Vol.3 メタボリックシンドロームが注目されるワケ
メタボリックシンドロームと生活習慣病
メタボリックシンドロームの診断基準の項目を1つひとつ見てみると、ウエスト径─肥満症、血清脂質─高脂血症、血糖値─糖尿病、血圧値─高血圧というように、別々の生活習慣病と対応していることがわかります。
しかし、メタボリックシンドロームにおける血糖値などの各基準値は、糖尿病と単独で診断される検査値よりも低くなっています。メタボリックシンドロームといわれても、まだ糖尿病ではないこともあるわけです。とはいえ、早い段階で気がついて生活習慣を整えることで、本当の意味での糖尿病になるのを防ぐことができます。
糖尿病などの生活習慣病は、その名のとおり長年の生活のあり方がその原因になっていることが多いものです。それを治すには薬による治療以外に食事や運動など日ごろの生活改善が必要になりますし、それを始めるのは早ければ早いほど効果をあげやすいといわれています。いったん本当の糖尿病と診断されてからでは、身体に病気による影響が出てきますし、治療も生活改善も大変なので、その手前の段階で取り組めればそれに越したことはありません。
早期の対応という観点からもメタボリックシンドロームの診断の意義はあります。
しかし、メタボリックシンドロームにおける血糖値などの各基準値は、糖尿病と単独で診断される検査値よりも低くなっています。メタボリックシンドロームといわれても、まだ糖尿病ではないこともあるわけです。とはいえ、早い段階で気がついて生活習慣を整えることで、本当の意味での糖尿病になるのを防ぐことができます。
糖尿病などの生活習慣病は、その名のとおり長年の生活のあり方がその原因になっていることが多いものです。それを治すには薬による治療以外に食事や運動など日ごろの生活改善が必要になりますし、それを始めるのは早ければ早いほど効果をあげやすいといわれています。いったん本当の糖尿病と診断されてからでは、身体に病気による影響が出てきますし、治療も生活改善も大変なので、その手前の段階で取り組めればそれに越したことはありません。
早期の対応という観点からもメタボリックシンドロームの診断の意義はあります。
リスクが重複するとさらに大きな危険
しかし、さらに重要なことは、肥満症、高脂血症、糖尿病、高血圧がそれぞれは軽度であっても、重複することで動脈硬化を起こしやすくするということです。動脈硬化の怖さについても改めて説明しますが、簡単にいうと、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患や、脳梗塞、脳出血といった脳卒中の原因になることです。
これらの病気は、死亡率が高いというだけでなく、幸いにして死亡にいたらなかったとしても、身体の麻痺といった重大な後遺症が残り要介護状態になる場合が多いのが特徴です。
国が2008年度から健康診断にメタボリックシンドロームの診断と保健指導を義務化したのも、このようにシニアの健康に大きな影響を与えるからですが、その一方で、最近、国の財政のなかで医療費や介護費などが膨張しており、それを食い止めることが求められています。メタボリックシンドロームの考え方を導入して、早期の段階で悪化を予防できれば財政的に貢献することになります。
それはさておいても、シニアの方一人ひとりができるだけ長く健康で過ごすためには、メタボリックシンドロームに陥らない生活を送ることが重要だといえるでしょう。
メタボリックシンドロームの診断基準では第一にウエストサイズつまり内臓脂肪を重視しているため、ほかの項目が基準値を超えてもウエストサイズが正常ならばメタボリックシンドロームではありません。これは、内臓脂肪の重要性の裏返してでもあるわけです。つまり、おなかのポコッと出ている人、肥満気味の人は健康なシニアライフを過ごすためにもメタボリックシンドロームに気をつけましょう。
実は、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて簡単に落とすことができます。これからの連載では、そうした点にも触れていきたいと思います。
これらの病気は、死亡率が高いというだけでなく、幸いにして死亡にいたらなかったとしても、身体の麻痺といった重大な後遺症が残り要介護状態になる場合が多いのが特徴です。
国が2008年度から健康診断にメタボリックシンドロームの診断と保健指導を義務化したのも、このようにシニアの健康に大きな影響を与えるからですが、その一方で、最近、国の財政のなかで医療費や介護費などが膨張しており、それを食い止めることが求められています。メタボリックシンドロームの考え方を導入して、早期の段階で悪化を予防できれば財政的に貢献することになります。
それはさておいても、シニアの方一人ひとりができるだけ長く健康で過ごすためには、メタボリックシンドロームに陥らない生活を送ることが重要だといえるでしょう。
メタボリックシンドロームの診断基準では第一にウエストサイズつまり内臓脂肪を重視しているため、ほかの項目が基準値を超えてもウエストサイズが正常ならばメタボリックシンドロームではありません。これは、内臓脂肪の重要性の裏返してでもあるわけです。つまり、おなかのポコッと出ている人、肥満気味の人は健康なシニアライフを過ごすためにもメタボリックシンドロームに気をつけましょう。
実は、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて簡単に落とすことができます。これからの連載では、そうした点にも触れていきたいと思います。
- ポイント
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動脈硬化の原因となる