前の月の「今日の一問一答」の問題から20問を抜粋し、月に一回、「確認テスト」を開催します。満点がとれるまで繰り返しチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
7月分の確認テスト【問題と解答・解説】
問題(20問)と解答・解説
設問1
バイステック(Biestek,F.P.)のケースワーク(casework)の7原則のうち、「受容の原則」とは、利用者の態度や行動をあるがままに受け入れることである。
【解答】○:「受容の原則」とは、利用者の態度や行動を、道徳的・感情的な立場から批判・是認などをしないで、あるがままに受け入れることである。
【解答】○:「受容の原則」とは、利用者の態度や行動を、道徳的・感情的な立場から批判・是認などをしないで、あるがままに受け入れることである。
設問2
感覚性失語(sensory aphasia)のある人には、絵カードを用いる。
【解答】×:感覚性失語(ウェルニッケ失語)のある人は、会話の内容の理解が困難であるため、絵カードは有効なコミュニケーション手段にはならない。言語の理解が可能である運動性失語(ブローカ失語)の場合、絵カードの活用は有効である。
【解答】×:感覚性失語(ウェルニッケ失語)のある人は、会話の内容の理解が困難であるため、絵カードは有効なコミュニケーション手段にはならない。言語の理解が可能である運動性失語(ブローカ失語)の場合、絵カードの活用は有効である。
設問3
個人の介護記録は、情報を共有するため、誰もが気軽に見ることができるような場所に保管する。
【解答】×:介護記録は利用者の個人情報であるため、閲覧する場合は、本人の同意が必要であり、情報が漏れないように保管しなければならない。不特定の人が見ることのできる保管方法は誤りである。
【解答】×:介護記録は利用者の個人情報であるため、閲覧する場合は、本人の同意が必要であり、情報が漏れないように保管しなければならない。不特定の人が見ることのできる保管方法は誤りである。
設問4
介護職は、社会的役割が減少して、日常生活が無気力になりがちな高齢者には、生きがいづくりを支援する。
【解答】○:高齢者は、長すぎる余暇時間と社会的孤立が意欲の低下を招き、日常生活が無気力になりがちである。高齢者が生きがいを感じるよう支援していくことが必要である。
【解答】○:高齢者は、長すぎる余暇時間と社会的孤立が意欲の低下を招き、日常生活が無気力になりがちである。高齢者が生きがいを感じるよう支援していくことが必要である。
設問5
高齢者に配慮した住宅改修として、階段の片側に手すりを設ける場合、昇るときに利き手となる側に設置する。
【解答】×:階段の手すりは、利き手で使用できるほうが安定性が確保しやすい。階段の昇り下りでは、下りるときのほうが転落の危険が伴うため、階段の片側に手すりを設置する場合は、下りるときに利き手となる側に設置することが望ましい。
【解答】×:階段の手すりは、利き手で使用できるほうが安定性が確保しやすい。階段の昇り下りでは、下りるときのほうが転落の危険が伴うため、階段の片側に手すりを設置する場合は、下りるときに利き手となる側に設置することが望ましい。
設問6
片麻痺のある利用者が、車いすから乗用車へ移乗する場合は、健側から乗車できる位置に車いすを置く。
【解答】○:移乗する方向に健側が位置するように車いすを置くことが基本である。なお、車いすは20〜30度の角度で設置することが一般的であるが、利用者の残存能力やスペースに合わせて検討する。
【解答】○:移乗する方向に健側が位置するように車いすを置くことが基本である。なお、車いすは20〜30度の角度で設置することが一般的であるが、利用者の残存能力やスペースに合わせて検討する。
設問7
嚥下機能が低下している利用者の食事介助では、食べ物を口に入れたら、口唇を閉じるように声かけする。
【解答】○:食べ物を口に入れるとき、スプーンを下唇に乗せるようにしてから、口唇を閉じるよう声かけをする。自力で閉じられない場合は手で介助する。口唇が閉じたらやや斜め上に向かって上唇に沿わせるようにスプーンを抜く。
【解答】○:食べ物を口に入れるとき、スプーンを下唇に乗せるようにしてから、口唇を閉じるよう声かけをする。自力で閉じられない場合は手で介助する。口唇が閉じたらやや斜め上に向かって上唇に沿わせるようにスプーンを抜く。
設問8
汁物は、でんぷんなどでとろみをつけると、むせやすくなる。
【解答】×:嚥下の困難な人にとって最もむせやすい食品は、水のようなとろみのないさらさらした流動物である。そのため、すまし汁やみそ汁などの汁物にはでんぷんなどでとろみをつけるとむせにくくなる。
【解答】×:嚥下の困難な人にとって最もむせやすい食品は、水のようなとろみのないさらさらした流動物である。そのため、すまし汁やみそ汁などの汁物にはでんぷんなどでとろみをつけるとむせにくくなる。
設問9
心臓機能障害のある人は、日常生活で心臓に負担がかからないよう、入浴時のお湯の温度をぬる目にする。
【解答】○:入浴時は湯温が高いと心臓の負担を高めることになる。40℃を超えない程度の湯温にする必要がある。
【解答】○:入浴時は湯温が高いと心臓の負担を高めることになる。40℃を超えない程度の湯温にする必要がある。
設問10
在宅酸素療法中の入浴では、カニューレ(cannula)は洗髪のじゃまになるので、外してから浴室に入ってもらう。
【解答】×:在宅酸素療法の場合、酸素の量や使用時間は医師の指示のもとに行われており、酸素の消費量が多くなる入浴時の酸素吸入については、あらかじめ指示を受けておく必要がある。どのような場合でも介護職の独断でカニューレを外すことは行ってはならない。
【解答】×:在宅酸素療法の場合、酸素の量や使用時間は医師の指示のもとに行われており、酸素の消費量が多くなる入浴時の酸素吸入については、あらかじめ指示を受けておく必要がある。どのような場合でも介護職の独断でカニューレを外すことは行ってはならない。
設問11
視覚障害者がいすに座る場合には、言葉で誘導することが原則である。
【解答】×:着席するときの介助では、視覚障害者をいすまで誘導し、いすの型を伝え、視覚障害者の手を背もたれと座席に導き、向きを確認してもらってから腰掛けてもらう。
【解答】×:着席するときの介助では、視覚障害者をいすまで誘導し、いすの型を伝え、視覚障害者の手を背もたれと座席に導き、向きを確認してもらってから腰掛けてもらう。
設問12
レクリエーション活動援助を行ううえでも、介護過程は必要である。
【解答】○:利用者の望む生活の実現を支援するため、レクリエーション活動援助を行ううえでも、利用者一人ひとりに合わせ、アセスメント→計画の立案→実施→評価、のプロセスが必要となる。
【解答】○:利用者の望む生活の実現を支援するため、レクリエーション活動援助を行ううえでも、利用者一人ひとりに合わせ、アセスメント→計画の立案→実施→評価、のプロセスが必要となる。
設問13
介護過程における情報の解釈は個別性を一般化することである。
【解答】×:情報の解釈はその利用者にとっての情報の意味を考え、理解することをいう。情報を収集し、それを分析・解釈する作業は、一般的な見方でしか見えていない個々の生活を、可能な限り個別化して考えるということである。
【解答】×:情報の解釈はその利用者にとっての情報の意味を考え、理解することをいう。情報を収集し、それを分析・解釈する作業は、一般的な見方でしか見えていない個々の生活を、可能な限り個別化して考えるということである。
設問14
介護過程において、目標の設定にあたっては、利用者一人ひとりの生活習慣や価値観を尊重する。
【解答】○:介護過程の目標には利用者個人の生活習慣や価値観が尊重され、反映されていることが重要になる。そうすることで着地点が明確になり、本人の努力も得られ、目標が実現しやすくなる。
【解答】○:介護過程の目標には利用者個人の生活習慣や価値観が尊重され、反映されていることが重要になる。そうすることで着地点が明確になり、本人の努力も得られ、目標が実現しやすくなる。
設問15
高齢者は、喉の渇きに対する感覚が鈍くなり、脱水状態になっても気がつかないことがある。
【解答】○:高齢者は老化により渇中枢のはたらきが衰え、喉の渇きに対して自覚症状が現れにくい。
【解答】○:高齢者は老化により渇中枢のはたらきが衰え、喉の渇きに対して自覚症状が現れにくい。
設問16
糖尿病(diabetes mellitus)の発症早期には、運動療法は効果がない。
【解答】×:生活習慣病である2型糖尿病における治療は、食事療法と運動療法が基本となる。それでも改善されない場合には、服薬による治療が実行される。
【解答】×:生活習慣病である2型糖尿病における治療は、食事療法と運動療法が基本となる。それでも改善されない場合には、服薬による治療が実行される。
設問17
高齢者の難聴では、感音性難聴(sensori-neural hearing loss)が多い。
【解答】○:感音性難聴とは、感音器官(内耳(蝸牛)聴神経脳の間の音を感じる器官)の損傷等による難聴をいう。高齢者の難聴がすべて感音性難聴というわけではないが、感音器官の老化などの加齢に伴う生理的な変化による難聴は、感音性難聴が多い。
【解答】○:感音性難聴とは、感音器官(内耳(蝸牛)聴神経脳の間の音を感じる器官)の損傷等による難聴をいう。高齢者の難聴がすべて感音性難聴というわけではないが、感音器官の老化などの加齢に伴う生理的な変化による難聴は、感音性難聴が多い。
設問18
せん妄(delirium)と比較した場合、認知症(dementia)は症状が可逆的である。
【解答】×:可逆的とは、正常な状態に戻ることができることを意味する。認知症の基本的な症状として、記憶障害、見当識障害、知能の低下、実行機能の障害などがみられる。これらは不可逆的な症状である。一方、せん妄の症状は可逆的である。
【解答】×:可逆的とは、正常な状態に戻ることができることを意味する。認知症の基本的な症状として、記憶障害、見当識障害、知能の低下、実行機能の障害などがみられる。これらは不可逆的な症状である。一方、せん妄の症状は可逆的である。
設問19
長谷川式認知症スケールは、点数(得点)が高いほど重症である。
【解答】×:長谷川式認知症スケールの総得点は30点である。測定に際しては、質問項目に正しく答えることができれば1点、間違いや答えられない場合は0点となり、20点以下で認知症が疑われる。したがって、得点が低いほど重症である。
【解答】×:長谷川式認知症スケールの総得点は30点である。測定に際しては、質問項目に正しく答えることができれば1点、間違いや答えられない場合は0点となり、20点以下で認知症が疑われる。したがって、得点が低いほど重症である。
設問20
認知症高齢者には、対話が困難になることや、行動障害が生じるなどの特徴がある。
【解答】○:認知症高齢者は、複雑な思考を伴う会話が困難となったり、身体に障害はないにもかかわらず、着脱のための身体の動きなどの一連の動作を忘れ、目的に合った行動が行えなかったりすることがある。
【解答】○:認知症高齢者は、複雑な思考を伴う会話が困難となったり、身体に障害はないにもかかわらず、着脱のための身体の動きなどの一連の動作を忘れ、目的に合った行動が行えなかったりすることがある。
- 出典
- 『速習 一問一答 介護福祉士国試対策2013』を一部改編