Vol.5 内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満
肥満には2種類ある
これまで、メタボリックシンドロームの原因として、肥満や脂肪についてたびたび触れてきました。また、肥満とは不要な脂肪細胞が体内にたまっていくことというのは、ダイエットや生活習慣病が話題になる昨今、知らない方はいらっしゃらないと思います。しかし、肥満に2種類あることはご存じない方もいるでしょう。
脂肪が蓄積される場所によって、肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型に分類されています。つまり、脂肪も皮下脂肪と内臓脂肪に分かれるということです。
皮下脂肪型肥満は、腕やお腹、下半身などの皮膚をつまんだときに、皮膚を脂肪ごとごっそりつまめるような人です。脂肪が皮膚と筋肉との間に存在しています。これが、皮下脂肪です。このタイプは女性に多いことがわかっており、お腹周りが太めの女性のへその辺りをCT検査で輪切りにしてみてみると、皮膚と筋肉の間が脂肪で厚くなっている人が多いのです。しかし、このような人でも筋肉の内側、つまり内臓にはほとんど脂肪がない人も大勢います。
これに対して内臓脂肪型肥満は、皮膚と筋肉の間ではなく、お腹の内臓に脂肪が蓄積しています。へその辺りの内臓として特に小腸の腸間膜に脂肪が蓄積することが多いのが特徴です。CT検査でおへその辺りを輪切りにしてみると、皮下脂肪はほとんどなくても小腸などの臓器の間にぎっちり脂肪が詰まっていることがあります。これが、内臓脂肪型肥満です。
脂肪が蓄積される場所によって、肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型に分類されています。つまり、脂肪も皮下脂肪と内臓脂肪に分かれるということです。
皮下脂肪型肥満は、腕やお腹、下半身などの皮膚をつまんだときに、皮膚を脂肪ごとごっそりつまめるような人です。脂肪が皮膚と筋肉との間に存在しています。これが、皮下脂肪です。このタイプは女性に多いことがわかっており、お腹周りが太めの女性のへその辺りをCT検査で輪切りにしてみてみると、皮膚と筋肉の間が脂肪で厚くなっている人が多いのです。しかし、このような人でも筋肉の内側、つまり内臓にはほとんど脂肪がない人も大勢います。
これに対して内臓脂肪型肥満は、皮膚と筋肉の間ではなく、お腹の内臓に脂肪が蓄積しています。へその辺りの内臓として特に小腸の腸間膜に脂肪が蓄積することが多いのが特徴です。CT検査でおへその辺りを輪切りにしてみると、皮下脂肪はほとんどなくても小腸などの臓器の間にぎっちり脂肪が詰まっていることがあります。これが、内臓脂肪型肥満です。
内臓脂肪型肥満は危険
最近のダイエットブームの影響もあって、脂肪は健康や美容にとっては目の敵されがちですが、人体にとっては必要不可欠なものです。飢饉など人間にとって飢えが今以上に切実な問題だったころは、脂肪は人が生きていくうえで重要な役割を果たしていました。しかし、現代の先進国のように飽食の時代となると体内に余計に蓄積するようになり、それが肥満を生み出しているのです。
ただ、蓄積されているだけならばまだしも、過剰にたまった脂肪細胞は人体にとって悪い影響をもたらします。動脈硬化など心臓病や脳卒中に直接結びついていることがだんだんわかってきました。それゆえに、メタボリックシンドロームの概念が提唱されているのです。
また、人体に悪影響をもたらす脂肪は皮下脂肪よりも内臓脂肪であることも解明されてきました。そのメカニズムについては、次回以降で解説しますが、メタボリックシンドロームが内臓脂肪に焦点を当てているのもそのためです。
ただ、蓄積されているだけならばまだしも、過剰にたまった脂肪細胞は人体にとって悪い影響をもたらします。動脈硬化など心臓病や脳卒中に直接結びついていることがだんだんわかってきました。それゆえに、メタボリックシンドロームの概念が提唱されているのです。
また、人体に悪影響をもたらす脂肪は皮下脂肪よりも内臓脂肪であることも解明されてきました。そのメカニズムについては、次回以降で解説しますが、メタボリックシンドロームが内臓脂肪に焦点を当てているのもそのためです。
内臓脂肪型肥満の人には隠れ肥満も
内臓脂肪型肥満の人には外見上、肥満とわかりにくい人も見られます。たとえば全体的にはやせているのにお腹がポッコリと膨らんでいるような人です。中高年の男性によく見られます。こうした自分では気がつかない隠れ肥満を早く見つける必要があります。
メタボリックシンドロームがウエスト周囲径を基準にしているのはこの内臓脂肪型肥満を見つけ出すためです。日本内科学会では大勢の人を調査した結果、表のようにウエスト周囲径と内臓脂肪の量の相関を見つけ出しています。また、メタボリックシンドロームの診断基準の検討に当たって、検討委員会は危険な内臓脂肪の量の目安をおへその辺りで輪切りにしたときに100平方センチとしました。ここから、男性85センチ、女性95センチという基準がつくられたわけです。
メタボリックシンドロームがウエスト周囲径を基準にしているのはこの内臓脂肪型肥満を見つけ出すためです。日本内科学会では大勢の人を調査した結果、表のようにウエスト周囲径と内臓脂肪の量の相関を見つけ出しています。また、メタボリックシンドロームの診断基準の検討に当たって、検討委員会は危険な内臓脂肪の量の目安をおへその辺りで輪切りにしたときに100平方センチとしました。ここから、男性85センチ、女性95センチという基準がつくられたわけです。
内臓脂肪は皮下脂肪と違って、つきやすいが落としやすいといわれています。内臓脂肪型肥満の人は早く見つけて、対処することが、健康を維持するために欠かせないことなのです。
- ポイント
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危険な内臓脂肪を見つけるためにウエスト径を測ろう