「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績を持つ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第5回 時間と場所を固定する
時間を決める
1日のうち、受験勉強が許される時間は限られている。学生であれば多少の余裕はあるかもしれないが、社会人であれば限定的である。だからこそ「限られた時間」を確保することが必要なのだ。
1日のサイクルのうち、学校やアルバイト(社会人であれば仕事、家事、育児等も)や睡眠etc…を差し引いた時間の中に「受験勉強の時間」を固定する。毎日決まった時間を設定して「生活サイクル」の中に学習時間を組み込む。設定した時刻までにすべての家事を終え、「この時間は何がなんでも勉強する!」(過去問や教科書を開くだけでもよい)という勢いで、1日の生活サイクルを規定してしまう。
私は、「21:00〜0:00 受験勉強の時間」とした。設定する時間は、それぞれの好みでよい。朝型の人は早朝に、夜型の人は夜間に設定する。しばしば、「朝のほうが効率がよい」とする本をみかけるが、人それぞれ異なる。要は、長続きをさせること。長続きの秘訣は、自分の生活習慣や生活スタイルに合った時間を設定することだ。
「社会人受験生」の場合は、夜勤や宿直勤務があるかもしれない。その場合、夜勤または宿直の休憩時間中に「学習時間」を設定する。15分でも20分でもよい。理由は後述するが、できるだけ毎日、学習時間を作ることが肝要である。また、夜勤や宿直「明け」の場合は、「明け」用の学習時間をセットする。
1日のサイクルのうち、学校やアルバイト(社会人であれば仕事、家事、育児等も)や睡眠etc…を差し引いた時間の中に「受験勉強の時間」を固定する。毎日決まった時間を設定して「生活サイクル」の中に学習時間を組み込む。設定した時刻までにすべての家事を終え、「この時間は何がなんでも勉強する!」(過去問や教科書を開くだけでもよい)という勢いで、1日の生活サイクルを規定してしまう。
私は、「21:00〜0:00 受験勉強の時間」とした。設定する時間は、それぞれの好みでよい。朝型の人は早朝に、夜型の人は夜間に設定する。しばしば、「朝のほうが効率がよい」とする本をみかけるが、人それぞれ異なる。要は、長続きをさせること。長続きの秘訣は、自分の生活習慣や生活スタイルに合った時間を設定することだ。
「社会人受験生」の場合は、夜勤や宿直勤務があるかもしれない。その場合、夜勤または宿直の休憩時間中に「学習時間」を設定する。15分でも20分でもよい。理由は後述するが、できるだけ毎日、学習時間を作ることが肝要である。また、夜勤や宿直「明け」の場合は、「明け」用の学習時間をセットする。
場所を決めて、儀式的に始める
学習する場所を決めることも重要だ。自分の机がある人はよいが、ない場合もある。社会人受験生の私は机がなかったので、受験勉強はリビングの食卓で行った。勉強時間がきたら、テーブルの上に学習用具をセットし、所定の位置に座る。手の届くところに、CDのリモコン、辞典や参考図書、福祉年表(後述する)などを配置する。この時、携帯電話やテレビの電源を切る。集中力を持続させるため外部からの刺激を遮断するのだ。
勉強の前にブラックコーヒーを飲み、ヘッドホンでお気に入りのBGMを聞く。ヘッドホンをすると雑音が遮断されるので、学習モードに入りやすい。調子が上がってきたらBGMの音を切り、「受験勉強の世界」に入っていく。
どうしても調子が上がらないときは、(1)軽く体を動かす、(2)ゆっくり深呼吸する等の方法をとる。この2つには、次のような意味と効果がある。
勉強の前にブラックコーヒーを飲み、ヘッドホンでお気に入りのBGMを聞く。ヘッドホンをすると雑音が遮断されるので、学習モードに入りやすい。調子が上がってきたらBGMの音を切り、「受験勉強の世界」に入っていく。
どうしても調子が上がらないときは、(1)軽く体を動かす、(2)ゆっくり深呼吸する等の方法をとる。この2つには、次のような意味と効果がある。
(1)体を動かす
体調はその日のコンディションによって微妙に変化する。疲れ気味でだるい時もある。そういう時は起立して軽く数回ジャンプする。両腕を大きく前後に4回、首を左右に4回、両手を天に突き刺すように背伸びする。足腰は軽くストレッチ。屈伸やアキレス腱を伸ばすだけでもよい。停滞している血液は疲労を招きやすいので、循環を促すことが目的だ。
(2)深呼吸
体のコンディションとともに重要なのが「気持ちのコンディション」である。学校や職場で嫌なことがあると、そう簡単に「学習モード」に切り替わらない。あるいは、妙にテンションが上がってしまい、落ち着かない場合もある。その場合、うっすらと目を閉じ、口からゆっくり息を吐く(先に吸ってはいけない)。腹の底にある空気をすべて出し切ったあと、鼻からゆっくりと息を吸う。胸と腹の両方を広げて、身体一杯に空気を吸い込む。
吸った空気は丹田(たんでん:へその下)に集める。吸いきった後、5秒ためてからゆっくり吐き出す。息を吸うときは、吸った空気が肺でガス交換され、手足の指先に新鮮な酸素が送り込まれるイメージを描く。これを3〜4分繰り返すと、身体がぽかぽかしてくる。と同時に、心は「平常心」になる。
勘の良い方ならピンときたと思うが、上述したブラックコーヒーやBGM、あるいは身体を動かしたり深呼吸したりするのも、「学習モード」に入るための儀式である。この「モードチェンジ」に要する時間を短縮し、いち早く「受験勉強の世界」に入っていくことを習慣化できるか否かがポイントになる。
吸った空気は丹田(たんでん:へその下)に集める。吸いきった後、5秒ためてからゆっくり吐き出す。息を吸うときは、吸った空気が肺でガス交換され、手足の指先に新鮮な酸素が送り込まれるイメージを描く。これを3〜4分繰り返すと、身体がぽかぽかしてくる。と同時に、心は「平常心」になる。
勘の良い方ならピンときたと思うが、上述したブラックコーヒーやBGM、あるいは身体を動かしたり深呼吸したりするのも、「学習モード」に入るための儀式である。この「モードチェンジ」に要する時間を短縮し、いち早く「受験勉強の世界」に入っていくことを習慣化できるか否かがポイントになる。