人と接する仕事には、守るべき最低限のルールがあります。本連載では、介護・福祉の仕事で身につけておくべき超基本マナーから、仕事への態度・姿勢まで皆で考え、プロとしてのスキルを磨いていきたいと思います。
第9回 目指せ!連携の達人・その1〜思わず応援したくなる雰囲気づくり
連携は一人ではできませんが、一人が始めなければスタートしません。一人から始まった連携に、協力者が一人また一人と増えていくのです。
連携においては、周囲から応援してもらえるような状況をつくりだせるかどうかがたいへん重要な要素です。これには、あなたの考え方や姿勢、具体的には普段から遣う言葉によって左右されるといえます。意識的に良い言葉を遣って、良い連携をつむぎたいものです。
今回と次回で、この「言葉の遣い方」を中心に、連携における具体的な配慮や方法について解説をします。
連携においては、周囲から応援してもらえるような状況をつくりだせるかどうかがたいへん重要な要素です。これには、あなたの考え方や姿勢、具体的には普段から遣う言葉によって左右されるといえます。意識的に良い言葉を遣って、良い連携をつむぎたいものです。
今回と次回で、この「言葉の遣い方」を中心に、連携における具体的な配慮や方法について解説をします。
語尾を明瞭に
このとき気をつけたいのは、言葉の明瞭さです。基本的なことですが、語尾が明瞭でないと、相手は再度聞き直しをしなければならず、煩わしい印象を与えてしまいます。特に電話では明瞭さを意識する必要があります。
私もかつては語尾がハッキリしていなくて、訪問の時間などは、「1時」と「7時」が伝わりにくく、相手の勘違いを招いた経験があります。最近では「7時」を「ななじ」と言い、間違いを招かないように工夫しています。
このように、数字や固有名詞に関しては、聞き間違いや勘違いが起こる可能性が高いので、特に語尾をハッキリ発音する癖をつけたいものです。
元気な声と笑顔を
人は元気な声と笑顔に反応します。そして、そんな人には自然に応援したくなるものです。まずは自分から笑顔で元気な声を発信し接することで、受け取る相手も笑顔を返す。この笑顔と元気な声の相互作用が、大きな効果を生み出します。
皆さんも、ご自身の経験から考えていただければおわかりかと思いますが、明るい雰囲気には人を引きつける力がありますね。
皆さんも、ご自身の経験から考えていただければおわかりかと思いますが、明るい雰囲気には人を引きつける力がありますね。
言葉は生きもの
情報は人の口で増幅される性質をもっています。
例えば、「陰口百倍 ほめ千倍」という言葉がありますが、これは、情報が人の口によって増幅されることを例えています。
この例ですと、陰口は百倍の内容となって広まります。あなたが陰で誰かの悪口を言うと、あなたが言っていたことの百倍となって広がる訳です。怖いですね。
しかし、一方であなたが陰で誉めると、それは千倍になって広がり、周り回って本人の耳に入ることになります。相手にとってはこんな嬉しいことはないですね。あなたに対するイメージも良くなります。
次の文は、あるケアマネが訪問入浴サービス事業者の担当者へ宛てたメールの一文です。
このような言葉には、感謝の意のなかに「褒め言葉」が隠れています。
さらに、クライエントが直接援助を行った専門職を褒めていたという事柄を、相談援助者であるケアマネが本人に話しているため、専門職は、クライエントにも、ケアマネにも良いイメージを抱く事になります。
「連携の中心にクライエントを」の視点から考えれば、相当に効果がある事がわかります。
以上、言葉の効果を解説しましたが、これらには、連携を柔軟に強くしていく潤滑油のような働きがあります。
連携の手法うんぬんよりも、まずは良い言葉を遣い、人の悪口よりは褒め言葉を常に心がけることが連携の第一歩といえるでしょう。
次回は、FAXやメールを使用する際の配慮を解説します。相手の顔が見えない、声質等も確認できないツールでの伝達には、幾多の配慮すべき点があります。
次回は9月15日(火)更新予定です。
例えば、「陰口百倍 ほめ千倍」という言葉がありますが、これは、情報が人の口によって増幅されることを例えています。
この例ですと、陰口は百倍の内容となって広まります。あなたが陰で誰かの悪口を言うと、あなたが言っていたことの百倍となって広がる訳です。怖いですね。
しかし、一方であなたが陰で誉めると、それは千倍になって広がり、周り回って本人の耳に入ることになります。相手にとってはこんな嬉しいことはないですね。あなたに対するイメージも良くなります。
次の文は、あるケアマネが訪問入浴サービス事業者の担当者へ宛てたメールの一文です。
このたびは、○○さんの援助ありがとうございます。
おかげで安心してお風呂に入ることができ、助かったと、とても喜んでいましたよ
おかげで安心してお風呂に入ることができ、助かったと、とても喜んでいましたよ
このような言葉には、感謝の意のなかに「褒め言葉」が隠れています。
さらに、クライエントが直接援助を行った専門職を褒めていたという事柄を、相談援助者であるケアマネが本人に話しているため、専門職は、クライエントにも、ケアマネにも良いイメージを抱く事になります。
「連携の中心にクライエントを」の視点から考えれば、相当に効果がある事がわかります。
以上、言葉の効果を解説しましたが、これらには、連携を柔軟に強くしていく潤滑油のような働きがあります。
連携の手法うんぬんよりも、まずは良い言葉を遣い、人の悪口よりは褒め言葉を常に心がけることが連携の第一歩といえるでしょう。
次回は、FAXやメールを使用する際の配慮を解説します。相手の顔が見えない、声質等も確認できないツールでの伝達には、幾多の配慮すべき点があります。
次回は9月15日(火)更新予定です。