全国各地で活躍する福祉・介護に携わる方々を「けあサポ」がリポートします!
第4回 「全国認知症グループホーム大会 2007年フォーラムin北海道」開催!
去る6月4日(月)〜5日(火)、札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)で全国認知症グループホーム大会 2007年フォーラム(主催・全国認知症グループホーム協会)が開催され、全国からグループホームの職員らおよそ1200名が集まりました。
今大会のテーマは、「2015年高齢者介護に向けて〜ALL You Need is LOVE〜」。介護保険施行以後、団塊の世代が65歳以上となる2015年に向けたケアのあり方が議論・実践されてきましたが、訪問介護事業者の不正請求問題など、急激な改革の歪みが露呈されつつあるのも事実です。そうした中、今一度認知症の人へのケアのあり方や人材育成、グループホーム経営についても考えるという意識が参加者からも伺えました。
大会2日目には、終末期ケアやリスクなど7つのテーマに分かれて分科会が行われましたが、中でも第1分科会「認知症の人のケアの基本」Cは、発表者・聴講者がともに新たな課題を見つけ出し、今後の実践に有益だったとの声が多く聞かれました。以下にその一部をご紹介します。
今大会のテーマは、「2015年高齢者介護に向けて〜ALL You Need is LOVE〜」。介護保険施行以後、団塊の世代が65歳以上となる2015年に向けたケアのあり方が議論・実践されてきましたが、訪問介護事業者の不正請求問題など、急激な改革の歪みが露呈されつつあるのも事実です。そうした中、今一度認知症の人へのケアのあり方や人材育成、グループホーム経営についても考えるという意識が参加者からも伺えました。
大会2日目には、終末期ケアやリスクなど7つのテーマに分かれて分科会が行われましたが、中でも第1分科会「認知症の人のケアの基本」Cは、発表者・聴講者がともに新たな課題を見つけ出し、今後の実践に有益だったとの声が多く聞かれました。以下にその一部をご紹介します。
「入居者の希望に添った1日」を支援する
長野県のグループホーム・グレイスフル岡谷では、「私たちが入居するのであれば、どう生活をしたいか」という職員の問題意識から、入居者一人ひとりに、その日やりたいことのスケジュールをたててもらい、それを支援するという取り組みを行いました。
目につく位置に用意されたホワイトボードに、「散歩」「洗濯」「食事作り」や入居者個人の趣味などが書かれたマグネットを毎朝貼ってもらうことにしましたが、今まで遠慮がちだった利用者から「散歩だけは行きたい」と要望が聞かれるようになったり、日中の傾眠頻度が減少するなど、以前よりも入居者の生き生きとした表情が見られるようになったといいます。
この発表を受けて、助言者の和田行男さんは、
「毎日『今日は何もしたくない』と言う入居者に対してはどう支援していきますか?」
との質問を投げかけました。「今までにそのようなことがなかったので、考えたことがなかった」と答えていましたが、さて、あなたならどう支援しますか?
目につく位置に用意されたホワイトボードに、「散歩」「洗濯」「食事作り」や入居者個人の趣味などが書かれたマグネットを毎朝貼ってもらうことにしましたが、今まで遠慮がちだった利用者から「散歩だけは行きたい」と要望が聞かれるようになったり、日中の傾眠頻度が減少するなど、以前よりも入居者の生き生きとした表情が見られるようになったといいます。
この発表を受けて、助言者の和田行男さんは、
「毎日『今日は何もしたくない』と言う入居者に対してはどう支援していきますか?」
との質問を投げかけました。「今までにそのようなことがなかったので、考えたことがなかった」と答えていましたが、さて、あなたならどう支援しますか?
専門職として何を支援するべきか
和田さんの問いかけの意味するところは、次のとおりです。
「入居者が何をしたいかに耳を傾けることは、本人を支援していくうえで欠かせません。しかし、本人の意思や気持ちにだけ応えていてよいのでしょうか。『何もしたくない』と毎日寝てばかりいる人の意思を「尊重」しつづければ、その人はどうなるのでしょう。
私たちは、生きるために必要なことを入居者が自分の力でやりとげられるように、将来を見据えながら支援をします。そこに介護職の専門性を発揮しなければならないのではありませんか?」
参加者からは納得と疑問の入り混じった声も聞こえてきそうですが、和田さんが日ごろ言い続けている「生きることへの支援」の本質が垣間見える説明です。
いつまでも自分のことは自分でする――そのためへの支援こそが、2015年の高齢者介護にもつながっていきます。今回の大会は、そうした理念を参加者が再認識した大会でもあるのではないでしょうか。
「入居者が何をしたいかに耳を傾けることは、本人を支援していくうえで欠かせません。しかし、本人の意思や気持ちにだけ応えていてよいのでしょうか。『何もしたくない』と毎日寝てばかりいる人の意思を「尊重」しつづければ、その人はどうなるのでしょう。
私たちは、生きるために必要なことを入居者が自分の力でやりとげられるように、将来を見据えながら支援をします。そこに介護職の専門性を発揮しなければならないのではありませんか?」
参加者からは納得と疑問の入り混じった声も聞こえてきそうですが、和田さんが日ごろ言い続けている「生きることへの支援」の本質が垣間見える説明です。
いつまでも自分のことは自分でする――そのためへの支援こそが、2015年の高齢者介護にもつながっていきます。今回の大会は、そうした理念を参加者が再認識した大会でもあるのではないでしょうか。