前の月の「今日の一問一答」の問題から20問を抜粋し、月に一回、「確認テスト」を開催します。満点がとれるまで繰り返しチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
12月分の確認テスト【問題と解答・解説】
問題(20問)と解答・解説
設問1
エリクソン(Erikson,E.)が提唱する成人期後期(円熟期)の課題は、自己の人生を評価し、受け入れていくことによる「自我の統合」である。
【解答】○:成人期後期では、自分の人生を肯定的に受け入れることによって「統合性」が形成され、その結果、「英知」が獲得されることになる。
【解答】○:成人期後期では、自分の人生を肯定的に受け入れることによって「統合性」が形成され、その結果、「英知」が獲得されることになる。
設問2
老化に伴い、血中のヘモグロビン(hemoglobin)量が増加する。
【解答】×:血液は骨髄でつくられるが、老化で骨髄の造血作用が低下するため、血中のヘモグロビン量は低下する。
【解答】×:血液は骨髄でつくられるが、老化で骨髄の造血作用が低下するため、血中のヘモグロビン量は低下する。
設問3
高齢者の疾患の特徴として、潜在的な臓器障害が多いことがあげられる。
【解答】○:高齢者は加齢による生理学的老化に加え、既往症や罹患中の疾患による病的変化によって、潜在的な臓器障害になりやすい。また、それらは慢性化しやすく、わずかな臓器障害から多臓器不全に陥りやすい。
【解答】○:高齢者は加齢による生理学的老化に加え、既往症や罹患中の疾患による病的変化によって、潜在的な臓器障害になりやすい。また、それらは慢性化しやすく、わずかな臓器障害から多臓器不全に陥りやすい。
設問4
心原性脳塞栓(cardiogenic cerebral embolism)は安静時に起こしやすい。
【解答】×:心原性脳塞栓は安静時ではなく日中活動しているときに起こしやすい。心臓内に形成された血栓が、心腔の内壁からはがれて動脈内を移動し、脳血管を塞ぐことで起こる。
【解答】×:心原性脳塞栓は安静時ではなく日中活動しているときに起こしやすい。心臓内に形成された血栓が、心腔の内壁からはがれて動脈内を移動し、脳血管を塞ぐことで起こる。
設問5
うつ病(depression)と認知症(dementia)の症状は異なるので、鑑別は容易である。
【解答】×:認知症の心理症状には、妄想や焦燥感、意欲の低下、意識障害、そしてうつ状態がある。うつ病と認知症の症状はよく似ているので判別は困難であり、専門医による診断が求められる。
【解答】×:認知症の心理症状には、妄想や焦燥感、意欲の低下、意識障害、そしてうつ状態がある。うつ病と認知症の症状はよく似ているので判別は困難であり、専門医による診断が求められる。
設問6
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、ゆるやかに発症、進行する。
【解答】○:アルツハイマー型認知症の経過は、本人も周囲の人もいつ始まったかわからないようなかたちで発症し、徐々に進行していくのが特徴である。高齢になって徐々に発症・進行していく晩発性アルツハイマー型認知症の場合は、年のせいとして見過ごされやすい。
【解答】○:アルツハイマー型認知症の経過は、本人も周囲の人もいつ始まったかわからないようなかたちで発症し、徐々に進行していくのが特徴である。高齢になって徐々に発症・進行していく晩発性アルツハイマー型認知症の場合は、年のせいとして見過ごされやすい。
設問7
血管性認知症(vascular dementia)は、記憶障害を伴うことが多い。
【解答】○:記憶障害は認知症の中核症状であり、血管性認知症でも記憶障害を伴うことが多い。
【解答】○:記憶障害は認知症の中核症状であり、血管性認知症でも記憶障害を伴うことが多い。
設問8
SSTは、認知症(dementia)の検査方法である。
【解答】×:SSTとはSocial Skills Training(生活技能訓練)のことであり、認知症の検査方法ではない。精神障害の症状の改善と後遺症である生活障害の回復を図るものとして広く用いられるものである。
【解答】×:SSTとはSocial Skills Training(生活技能訓練)のことであり、認知症の検査方法ではない。精神障害の症状の改善と後遺症である生活障害の回復を図るものとして広く用いられるものである。
設問9
認知症高齢者は感情面が敏感なので、気持ちを大事にした接し方をすることが大切である。
【解答】○:認知症の状態がかなり進行しても、敏感な感情面にはたらきかけることで信頼関係を築くことができる。
【解答】○:認知症の状態がかなり進行しても、敏感な感情面にはたらきかけることで信頼関係を築くことができる。
設問10
伝音性難聴(conductive hearing loss)では、補聴器の使用は有効であることが多い。
【解答】○:伝音性難聴とは、外耳(外耳道・鼓膜)中耳(耳小骨・前庭窓)までの伝音器官に損傷等が起きた場合に生じる難聴である。補聴器は基本的には音を増幅して伝え、聞こえを補うもので、伝音性難聴の人に有効な用具である。
【解答】○:伝音性難聴とは、外耳(外耳道・鼓膜)中耳(耳小骨・前庭窓)までの伝音器官に損傷等が起きた場合に生じる難聴である。補聴器は基本的には音を増幅して伝え、聞こえを補うもので、伝音性難聴の人に有効な用具である。
設問11
アスペルガー症候群(Asperger’s syndrome)の特徴として、読み書き計算が苦手であることがあげられる。
【解答】×:アスペルガー症候群は、知的機能が正常あるいは高い自閉症の一つで、精神遅滞や言語発達の遅れなどはほとんどみられず、社会性の障害とこだわりがあるとされる。「読み、書き、計算」でのつまずきがあるのは、学習障害(LD)である。
【解答】×:アスペルガー症候群は、知的機能が正常あるいは高い自閉症の一つで、精神遅滞や言語発達の遅れなどはほとんどみられず、社会性の障害とこだわりがあるとされる。「読み、書き、計算」でのつまずきがあるのは、学習障害(LD)である。
設問12
注意欠陥・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)の子どもは、言語によるコミュニケーションが困難であり、図(絵)が主たるコミュニケーション手段となる。
【解答】×:注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもは、言語によるコミュニケーションが可能である。絵カードなどの図(絵)がコミュニケーション手段となるのは自閉症の子どもである。
【解答】×:注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもは、言語によるコミュニケーションが可能である。絵カードなどの図(絵)がコミュニケーション手段となるのは自閉症の子どもである。
設問13
学習障害(learning disorder)に対しては、障害による困難の実態の多様さに応じ、個性を活かした対処が必要である。
【解答】○:学習障害と密接な関係にあるものに注意欠陥・多動性障害(ADHD)がある。学習障害の子どもたちはADHDを併発している場合も多いといわれており、子どもたち一人ひとりに特化した対処が望まれる。
【解答】○:学習障害と密接な関係にあるものに注意欠陥・多動性障害(ADHD)がある。学習障害の子どもたちはADHDを併発している場合も多いといわれており、子どもたち一人ひとりに特化した対処が望まれる。
設問14
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)の主な症状として、運動失調がみられる。
【解答】○:運動失調とは、筋力低下や麻痺がみられないのにバランスや協調運動に障害をきたし、その結果、随意運動を円滑に行えない状態をいう。脊髄小脳変性症では、運動失調のほか不随意運動、固縮、姿勢反射障害や、自律神経障害としての排尿障害、起立性低血圧等がみられる。
【解答】○:運動失調とは、筋力低下や麻痺がみられないのにバランスや協調運動に障害をきたし、その結果、随意運動を円滑に行えない状態をいう。脊髄小脳変性症では、運動失調のほか不随意運動、固縮、姿勢反射障害や、自律神経障害としての排尿障害、起立性低血圧等がみられる。
設問15
反動形成とは、忍耐力や抑制がきかなくなることにより、人に依存することである。
【解答】×:反動形成とは、認めたくない自分の本心とはまったく逆の言動をとってしまうことである。
【解答】×:反動形成とは、認めたくない自分の本心とはまったく逆の言動をとってしまうことである。
設問16
自転車の乗り方などのからだで覚えた記憶を感覚記憶という。
【解答】×:自転車の乗り方などのからだで覚えた記憶を手続き記憶という。一般的に手続き的記憶は加齢による低下はないとされる。
【解答】×:自転車の乗り方などのからだで覚えた記憶を手続き記憶という。一般的に手続き的記憶は加齢による低下はないとされる。
設問17
呼吸数を測定するときは、あらかじめ測ることを予告してから行う。
【解答】×:呼吸数の測定をされているとわかると、利用者は意識しそれまでと異なった呼吸状態になることがあるので、測定していることを気づかれないよう留意する必要がある。
【解答】×:呼吸数の測定をされているとわかると、利用者は意識しそれまでと異なった呼吸状態になることがあるので、測定していることを気づかれないよう留意する必要がある。
設問18
肺動脈には動脈血が流れている。
【解答】×:肺動脈には静脈血が流れている。肺で酸素を得た動脈血は、肺静脈を流れ再度心臓に戻り、全身に送り出される。そのため肺静脈には動脈血が流れている。
【解答】×:肺動脈には静脈血が流れている。肺で酸素を得た動脈血は、肺静脈を流れ再度心臓に戻り、全身に送り出される。そのため肺静脈には動脈血が流れている。
設問19
左心房には肺からの血液が流入する。
【解答】○:左心房には肺からの血液が流入する。全身を巡ってきた静脈血は右心房に戻り、右心室から出る肺動脈を通って、肺に送られる。静脈血は肺でガス交換をして動脈血になり、肺静脈を通って左心房に戻る。この右心室から肺、左心房までの循環を肺循環または小循環という。
【解答】○:左心房には肺からの血液が流入する。全身を巡ってきた静脈血は右心房に戻り、右心室から出る肺動脈を通って、肺に送られる。静脈血は肺でガス交換をして動脈血になり、肺静脈を通って左心房に戻る。この右心室から肺、左心房までの循環を肺循環または小循環という。
設問20
誤嚥を予防するため、頸部を後屈した姿勢に保つ。
【解答】×:人体を側面から見ると、気管は胸側、食道は背側に位置する。頸部を前屈することにより、咽頭と気管に角度がつき誤嚥しにくくなる。前屈姿勢をとらないと、咽頭と気管が直線になり、飲食物が気管に入りやすくなり危険である。
【解答】×:人体を側面から見ると、気管は胸側、食道は背側に位置する。頸部を前屈することにより、咽頭と気管に角度がつき誤嚥しにくくなる。前屈姿勢をとらないと、咽頭と気管が直線になり、飲食物が気管に入りやすくなり危険である。
- 出典
- 『速習 一問一答 介護福祉士国試対策2013』を一部改編