「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第15回 体当たり学習法IIと評価
体当たり学習II
ここまでの段階で、「体当たり学習」が1回、「絞り込み学習」が1回行われている。しかし、「絞り込み学習」によって、どの程度理解が進んだかは把握できていない。そこで「体当たり学習II」を使う。「体当たり学習I」で1クール終わっているので、「体当たり学習II」は2クール目となる。
2クール目の「体当たり学習II」は、1クール目と同じ要領で行う。1問ずつ解き、解答を確認し、問題の右肩に「○」「×」をつける。2クール目の「○」「×」は、1クール目の「○」「×」の右隣につけよう。
2クール目の「体当たり学習II」は、1クール目と同じ要領で行う。1問ずつ解き、解答を確認し、問題の右肩に「○」「×」をつける。2クール目の「○」「×」は、1クール目の「○」「×」の右隣につけよう。
評価基準
「体当たり学習II」が終わった時点で、問題の右肩には、1クール目の結果と2クール目の結果の2つの「○」または「×」がついているはずだ。次に、この○×の組み合わせについて、図表-2の評価基準を参考に「評価」を行おう。
「評価」といっても、点数の良し悪しを評価するのではない。「その問題について、どの程度理解しているのか(理解の傾向)」を評価するのだ。
「評価」といっても、点数の良し悪しを評価するのではない。「その問題について、どの程度理解しているのか(理解の傾向)」を評価するのだ。
○×組み合わせ | 1クールを終えての評価 | 2回目の絞り込み学習に向けて | ||
1クール | 2クール | |||
A | ○ | ○ | ほぼ完全に理解できている | 飛ばしてよい |
B | ○ | × | 理解があいまいだった可能性あり | 「×」の原因究明を! |
C | × | ○ | 絞り込み学習法の成果あり | 「○」の原因究明を! |
D | × | × | より重点的に学習が必要 | 時間をかけて丁寧に! |
「○」が2つついている問題(図表中のA)は「理解できている問題」といえる。この問題に関する知識は、ほぼ完全にあなたの脳に定着している。
1クール目が「○」、2クール目は「×」の問題もある(図表中のB)。この問題こそ「理解があいまいな問題」だ。どうして「○」が「×」になったのか、しっかりと原因を究明しておく必要がある。
1クール目は「×」だったが、2クール目は「○」になった問題もあろう(図表中のC)。これは絞り込み学習法の成果が現れたものだ。「×」から「○」になったのはなぜか、何がそうさせたのか、あなたなりの説明ができるとよい。ゆっくりでよいので「○」の数を1つずつ増やしていこう。
「×」が2つついている問題は「理解できていない問題」である(図表中のD)。「絞り込み学習I」を行っても、その成果が脳に定着しなかったと考えよう。このカテゴリーの問題は、時間をかけて基礎知識から丁寧に学習し直す必要がある。
最後に、「体当たり学習II」の結果について、「回数別得点表」に合計点を、「科目別得点表」に平均点を、「2クール目」の欄につける。
この時点で大きな変化が出ている場合は、あなたの努力が報われたことになる。しかし一般的には、まだ「大きな変化」は現れない。知識はジワジワと身につくものであって、一朝一夕に成果が現れるものではないからだ。
1クール目が「○」、2クール目は「×」の問題もある(図表中のB)。この問題こそ「理解があいまいな問題」だ。どうして「○」が「×」になったのか、しっかりと原因を究明しておく必要がある。
1クール目は「×」だったが、2クール目は「○」になった問題もあろう(図表中のC)。これは絞り込み学習法の成果が現れたものだ。「×」から「○」になったのはなぜか、何がそうさせたのか、あなたなりの説明ができるとよい。ゆっくりでよいので「○」の数を1つずつ増やしていこう。
「×」が2つついている問題は「理解できていない問題」である(図表中のD)。「絞り込み学習I」を行っても、その成果が脳に定着しなかったと考えよう。このカテゴリーの問題は、時間をかけて基礎知識から丁寧に学習し直す必要がある。
最後に、「体当たり学習II」の結果について、「回数別得点表」に合計点を、「科目別得点表」に平均点を、「2クール目」の欄につける。
この時点で大きな変化が出ている場合は、あなたの努力が報われたことになる。しかし一般的には、まだ「大きな変化」は現れない。知識はジワジワと身につくものであって、一朝一夕に成果が現れるものではないからだ。