歳)
(2)「右半身に麻痺」があり、「起き上がり・歩行」に「一部介助」が必要
(3)今日は体調不良である
2.介護内容
(1)ベッドに「側臥位」になっている鈴木さんをテーブルまで「歩行介助」し、「いすに腰掛け」て「食事ができる姿勢」にする
(2)おしぼりで「手を拭き」、「飲み物を用意して」すすめる
3.試験時間
5分間以内
ポイント解説
採点のポイントになりそうな点を「出題基準」と「介護内容」「制限時間」にわけて考えてみたいと思います。
1.出題基準の点から
(1)安全・安楽
ベッドから起き上がる時、歩行時、いすに腰掛ける時などに、転落・転倒・強打などの危険を伴う行為はなかったか、また、麻痺側の保護は適切に行えたか。
(2)自立支援
ベッドから起き上がる時、いすに腰掛ける時、おしぼりで手を拭く時などに、利用者の残存機能を活用する介護を行うことができたか。
(3)個人の尊厳
・言葉遣いは適切であったか。
・「鈴木さん」と名前で呼ぶことができたか。
・ベッド上または、いすに腰掛けている利用者に話しかける際、目線を揃えて話しかけたか。
(4)事前の説明と同意
介護を実施する前に、利用者に介護内容を「説明」し「承諾」を得ることができたか(食事のためにテーブルまで移動することの説明など)。
(5)自己決定
飲み物を用意してすすめる際に、「どちらがよろしいですか」などと質問し、利用者に選択してもらったか。
(6)健康状態の把握
介護開始前、ベッドからの起き上がり、立ち上がり、いすに腰掛けた時などに「気分は悪くないですか」など、体調に配慮する声掛けができたか。
2.「介護内容」の点から
(1)ベッドからの起き上がり
・ベッドからの起き上がりの際、両下肢をベッドの端に降ろし、残存機能(左の肘や前腕)を使って起き上がったか(いろいろな方法があるので、適切であればどのような方法でも大丈夫だと思います)。
・座位を安定させるために、下肢を整え、床に足が着くようにしたか。
(2)ベッドからの立ち上がり
足を引き、膝折れを防ぎながら前かがみの姿勢で立ち上がることができたか(無理に引き上げたりしなければ、麻痺側から、または正面から実施しても大丈夫だと思います)。
(3)歩行介助
利用者の「麻痺(右)側後方」から利用者のペースで適切に介助することができたか(杖は使用しませんでしたので、左足から出すようにするとスムーズだと思います)。
(4)いすへの腰掛け
いすに腰掛けるときは、利用者に手をついてもらう、いすの位置を確認してもらうなど、安全・安楽に行うことができたか。
(5)食事ができる姿勢
食事に適した姿勢(いすに深く腰掛けるなど)をとることができたか。
(6)おしぼりで手を拭く
利用者の残存機能を活用し(右手は利用者に拭いてもらうなど)、介助することができたか。
(7)飲み物を選択する
飲み物を用意してすすめる際に、「どちらがよろしいですか」などと質問し、利用者の自己選択を促したか。
3.制限時間
「5分間以内」に課題を終了することができたか。
1.出題基準の点から
(1)安全・安楽
ベッドから起き上がる時、歩行時、いすに腰掛ける時などに、転落・転倒・強打などの危険を伴う行為はなかったか、また、麻痺側の保護は適切に行えたか。
(2)自立支援
ベッドから起き上がる時、いすに腰掛ける時、おしぼりで手を拭く時などに、利用者の残存機能を活用する介護を行うことができたか。
(3)個人の尊厳
・言葉遣いは適切であったか。
・「鈴木さん」と名前で呼ぶことができたか。
・ベッド上または、いすに腰掛けている利用者に話しかける際、目線を揃えて話しかけたか。
(4)事前の説明と同意
介護を実施する前に、利用者に介護内容を「説明」し「承諾」を得ることができたか(食事のためにテーブルまで移動することの説明など)。
(5)自己決定
飲み物を用意してすすめる際に、「どちらがよろしいですか」などと質問し、利用者に選択してもらったか。
(6)健康状態の把握
介護開始前、ベッドからの起き上がり、立ち上がり、いすに腰掛けた時などに「気分は悪くないですか」など、体調に配慮する声掛けができたか。
2.「介護内容」の点から
(1)ベッドからの起き上がり
・ベッドからの起き上がりの際、両下肢をベッドの端に降ろし、残存機能(左の肘や前腕)を使って起き上がったか(いろいろな方法があるので、適切であればどのような方法でも大丈夫だと思います)。
・座位を安定させるために、下肢を整え、床に足が着くようにしたか。
(2)ベッドからの立ち上がり
足を引き、膝折れを防ぎながら前かがみの姿勢で立ち上がることができたか(無理に引き上げたりしなければ、麻痺側から、または正面から実施しても大丈夫だと思います)。
(3)歩行介助
利用者の「麻痺(右)側後方」から利用者のペースで適切に介助することができたか(杖は使用しませんでしたので、左足から出すようにするとスムーズだと思います)。
(4)いすへの腰掛け
いすに腰掛けるときは、利用者に手をついてもらう、いすの位置を確認してもらうなど、安全・安楽に行うことができたか。
(5)食事ができる姿勢
食事に適した姿勢(いすに深く腰掛けるなど)をとることができたか。
(6)おしぼりで手を拭く
利用者の残存機能を活用し(右手は利用者に拭いてもらうなど)、介助することができたか。
(7)飲み物を選択する
飲み物を用意してすすめる際に、「どちらがよろしいですか」などと質問し、利用者の自己選択を促したか。
3.制限時間
「5分間以内」に課題を終了することができたか。
合格基準
実技試験の合格基準(何点以上が合格)が毎年発表されています。過去4年分を見てみると、次のとおりです。
◇第16回 60.00点/100点
◇第17回 46.67点/100点
◇第18回 46.67点/100点
◇第19回 40.00点/100点
つまり、およそ40〜60%の得点で、合格しているようです。
今回の試験は、比較的オーソドックスな問題でしたので、第16回の試験(60%)くらいの合格基準になるような気がします。
ですから、採点のチェックポイントのすべてを満たさなくても合格します。「緊張のあまりつい忘れた…」という項目が4割くらいあっても大丈夫だと思います。
実技試験の「緊張感」は受験した人にしかわからないものです。「平常心で臨むことができた人」「緊張のあまりふだんの力が発揮できなかった人」「何をしたか覚えていない人」などいろいろな方がいらっしゃると思います。私自身も10年ほど前に受験しましたが、「何をしたか覚えていない人」でした。
試験の結果は運命にまかせて、疲れた体をいたわってくださいね。
本当にお疲れさまでした。
◇第16回 60.00点/100点
◇第17回 46.67点/100点
◇第18回 46.67点/100点
◇第19回 40.00点/100点
つまり、およそ40〜60%の得点で、合格しているようです。
今回の試験は、比較的オーソドックスな問題でしたので、第16回の試験(60%)くらいの合格基準になるような気がします。
ですから、採点のチェックポイントのすべてを満たさなくても合格します。「緊張のあまりつい忘れた…」という項目が4割くらいあっても大丈夫だと思います。
実技試験の「緊張感」は受験した人にしかわからないものです。「平常心で臨むことができた人」「緊張のあまりふだんの力が発揮できなかった人」「何をしたか覚えていない人」などいろいろな方がいらっしゃると思います。私自身も10年ほど前に受験しましたが、「何をしたか覚えていない人」でした。
試験の結果は運命にまかせて、疲れた体をいたわってくださいね。
本当にお疲れさまでした。