第85回 メメント・モリ
「メメント・モリ」という言葉を聞いたことがあると思います。ラテン語で死を覚えるという意味をもっています。中世のカトリックの修道院でシスターや神父さんが、あいさつの代わりに、用いた言葉です。与えられた自分の時間を、命を大切にしましょうというような意味で、死を覚えるなどいう意味は本来ありませんでした。
しかし、私たちは死というのをひとごとのように考えがちです。それを日常のものとして気にとめる。そのようなニュアンスの意味として「メメント・モリ」という言葉を覚えてください。
「いのち」とは、生かされて、今をどう生きるかをいいます。この「今」というのは、私が持っている時間です。命を考えるときに、時間の枠がなくては考えられないのです。時間は、まったく目に見えません。また空気や酸素も必要ですが、同じように見えないでしょう。
与えられている私たちの時間を、私たちが使うことができる。したがって私たちの使える時間をどのように使うかが、生きるということです。これを動物は意識していません。アリやミツバチは、組み込まれた遺伝子の命令の通りに働くだけです。しかし人間は自分で考えて使うことができる。万物の霊長である人間は、自分が使える時間が自分の命と意識しています。人間だけが自分で選択して自分らしく時間を使えるのです。
死に備えるということは、どうよく生きるかであり、どうよく死ぬかに通ずるのです。したがって、メメント・モリというのは、死ぬことばかりをいっているのではなくて、我々がどう生きるかの延長線にあるのです。
時には、「生まれなければよかった」と、非常にネガティブに考えることがあるでしょう。しかし、その悲しみに触れたときに、皆さんは体験というものを発見するのです。
ジャンプをするときには、身体を伏して頭を下げるものです。これはジャンプに必要なのです。100m競走の場合でも、くつろいだ状態で飛び込むような姿勢をとっています。
あとになってから、恵みだということがわかるのです。はじめから、ご褒美はないのです。はじめは苦しいかもわからない。不幸であるかもわからないけれども、その不幸を経験することによって、人間は成長するのです。
この世に生まれてきたことはハプニングそのものです。お父さんとお母さんが愛し合って生まれてきたということ、それはナノという遺伝子の中から、毎月出る精子と卵子から選ばれて、そこに出会いがあったということです。
不幸になったときに「生まれなかったらよかった」「産まなかったらよかった」と後悔することが、たびたびありますが、自分の命が与えられたものであると考えると、私たちにはそれが不幸かどうか、わからないのです。天から見ると、人間には想像できないシナリオがあるのです。
しかし、私たちは死というのをひとごとのように考えがちです。それを日常のものとして気にとめる。そのようなニュアンスの意味として「メメント・モリ」という言葉を覚えてください。
「いのち」とは、生かされて、今をどう生きるかをいいます。この「今」というのは、私が持っている時間です。命を考えるときに、時間の枠がなくては考えられないのです。時間は、まったく目に見えません。また空気や酸素も必要ですが、同じように見えないでしょう。
与えられている私たちの時間を、私たちが使うことができる。したがって私たちの使える時間をどのように使うかが、生きるということです。これを動物は意識していません。アリやミツバチは、組み込まれた遺伝子の命令の通りに働くだけです。しかし人間は自分で考えて使うことができる。万物の霊長である人間は、自分が使える時間が自分の命と意識しています。人間だけが自分で選択して自分らしく時間を使えるのです。
死に備えるということは、どうよく生きるかであり、どうよく死ぬかに通ずるのです。したがって、メメント・モリというのは、死ぬことばかりをいっているのではなくて、我々がどう生きるかの延長線にあるのです。
時には、「生まれなければよかった」と、非常にネガティブに考えることがあるでしょう。しかし、その悲しみに触れたときに、皆さんは体験というものを発見するのです。
ジャンプをするときには、身体を伏して頭を下げるものです。これはジャンプに必要なのです。100m競走の場合でも、くつろいだ状態で飛び込むような姿勢をとっています。
あとになってから、恵みだということがわかるのです。はじめから、ご褒美はないのです。はじめは苦しいかもわからない。不幸であるかもわからないけれども、その不幸を経験することによって、人間は成長するのです。
この世に生まれてきたことはハプニングそのものです。お父さんとお母さんが愛し合って生まれてきたということ、それはナノという遺伝子の中から、毎月出る精子と卵子から選ばれて、そこに出会いがあったということです。
不幸になったときに「生まれなかったらよかった」「産まなかったらよかった」と後悔することが、たびたびありますが、自分の命が与えられたものであると考えると、私たちにはそれが不幸かどうか、わからないのです。天から見ると、人間には想像できないシナリオがあるのです。
(2011年11月22日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | もっと知りたい最新歯科医療――あなたの健康を生み出すオーラル・ヘルスケア |
【講師】 | 松本宏之先生(東京医科歯科大学歯学部附属病院総合診療科クリーンルーム歯科外科) |
【日程(全2回)】 |
第1回:2011年12月13日(火)13:30〜15:30 第2回:2012年1月17日(火)13:30〜15:30 |
【会場】 |
健康教育サービスセンター 〒102-0093千代田区平河町2-7-5砂防会館5階(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【定員】 | 60名 |
【参加費】 | LPC会員2,000円/非会員3,000円 |
【申込みおよび問合せ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 |
ダンス・アーティストから学ぶ援助者のためのワークショップ 感性を育む・からだを感じる ケアに生かすコミュニケーション〜からだをほぐして心をしなやかに |
【講師】 |
新井英夫(ダンス・アーティスト、体奏家) 吉野さつき(舞台芸術分野のワークショップコーディネーター) |
【日時】 | 2011年12月17日(土)10:00〜16:00 |
【会場】 | 剛堂会館(地下鉄・「麹町」駅下車1番出口徒歩4分、半蔵門線・南北線「永田町」駅より徒歩6分) |
【定員】 | 40名 |
【対象】 | 対人援助に携わる方(看護職者、福祉職者、介護職者、コメディカル、ボランティアなど) |
【参加費】 | 5,000円(LPC会員3,000円) |
【申込みおよび問合せ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2−7−5 砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
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◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
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