「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第7回 受験勉強に必要なテキスト
最低これだけは揃えたいもの「3つ+α」
「受験勉強に必要なものは何か」と問われた時、「最低限必要なもの」として次の「3点+α」を挙げている。(1)過去問3〜5年分、(2)辞典と福祉六法、(3)参考図書を2〜3、そして(4)その他である。
(1)過去問:3〜5年分
一言で「過去問」といっても、市販されている過去問は実にさまざまである。特定の問題を抜粋して掲載しているものや、模擬問題形式にまとめたもの等々、出版社によって構成や解説が異なる。いずれも各回の全科目・全問題が掲載されているものが多い。
「効果的学習法」では、上記の過去問を参考に、「国家試験のコアの部分を掴む」学習法を紹介するので、最低でも過去3年分、できれば過去5年分の問題集がそろうとよい。参考までに、スタンダード版といわれるものを挙げておく。
●介護福祉士:『介護福祉士国家試験過去問解説集』(介護福祉士国家試験受験対策研究会編集、中央法規出版)
●介護福祉士:『クエスチョン・バンク 介護福祉士国家試験問題解説』(医療情報科学研究所編集、メディックメディア)
「効果的学習法」では、上記の過去問を参考に、「国家試験のコアの部分を掴む」学習法を紹介するので、最低でも過去3年分、できれば過去5年分の問題集がそろうとよい。参考までに、スタンダード版といわれるものを挙げておく。
●介護福祉士:『介護福祉士国家試験過去問解説集』(介護福祉士国家試験受験対策研究会編集、中央法規出版)
●介護福祉士:『クエスチョン・バンク 介護福祉士国家試験問題解説』(医療情報科学研究所編集、メディックメディア)
(2)辞典と福祉小六法
専門職は「専門用語」を用いる。その基準になるのが「辞典」だ。おすすめは『介護福祉用語辞典』(中央法規出版)。「けあサポ」を運営している会社だから挙げるわけではない。法律に詳しい出版社だから、法律用語等の解説が素晴らしい。理解が曖昧な単語や用語はしっかり調べよう。「知ってるつもり」の単語でも、実は理解が曖昧なことが多い。最近は、新しい言葉や概念が登場しているのでキチンとおさえておくとよい。過去問を見ていると、「頻出単語」はそれほど多くない。マーカーで線を引き、付箋を貼りながら、「何度も何度も辞書を引く」と、身体が覚えてくれる。特に、カタカナ言葉には要注意だ。
小六法は、どこの出版社のものでも良い。例えば、『福祉小六法2013』(中央法規出版)。「法律」はスタイルが決まっているので、中身にこだわる必要はない。「見た目」や「手軽さ」で決めよう。過去問の解説で法律の条文「○○法第○条」が出てきたら、必ず六法で確認する。こちらもマーカーと付箋を貼りながら使う。
小六法は、どこの出版社のものでも良い。例えば、『福祉小六法2013』(中央法規出版)。「法律」はスタイルが決まっているので、中身にこだわる必要はない。「見た目」や「手軽さ」で決めよう。過去問の解説で法律の条文「○○法第○条」が出てきたら、必ず六法で確認する。こちらもマーカーと付箋を貼りながら使う。
(3)参考図書
『厚生労働白書』(ぎょうせい)
厚生労働行政のシナリオだ。「今年度のわが国は、この方向で進む!」という内容が書かれている。この資料のもう1つの使い方は、図書館等を利用して「目次」のコピーを過去数年分とること。各年の目次を比較すると、「福祉の流れ」が理解できる。前年度との「違い」はおさえておきたいポイントだ。毎年夏頃に発行される。
『国民の福祉と介護の動向』(厚生労働統計協会)
福祉の動向が、数値やグラフとともに解説されている。各領域の動向がコンパクトにまとまっているので、概観を把握するには便利である。項目単位で活用すると役立つ。発行は秋。
『高齢社会白書』(印刷通販)
高齢者に関する制度の動きや最新のデータがわかる。毎年夏に発行される。
厚生労働行政のシナリオだ。「今年度のわが国は、この方向で進む!」という内容が書かれている。この資料のもう1つの使い方は、図書館等を利用して「目次」のコピーを過去数年分とること。各年の目次を比較すると、「福祉の流れ」が理解できる。前年度との「違い」はおさえておきたいポイントだ。毎年夏頃に発行される。
『国民の福祉と介護の動向』(厚生労働統計協会)
福祉の動向が、数値やグラフとともに解説されている。各領域の動向がコンパクトにまとまっているので、概観を把握するには便利である。項目単位で活用すると役立つ。発行は秋。
『高齢社会白書』(印刷通販)
高齢者に関する制度の動きや最新のデータがわかる。毎年夏に発行される。
(4)その他:「必携」もの
各社から『必携○○』が出ている。わざわざ購入する必要はなく、「あれば便利」という程度。本の構成が「知識チェック形式」になっているので、過去問をやった後にチェックすると知識の整理に役立つ。各社夏頃に発行している様子。
効果的学習法の裏ワザ
以上に挙げた(1)〜(4)は、最新版を揃えるのが基本だ。最新版の過去問集でないと、前年の問題や出題傾向(の変化)を見ることができない。また、統計数値は毎年更新されており、試験に出題される頻度も高いので、最新の情報をチェックしておく必要がある。
それに加えて効果的学習法でおすすめしたいのが、「先輩の使った参考書を譲り受ける」ことだ。
「先輩のお下がり」には、大きなオマケがついてくる。それは「アンダーライン」だ。先輩は過去問の解説部分にアンダーラインを引き、余白にメモを書き込みながら勉強したはずだ。となると、先輩が引いた「アンダーライン」は、重要度を示す指標としても使える。先輩のなかには、新品同様の過去問をお持ちの方もいると思うが、このような事情を考慮すると、過去問は「キレイなもの」より「酷使されたもの」を譲り受けるほうが「何かとお得」ではないだろうか。
それに加えて効果的学習法でおすすめしたいのが、「先輩の使った参考書を譲り受ける」ことだ。
「先輩のお下がり」には、大きなオマケがついてくる。それは「アンダーライン」だ。先輩は過去問の解説部分にアンダーラインを引き、余白にメモを書き込みながら勉強したはずだ。となると、先輩が引いた「アンダーライン」は、重要度を示す指標としても使える。先輩のなかには、新品同様の過去問をお持ちの方もいると思うが、このような事情を考慮すると、過去問は「キレイなもの」より「酷使されたもの」を譲り受けるほうが「何かとお得」ではないだろうか。