「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績を持つ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第6回 スキマ時間・仲間
スキマ時間を活用する
自宅で机に向かっている時だけが「受験勉強」ではない。(1)通勤や通学の移動中、(2)職場や学校の休憩時間、(3)トレイや入浴時間、(4)起きた直後、(5)寝る前等々、「スキマ時間」を活用する。そこで何をするか。「問題を解く」か「福祉年表(あとで解説する)を眺める」のである。経験的に、(5)以外は「解説的なもの」を読んでも記憶に定着されることは少ない。
通勤通学途上は、過去問の「早解き」に挑戦する絶好の機会だ。例えば、通勤通学の移動時間が電車で30分の場合、この時間内に「過去問30問」をやっつける。はじめのうちは10問程度しか解けなくても、慣れてくると1問1分程度で解けるようになる。この「スピード感覚」を身につけるには、移動時間のような「身体ごと動いている時間」を使うと効果的である。
一方、トイレ(大)や入浴中など、ある意味開放的なリラックスタイムには、「流れモノ」に手を出す。後述する「福祉年表」を眺めながら、時代の流れを把握する。日本という国にどのような出来事が起こり、どのような対策(法律や制度の制定)が打たれ、どのように展開したのか等々、出来事の展開を時間軸でつかむ。
両親や祖父母の話を聞くのも良い方法である。聞き方のコツは「福祉年表」を頭に置き、どの時代の出来事か、その時代の福祉の状況はどうだったか…という具合に、両親や祖父母の「若かりし頃」の思い出話を聞きながら、福祉の出来事を重ね合わせる。時代背景を読みながら情報を整理していく作業である。
多くの資格本では、スキマ時間に「暗記モノ」を覚えることを勧めているが、「効果的学習法」は違う。「暗記」ではなく、「早解き」や「意味づけ」を重要視する。スキマ時間のような限られた時間に「脳のトレーニング」を行うのだ。脳科学者である茂木健一郎も、「タイムプレッシャーが脳の持続力を鍛える」、「瞬間集中法で勉強を習慣化させる」* と言っている。
通勤通学途上は、過去問の「早解き」に挑戦する絶好の機会だ。例えば、通勤通学の移動時間が電車で30分の場合、この時間内に「過去問30問」をやっつける。はじめのうちは10問程度しか解けなくても、慣れてくると1問1分程度で解けるようになる。この「スピード感覚」を身につけるには、移動時間のような「身体ごと動いている時間」を使うと効果的である。
一方、トイレ(大)や入浴中など、ある意味開放的なリラックスタイムには、「流れモノ」に手を出す。後述する「福祉年表」を眺めながら、時代の流れを把握する。日本という国にどのような出来事が起こり、どのような対策(法律や制度の制定)が打たれ、どのように展開したのか等々、出来事の展開を時間軸でつかむ。
両親や祖父母の話を聞くのも良い方法である。聞き方のコツは「福祉年表」を頭に置き、どの時代の出来事か、その時代の福祉の状況はどうだったか…という具合に、両親や祖父母の「若かりし頃」の思い出話を聞きながら、福祉の出来事を重ね合わせる。時代背景を読みながら情報を整理していく作業である。
多くの資格本では、スキマ時間に「暗記モノ」を覚えることを勧めているが、「効果的学習法」は違う。「暗記」ではなく、「早解き」や「意味づけ」を重要視する。スキマ時間のような限られた時間に「脳のトレーニング」を行うのだ。脳科学者である茂木健一郎も、「タイムプレッシャーが脳の持続力を鍛える」、「瞬間集中法で勉強を習慣化させる」* と言っている。
仲間を作る
受験勉強は孤独な作業だ。ひとりでやっていると「落ちたらどうしよう…」と誰でも不安になる。そんな自分をサポートしてくれる“仲間”をみつけたい。できれば、定期的(最低月1回)に集まる学習会のようなものがあるとよい。なければ、あなたの隣に座っている人を誘ってみよう。
国家試験は入学試験とは違う。お互いが「競争相手」になる必要はない。励まし合い、情報交換をし、合格に向けた「同志」になればよい。大人数よりも、3〜5人程度の少人数がよい。「みんなで合格するぞ!」という目標を設定し、互いに励ましあいながら学習を進める。こうすれば、孤独を回避できる。
学生であれば、ゼミや国家試験対策担当の教員に相談してみるのも良い方法である。社会人受験生であれば、実習の巡回指導に来る教員にお願いしてみる方法もあるだろう。過去問の解説を読んでも理解できない問題が必ずある。それを理解するには、専門家に聞くのが最も効率的である。「理解する」とは、「なぜそうなるのか」を把握することであり、「物事の考え方」を教示してもらうことである。単に「答えを知る」のではない。「なぜ?」がポイントである。あなたの「思考パターン」を広げる機会としても有効である。
最も望ましい理想型は、専属モニターになってくれる人を探すこと。定期的に過去問の得点を報告し、自分をモニターしてもらう。学習の「進路」や「高度(デキ具合)」をしっかりとモニターしてもらい、管制塔的な役割をお願いする。特にコメントはなくても、「見ていてくれる人がいる」だけで安心できるものである。
インターネットの普及により、最近では「掲示板」や「ブログ」等の相互支援サイトの活用が進んでいる。ただし、これらは書き込みに時間がかかる。時々巡回するのはよいが、のめりこむとキリがない。上手に使いこなすことをおすすめする。
国家試験は入学試験とは違う。お互いが「競争相手」になる必要はない。励まし合い、情報交換をし、合格に向けた「同志」になればよい。大人数よりも、3〜5人程度の少人数がよい。「みんなで合格するぞ!」という目標を設定し、互いに励ましあいながら学習を進める。こうすれば、孤独を回避できる。
学生であれば、ゼミや国家試験対策担当の教員に相談してみるのも良い方法である。社会人受験生であれば、実習の巡回指導に来る教員にお願いしてみる方法もあるだろう。過去問の解説を読んでも理解できない問題が必ずある。それを理解するには、専門家に聞くのが最も効率的である。「理解する」とは、「なぜそうなるのか」を把握することであり、「物事の考え方」を教示してもらうことである。単に「答えを知る」のではない。「なぜ?」がポイントである。あなたの「思考パターン」を広げる機会としても有効である。
最も望ましい理想型は、専属モニターになってくれる人を探すこと。定期的に過去問の得点を報告し、自分をモニターしてもらう。学習の「進路」や「高度(デキ具合)」をしっかりとモニターしてもらい、管制塔的な役割をお願いする。特にコメントはなくても、「見ていてくれる人がいる」だけで安心できるものである。
インターネットの普及により、最近では「掲示板」や「ブログ」等の相互支援サイトの活用が進んでいる。ただし、これらは書き込みに時間がかかる。時々巡回するのはよいが、のめりこむとキリがない。上手に使いこなすことをおすすめする。
*茂木健一郎『脳を活かす勉強法』(PHP研究所 、2007年)