暴力をふるう利用者への対応
入居者9名のグループホームで働いています。そのなかに、複数の利用者に暴力をふるう男性の利用者がいます。自分の思いどおりにならなかったり気に入らないと、蹴ったり殴ったりします。標的にされるのは言い返さないような重度の認知症の人で、彼自身は十分に理解力はあると思われます。家族の言うことは聞くので注意をしてもらおうと考えたのですが、管理者は「悪い評判が立つと困るので家族には黙っているように」と言います。
動機を探ってみよう
質問の内容を通して課題を読み解くと、「暴力をふるう男性の利用者」像という存在が、職員も含めたすべての人の意識の中にあると思われます。
確かに暴力をふるう行為そのものは許される行為ではありません。ましてやそのことがトラウマになるケースもあるでしょう。しかし、周囲の困っている物事や人だけに焦点を当て過ぎると、本人の困っていることに目をそむけがちになってしまいます。
人の行為や行動、言葉を含めて、その裏には必ず動機があります。しかもグループホームという場所から『認知症』という状態像が想像できます。なおさら、その理由や根拠、原因、要因、きっかけなどの原因があるという専門職としての見方やとらえ方を再度確認してみましょう。
たとえば「自分の思いどおりにならない」ということは「思いがある」、「その人が気に入らない」ということは「気に入らない何かがある」、「言い返さないような重度の認知症の人」ということは「言い返してほしい」と解釈はできないでしょうか。つまり、「思いどおりにならないこととは何か?」「何が気に入らないのか?」「言い返してほしいのかもしれない?」など、その人の生活そのものを見直すきっかけにもなります。
物事の始まりには必ず種があるはずです。「本当に困っているのは誰なのか」から出発しても遅くはありません。
(回答者:宮崎直人)
確かに暴力をふるう行為そのものは許される行為ではありません。ましてやそのことがトラウマになるケースもあるでしょう。しかし、周囲の困っている物事や人だけに焦点を当て過ぎると、本人の困っていることに目をそむけがちになってしまいます。
人の行為や行動、言葉を含めて、その裏には必ず動機があります。しかもグループホームという場所から『認知症』という状態像が想像できます。なおさら、その理由や根拠、原因、要因、きっかけなどの原因があるという専門職としての見方やとらえ方を再度確認してみましょう。
たとえば「自分の思いどおりにならない」ということは「思いがある」、「その人が気に入らない」ということは「気に入らない何かがある」、「言い返さないような重度の認知症の人」ということは「言い返してほしい」と解釈はできないでしょうか。つまり、「思いどおりにならないこととは何か?」「何が気に入らないのか?」「言い返してほしいのかもしれない?」など、その人の生活そのものを見直すきっかけにもなります。
物事の始まりには必ず種があるはずです。「本当に困っているのは誰なのか」から出発しても遅くはありません。
(回答者:宮崎直人)