前の月の「今日の一問一答」の問題から20問を抜粋し、月に一回、「確認テスト」を開催します。満点がとれるまで繰り返しチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
5月分の確認テスト【問題と解答・解説】
問題(20問)と解答・解説
設問1
要介護者の衣服は、介護職にとって介助しやすい物を優先する。
【解答】×:衣服の選択は要介護者の自己表現の機会となり精神的満足も得られ、他者から見られることで社会への関心が高まり、生活範囲が拡大される。介助しやすい物が優先されることは望ましくない。
【解答】×:衣服の選択は要介護者の自己表現の機会となり精神的満足も得られ、他者から見られることで社会への関心が高まり、生活範囲が拡大される。介助しやすい物が優先されることは望ましくない。
設問2
片麻痺で、杖歩行の利用者が階段を降りる場合、介護者は利用者の一段先を歩く。
【解答】○:自立して、つえ歩行している利用者の介護では、介護者は、昇りも降りも利用者の一段下を歩き、利用者がバランスを崩しそうになったときには即座に補助する。
【解答】○:自立して、つえ歩行している利用者の介護では、介護者は、昇りも降りも利用者の一段下を歩き、利用者がバランスを崩しそうになったときには即座に補助する。
設問3
嚥下機能が低下している利用者の食事介助では、咀嚼しているときに、次に食べるものを説明する。
【解答】×:咀嚼しているときに次に食べるものを説明すると、意識が咀嚼しているものに集中せず、誤嚥を誘発する危険性がある。利用者に声をかけながら楽しく食事をとってもらうことは大切であるが、食べ物を嚥下する瞬間は反射的に呼吸を止めて気道にふたをするため、返答を必要とする声かけはしない。
【解答】×:咀嚼しているときに次に食べるものを説明すると、意識が咀嚼しているものに集中せず、誤嚥を誘発する危険性がある。利用者に声をかけながら楽しく食事をとってもらうことは大切であるが、食べ物を嚥下する瞬間は反射的に呼吸を止めて気道にふたをするため、返答を必要とする声かけはしない。
設問4
入浴介助では、温度の確認のために肩にお湯をかける。
【解答】×:入浴時のお湯の温度は、身体の部分で最も敏感な末梢部である足先で確認することが一般的である。ただし、片麻痺の場合は健側の足先で行わなければならない。
【解答】×:入浴時のお湯の温度は、身体の部分で最も敏感な末梢部である足先で確認することが一般的である。ただし、片麻痺の場合は健側の足先で行わなければならない。
設問5
男性用尿器を使用する際は、側臥位よりも仰臥位のほうが排尿しやすい。
【解答】×:尿器を使用する際は、腹圧をかけやすいように膝を曲げ、やや前傾姿勢になると排尿しやすい。側臥位ではこの姿勢が取りやすい。また仰臥位に比べ、尿器やペニスを自分で支えることが容易であるため、尿器が安定しやすい。
【解答】×:尿器を使用する際は、腹圧をかけやすいように膝を曲げ、やや前傾姿勢になると排尿しやすい。側臥位ではこの姿勢が取りやすい。また仰臥位に比べ、尿器やペニスを自分で支えることが容易であるため、尿器が安定しやすい。
設問6
介護過程では、利用者の望むことをすべて取り入れる。
【解答】×:介護過程では、利用者の生活全体や希望などの情報から全体像を把握し、生活上の課題を明確にし、個別援助計画の立案へとつなげていく。利用者の望みすべてがニーズと合致するとは限らない。
【解答】×:介護過程では、利用者の生活全体や希望などの情報から全体像を把握し、生活上の課題を明確にし、個別援助計画の立案へとつなげていく。利用者の望みすべてがニーズと合致するとは限らない。
設問7
介護過程のアセスメント(assessment)では、ニーズ(needs)を把握する。
【解答】○:介護職は利用者の言葉や現れている事象の背景に何があるのか、それらの相互関係を明らかにし、真のニーズを発見していく。それとともに、利用者が望む生活の実現に向けた解決すべき生活上の課題を明確化する。
【解答】○:介護職は利用者の言葉や現れている事象の背景に何があるのか、それらの相互関係を明らかにし、真のニーズを発見していく。それとともに、利用者が望む生活の実現に向けた解決すべき生活上の課題を明確化する。
設問8
介護過程では、実行可能な介護計画を立案する。
【解答】○:介護計画は、利用者のよりよい生活を実現するためにある。したがって、実行可能なものでなければならない。一つひとつ確実に実現できる喜びを積み重ねることで、より自立に向けた生活が実現できる。
【解答】○:介護計画は、利用者のよりよい生活を実現するためにある。したがって、実行可能なものでなければならない。一つひとつ確実に実現できる喜びを積み重ねることで、より自立に向けた生活が実現できる。
設問9
ケアカンファレンス(care conference)では、援助技術を向上させるための方策を導き出す。
【解答】○:ケアカンファレンスには、専門職として業務を展開するために必要な知識、技術、技能、価値、倫理などを教えられる教育的機能も含まれる。さらに他職種間で話し合うことで、新たな視点や方法を獲得することもでき、利用者に合ったプランニングが可能となる。
【解答】○:ケアカンファレンスには、専門職として業務を展開するために必要な知識、技術、技能、価値、倫理などを教えられる教育的機能も含まれる。さらに他職種間で話し合うことで、新たな視点や方法を獲得することもでき、利用者に合ったプランニングが可能となる。
設問10
介護過程における評価とは、実施した介護を具体的に記録することである。
【解答】×:評価とは、設定した目標に利用者が到達できたかどうかを検討することである。介護記録や観察結果をもとに、問題(課題)は解決しているか、利用者の状況はどう変化したか、実践の途中で新たな問題は発生していないか、利用者や家族の思いや受け止め方はどうか、などについて検討する。
【解答】×:評価とは、設定した目標に利用者が到達できたかどうかを検討することである。介護記録や観察結果をもとに、問題(課題)は解決しているか、利用者の状況はどう変化したか、実践の途中で新たな問題は発生していないか、利用者や家族の思いや受け止め方はどうか、などについて検討する。
設問11
フロイト(Freud,S.)は、ライフサイクル(life cycle)とは出発点(誕生)から、終了点(死亡)までの過程(旅)であり、人生の各段階は階段を上がるように進んでいくと述べた。
【解答】×:フロイトは、発達段階について、人間が生きていくための本能的エネルギーであるリビドーがどの身体部位に現れるかによって、口唇期、肛門期、エディプス期(男根期)、潜在期、性器期に分けた。ライフサイクルという概念はエリクソン以降である。
【解答】×:フロイトは、発達段階について、人間が生きていくための本能的エネルギーであるリビドーがどの身体部位に現れるかによって、口唇期、肛門期、エディプス期(男根期)、潜在期、性器期に分けた。ライフサイクルという概念はエリクソン以降である。
設問12
ユング(Jung,C.)は、40歳前後を人生の正午に例え、それ以降の中年期を老年期に至るまでの準備期間であると説明した。
【解答】○:ユングは、40歳前後を「人生の正午」に例えた。また、人生の目的として自己実現ないし個性化をあげている。これは無意識に潜在している自らの可能性に気づき、自己として統合する過程で、人生後半の大きな課題ともいえる。
【解答】○:ユングは、40歳前後を「人生の正午」に例えた。また、人生の目的として自己実現ないし個性化をあげている。これは無意識に潜在している自らの可能性に気づき、自己として統合する過程で、人生後半の大きな課題ともいえる。
設問13
結晶性知能は、経験や知識の豊かさなどに結びつく能力である。
【解答】○:結晶性知能とは、過去の学習経験を高度に適用して得られた判断力や習慣を指し、「経験や知識の豊かさ」と関連する知能である。
【解答】○:結晶性知能とは、過去の学習経験を高度に適用して得られた判断力や習慣を指し、「経験や知識の豊かさ」と関連する知能である。
設問14
老人性難聴(presbycusis)では、特に低音域の聴力が低下する。
【解答】×:老人性難聴では、特に高音域の聴力が低下する。通常、高齢者は鼓膜や耳小骨が加齢とともに硬くなり振動しにくくなる。そのため、高音域から徐々に聞こえにくくなることが多い。
【解答】×:老人性難聴では、特に高音域の聴力が低下する。通常、高齢者は鼓膜や耳小骨が加齢とともに硬くなり振動しにくくなる。そのため、高音域から徐々に聞こえにくくなることが多い。
設問15
慢性肺気腫(chronic pulmonary emphysema)は、中高年の男性に多く発症し、進行すると、息切れ、呼吸困難、チアノーゼ(cyanosis)などの症状がみられる。
【解答】○:慢性肺気腫は、肺の弾力性がなくなり、吸気はできるが呼気が十分にできないため、肺の中に空気が残り、肺が持続的に膨らんでいる状態となる。治療は対症療法として、気管支拡張薬、去痰薬、抗生物質などの薬物療法、場合により気管支切開などが行われる。
【解答】○:慢性肺気腫は、肺の弾力性がなくなり、吸気はできるが呼気が十分にできないため、肺の中に空気が残り、肺が持続的に膨らんでいる状態となる。治療は対症療法として、気管支拡張薬、去痰薬、抗生物質などの薬物療法、場合により気管支切開などが行われる。
設問16
認知症高齢者は出来事全体の記憶力が低下しやすい。
【解答】○:通常の物忘れでは断片的に記憶力が低下するが、認知症の場合は出来事全体の記憶力が低下しやすい。
【解答】○:通常の物忘れでは断片的に記憶力が低下するが、認知症の場合は出来事全体の記憶力が低下しやすい。
設問17
認知症高齢者には、見当識障害による簡単な計算や数の概念の崩壊がみられる。
【解答】×:簡単な計算力の低下や数の概念の崩壊などの症状は失計算と呼ばれる。失計算は、見当識障害によるものではない。
【解答】×:簡単な計算力の低下や数の概念の崩壊などの症状は失計算と呼ばれる。失計算は、見当識障害によるものではない。
設問18
うつ病(depression)と認知症(dementia)の症状は異なるので、鑑別は容易である。
【解答】×:認知症の心理症状には、妄想や焦燥感、意欲の低下、意識障害、そしてうつ状態がある。うつ病と認知症の症状はよく似ているので判別は困難であり、専門医による診断が求められる。
【解答】×:認知症の心理症状には、妄想や焦燥感、意欲の低下、意識障害、そしてうつ状態がある。うつ病と認知症の症状はよく似ているので判別は困難であり、専門医による診断が求められる。
設問19
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、男性に比べて女性に多い。
【解答】○:原因は不明であるが、血管性認知症は男性のほうが多く、アルツハイマー型認知症については、女性のほうが多い。
【解答】○:原因は不明であるが、血管性認知症は男性のほうが多く、アルツハイマー型認知症については、女性のほうが多い。
設問20
血管性認知症(vascular dementia)では、感情失禁はみられない。
【解答】×:感情失禁とは、感情のコントロールが困難になり、ちょっとした刺激で感情が溢れ出る状態をいう。血管性認知症では、感情失禁が出現することがある。
【解答】×:感情失禁とは、感情のコントロールが困難になり、ちょっとした刺激で感情が溢れ出る状態をいう。血管性認知症では、感情失禁が出現することがある。
- 出典
- 『速習 一問一答 介護福祉士国試対策2013』を一部改編