「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第12回 学習のターゲットは「理解できていない問題」
ターゲットを絞る
図表-1は、問題にぶつかったときのあなたの理解度を示したものだ。問題を理解度で分けると、あなたが「理解できている問題」と「あいまいな問題」と「理解できていない問題」の3種類がある。「理解できている問題」とは、あなたの頭の中で整理され、記憶としてしっかりと定着している問題だ。「理解できていない問題」は、まったく手が出ない問題。「あいまいな問題」はわかったような、わからないような、まさに「理解があいまい」な問題だ。
効果的学習法は「理解できていない問題」を見つけ、そこに時間と労力を費やす方法である。極端な言い方をすれば、「理解できていない問題」に焦点化して集中的に学習する方法ともいえる。
受験勉強を開始した直後は、「理解できている問題」よりも「理解できていない問題」のほうが大きいはずだ(左の図)。しかし、ガッカリすることはない。「理解できていない問題」は、学習を進めれば進めるほど小さくなり、逆に「理解できている問題」が大きくなる。「あいまいな問題」は不思議なほど少なくなっていく(右の図)。
効果的学習法は「理解できていない問題」を見つけ、そこに時間と労力を費やす方法である。極端な言い方をすれば、「理解できていない問題」に焦点化して集中的に学習する方法ともいえる。
受験勉強を開始した直後は、「理解できている問題」よりも「理解できていない問題」のほうが大きいはずだ(左の図)。しかし、ガッカリすることはない。「理解できていない問題」は、学習を進めれば進めるほど小さくなり、逆に「理解できている問題」が大きくなる。「あいまいな問題」は不思議なほど少なくなっていく(右の図)。
バケツに水滴を落とすように
受験勉強は、ガムシャラにやってはいけない。「必ず毎日」「少しずつ」がコツだ。どうしても時間がとれないときは、問題集のページを開くだけでもよい。「毎日、過去問や予想問題に触れること」がポイントだ。
効果的学習法が進んでいく「イメージ」を描くと、だいたい次のようになるだろうか。
今、目の前にバケツがあるとする。このバケツの中に一滴ずつ水を落としていく。この水滴が「知識」だ。蓄えられた水の量が少ないうちは、強い風が吹くとバケツごとひっくり返る。水もなくなり、また最初から、一滴ずつ溜める。これが試験の4か月前。
しだいに水が溜まってくると、バケツに重みが出てくる。突風が吹くと少しだけ底が持ちあがる。水は3分の1程度溜まった。これが試験の3か月前。
バケツは徐々に安定し始める。多少の突風では動じない。以前よりも少しだけ、水滴を落とすピッチを上げる。すると、水量の変化が体験できるようになる。3分の2程度溜まった水は、バケツをシッカリと地面にへばりつける。これが試験の2か月前。
ここまで来ると、「知識の連鎖」が頻繁に起こる。「知識の連鎖」とは、バケツに落ちた水滴が波紋のように広がり、以前に蓄えられた知識と結合することを意味する。ちょうど、脳のシナプスが情報ネットワークを張り巡らすように、異なる科目間の知識が結合する。気がつくと、水量は満タンになっている。これが試験の1か月前。
ここで気を緩めてはいけない。残り1か月で、表面張力分を稼ぐのだ。水滴を落とすピッチを下げ、ゆっくり、慎重に、今まで蓄えた知識を確認しながら、ポトリ、ポトリと落としていく。表面張力ギリギリまで、じっくり、ゆっくり、たっぷり落とす。
そして、試験当日。バケツの水を、解答用紙の上にぶちまける!きれいサッパリ、ぶちまけて、スッキリする。「ああすればよかった」「こうすればよかった」と悔やんではいけない。そして、終わったあとは、試験のことを忘れる。
※文中の「○か月前」は標準的なスケジュール。もちろん、より短い期間でこのプロセスを通過することは可能である(そのぶん慌ただしくなるのだが…)。
効果的学習法が進んでいく「イメージ」を描くと、だいたい次のようになるだろうか。
今、目の前にバケツがあるとする。このバケツの中に一滴ずつ水を落としていく。この水滴が「知識」だ。蓄えられた水の量が少ないうちは、強い風が吹くとバケツごとひっくり返る。水もなくなり、また最初から、一滴ずつ溜める。これが試験の4か月前。
しだいに水が溜まってくると、バケツに重みが出てくる。突風が吹くと少しだけ底が持ちあがる。水は3分の1程度溜まった。これが試験の3か月前。
バケツは徐々に安定し始める。多少の突風では動じない。以前よりも少しだけ、水滴を落とすピッチを上げる。すると、水量の変化が体験できるようになる。3分の2程度溜まった水は、バケツをシッカリと地面にへばりつける。これが試験の2か月前。
ここまで来ると、「知識の連鎖」が頻繁に起こる。「知識の連鎖」とは、バケツに落ちた水滴が波紋のように広がり、以前に蓄えられた知識と結合することを意味する。ちょうど、脳のシナプスが情報ネットワークを張り巡らすように、異なる科目間の知識が結合する。気がつくと、水量は満タンになっている。これが試験の1か月前。
ここで気を緩めてはいけない。残り1か月で、表面張力分を稼ぐのだ。水滴を落とすピッチを下げ、ゆっくり、慎重に、今まで蓄えた知識を確認しながら、ポトリ、ポトリと落としていく。表面張力ギリギリまで、じっくり、ゆっくり、たっぷり落とす。
そして、試験当日。バケツの水を、解答用紙の上にぶちまける!きれいサッパリ、ぶちまけて、スッキリする。「ああすればよかった」「こうすればよかった」と悔やんではいけない。そして、終わったあとは、試験のことを忘れる。
※文中の「○か月前」は標準的なスケジュール。もちろん、より短い期間でこのプロセスを通過することは可能である(そのぶん慌ただしくなるのだが…)。