第4回から数回に分けて、ソーシャルワーカーの「知識」「技術」「価値」についてお伝えしていきます。生活(いき)ることを支援する専門職にとって必要な「知識」「技術」「価値」とはどのようなものなのか…。一緒に考えていきましょう。
第5回 どのように「情報」を提供するか
情報を専門的知識に変えるポイント
前回は、専門職として大切なのは、利用者により多くの情報を提供することではなく、情報が利用者の生活に活かされるように支援していくことであると述べました。情報はただ提供するだけでは専門的な知識とは言えません。また、情報は相手から与えられるものではなく、自らがそれを求めるもので、その人の生活に活かされてはじめて、生活(いき)ること支援に必要な専門的知識となるといえます。私は、生活(いき)ること支援の専門性はそれぞれの専門分野の知識量に見いだすものではなく、利用者を生活者としてとらえ、その生活全体をとらえることができるかどうかにあると心がけて支援をしています。
もう一点、私が普段、情報を生活支援のための専門的知識として活かしていくためのポイントとして意識しているのが、「情報の提供の仕方」です。
もう一点、私が普段、情報を生活支援のための専門的知識として活かしていくためのポイントとして意識しているのが、「情報の提供の仕方」です。
情報が生活のエネルギーとなるように
情報をどのように提供するか、このことを実践のなかで実感されている人もそうでない人もいるかもしれませんが、次のような例えはどうでしょうか。
つまり、「相手が何を食べようか決める前に、こちらが進めるもの(情報)を食べさせすぎてしまえば、相手に消化不良を起こさせてしまうだけで、相手にとって必要な栄養にはならない」ということです。消化不良を起こした相手は、専門職に対して不満や苦情を向ける場合もあるでしょう。
専門職の役割は(情報を)食べさせることではありません。専門職は相手が何を食べようか(自分が何を食べたいのか)を決めるためサポートをします。続いて、相手の体調(状況)に応じて、(情報を)食べやすいように調理の仕方や提供の仕方を工夫します。そうすることで相手は主体的に安心して(情報)を自身の身体に取り入れ、生活のエネルギー
とすることができるのです。
私は、相談を受け、お話を伺うなかで、相手が自ら食べようと欲していないときには、相手が欲するまで待ちます。情報や専門的知識を提供することを急がないようにします。ただ、それは何もせずにいるということではありません。相手が食べようと思えるような体調(状況)になるように、働きかけていくのです。これが非常に重要なポイントになります。
具体的にどのように働きかけていくのか、これも専門職の「技術」にかかわることなので、また次回、具体的にお伝えすることにします。
つまり、「相手が何を食べようか決める前に、こちらが進めるもの(情報)を食べさせすぎてしまえば、相手に消化不良を起こさせてしまうだけで、相手にとって必要な栄養にはならない」ということです。消化不良を起こした相手は、専門職に対して不満や苦情を向ける場合もあるでしょう。
専門職の役割は(情報を)食べさせることではありません。専門職は相手が何を食べようか(自分が何を食べたいのか)を決めるためサポートをします。続いて、相手の体調(状況)に応じて、(情報を)食べやすいように調理の仕方や提供の仕方を工夫します。そうすることで相手は主体的に安心して(情報)を自身の身体に取り入れ、生活のエネルギー
とすることができるのです。
私は、相談を受け、お話を伺うなかで、相手が自ら食べようと欲していないときには、相手が欲するまで待ちます。情報や専門的知識を提供することを急がないようにします。ただ、それは何もせずにいるということではありません。相手が食べようと思えるような体調(状況)になるように、働きかけていくのです。これが非常に重要なポイントになります。
具体的にどのように働きかけていくのか、これも専門職の「技術」にかかわることなので、また次回、具体的にお伝えすることにします。